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狐火 (超暫定)

2014/05/02 22:24
管理人です。若干体調を崩しており、長い間このブログも放置したままで大変申し訳ありませんでした。

先日久し振りに確認した所、地歌CHAN様から「萩原 正吟師の 狐火 が有ったら」とのご要望を頂いておりました。誠に有難うございます。
(他の方からも色々とご要望も頂いておりますのに実現できておらず、スミマセン ご容赦下さい)

きちんとした体裁を整えねばならないのですが、そうすると若干時間がかかってしまいますのでとにかくお聴きいただける形をまずはご提供させていただきます。よろしくお願いいたします。

演奏は唄・三絃 萩原 正吟師です。

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楓の花

2014/01/18 21:01
お久しぶりです。管理人です。

Hiroko様からのご希望を頂きました「楓の花」をアップいたします。
演奏者は藤井 久仁江師、佐藤 親貴師のお二人です。



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  Special thanks to 管理人 千 様  
    (邦楽データベース → 古典データベース) 

          http://www.eonet.ne.jp/~tngk/deta/koten/frame.html

                            (ご紹介者:藤枝 梅安様)
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楓の花(かえでのはな)


  花の名残りも嵐山、梢々の浅緑、松吹く風にははらはらと、
  散るは楓の花ならん。井堰を登る若鮎の、さばしる水のみごもりに、
  鳴くや河鹿の声すめる、大堰の岸ぞなつかしき。
  川上遠くほととぎす、しのぶ初音に憧れて、舟さし登し見に行かん。
  戸無瀬の奥の岩つつじ。


桜の花の名残りをとどめている嵐山の、木々の梢は浅緑に色づき、初夏の訪れを告げている。松吹く風にはらはらと散る、花楓の花であろう。川を止めた堰を登る若鮎が水の中をすばやく走っており、河原に河鹿が澄んだ声で鳴いている。ああ、大堰川の岸はなつかしい。川上の遠くの方でかすかにほととぎすの初音が聞こえた。その声を慕い、舟に棹さしてのぼって行こう。戸無瀬の奥には紅の鮮やかな岩つつじが咲いていることであろう。

解説
[調弦]
箏高音:六上り調子
箏低音:四九上り平調子

[作曲]
松坂春栄

[作詞]
尾崎宍夫

[他]
手事物形式による高低二部合奏物の明治新曲。
京都嵐山の初夏の風物を歌ったもの。京風手事の伝統に基づく曲。手事は、前弾(序・マクラとも)・前チラシ・手事・チラシ。



インターネット上で見つけた歌詞の解説サイトです。こちらはリンクして参照頂くのが良いのではと思いますので、URLを掲載させていただきます。(山戸 朋盟様のHPより)
http://www2u.biglobe.ne.jp/~houmei/kasi/kaede_no_hana.html


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露の蝶

2013/10/07 15:41
皆様 随分更新を怠っておりましたが、如何お過ごしでしょうか?
何人かの方にコメントを頂戴し誠にありがとうございます。
本日は 菊原初子師演奏による「露の蝶」をアップ致します。

感想・コメントなど御座いましたら気軽にコメント欄に書き込みをお願いします。
よろしくお願いします。


33AB05

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露の蝶

世の中は 何に譬えん飛鳥川 
昨日の淵は今日の瀬と 変わり易さよ人心 
今は 此身に愛想もこそも 
月夜の空や鳥鐘を 恨みしことも仇枕(あだまくら) 
憂きを知らすや草に寝て 花に遊びて朝には露に養う蝶々の 
身ぞ羨まし味気なや 思い切りなき女子気の涙に浸す袖 袖枕

〈解説〉 人の心がなんと変わりやすいものかと訴え、今はこの身に愛想がつきたのか、暁を告げる鳥の声を恨んだ事も今となっては無駄になってしまったと嘆き、自分の境遇とは異なり、露を慕う可憐な蝶の恋を羨ましがる、涙にくれるわが身の情けなさとやるせなさを唄ったもの。


作曲:歌木検校





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嵯峨の秋

2013/07/13 21:07
皆様 大変ご無沙汰いたしました。地唄FAN管理人です。
暑い日が続きますが、皆様如何お過ごしでしょうか?

本日はamytime24様からご要望をいただきました、「嵯峨の秋」をアップさせて頂きます。
演奏は松尾 恵子師です。



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嵯峨の秋(さがのあき)


  さらでだに、ものの淋しき名にたてる、嵯峨のあたりの秋の暮、
  月は隈なき柴の戸に、忍びて漏らす箏の音は、峯の嵐か松風か、
  尋ぬる人のすさびかや。駒をとどめて聞く時は、
  つま音しるき想夫恋(そうふれん)、つま音しるき想夫恋。


そうでなくとも物寂しいと聞いている嵯峨野は、ましてや夕暮、一段と荒涼たる気配が濃い。明日に照らし出された仮住いの柴の戸あたりから、秘やかに聞こえる琴の音は、山の峰を吹く嵐の音かまたは松に当たる風の音か、それとも尋ねる人が弾いている琴の音であろうか。駒をとどめて何の曲であろうかと耳を澄ませば、爪音もあきらかに想夫恋という曲であった。

解説
[調弦]
箏高音:想夫恋調子(乃木調子から二・七絃を半音下げる)
箏低音:高音を全体に五度下げる

[作曲]
菊末勾当

[作詞]

[他]
手事物形式による高低二部合奏物の明治新曲。
平家物語の小督の巻に取材、小督が想夫恋の曲を奏する場面を描いたもの。
手事は三段。



インターネット上で見つけた歌詞の解説サイトです。こちらはリンクして参照頂くのが良いのではと思いますので、URLを掲載させていただきます。(山戸 朋盟様のHPより)
http://www2u.biglobe.ne.jp/~houmei/kasi/saganoaki.htm


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木やり

2013/02/09 18:32
皆様お久しぶりです。地唄FAN管理人です。
本日は富山 清琴師、富田 清邦師演奏による「木やり」をアップ致します。
とても魅力的な曲、素晴らしい演奏だと思います。お楽しみ下さい。



(28AB03)
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木やり

浮き立つはナ、春の日の、霞のうちの梅の花、一重ばかりか桜木か、八重も千よも今が盛りよ、折りたや中の枝から見事によう咲いた、ヤレ袖の薫るエ、おれさやおれさ、散らば甲斐あらじ。

もの憂きはナ、秋の夜に、君を松虫くつわ虫、一夜ばかりがきりぎりす、二夜も三夜も、君はこほろぎ、おひかけ中の綱から見事によう揃うた、ヤレ先の綱をエ、えいやえいや、引かば靡きゃれノ

皆様もご存じの、志賀の白玉花野に薄雲棚引く、あれからこれまで、えいや八つ橋さンまさらさら、さっと、幇間を頼んで、口説き済まいた、松が枝の太夫さんは、情は三州坂田の、万ゆに小太夫、正木に桜木初花や、宿屋入りには、ひねってしなって笑って歩んで、癖は何にもないわエ、ないこそは道理なれ、京のふらと大阪のふらと、お江戸のふらと、三千人のふらどもが、寄合談合で、作り付けたる子供たち、いかなとん的坊の、有頂天の野暮助なれども、この君には、ふン深くは逢はうか、逢ひまするまいか、いやただ不覚は逢ひ候まいと、いうたら口舌になるまいか、相のやの字が合点か、ア本綱ンよエ。

たンだ打てや打て、鼓(合) 太鼓羯鼓手拍子、碁双六におン百姓、イヨ蓆ばッたに手機、イヨ様が米をかち杵、砧かるたに常是いんが極印、曽呂利が鞭は鹿の角、ちょこちょこ打っては、界引鍛冶屋梃子の衆、からりんころりん、ちんからころりの鎚の音、打ったる狸の腹鼓。正月は節分豆、大ぶりぶりにかき玉、七草なづなをかき寄せて、ほとほとほとほと叩いた、(合) いとしけりゃこそしとど打て、憎うて打たりょか、やれこれこれはの手がそれた、おひかけせめかけ、声をかけ、本綱ンよエ。

されば僧正遍昭は、名に賞でて、折れるばかりか女郎花、我れ落ちにきと、人に語るな、おひかけ中の綱から見事によう揃うた、ヤレ先の綱をエ、えいやえいや(合)。屋敷出たときゃ浮かれて出たが、今は、今は思いの種となるイヨエ、ノウ八さま八さま、八ささンまを見たか、籬あたりの小歌ぶしイヨエ(合の手)

籬あたりの小歌ぶしイヨエ、ノウ八さま八さま、八ささンまを見たか、とかく思ひの種となるイヨエ

(これより奥)
我は西国の順礼にござる、今年始めて、札所を巡るときゃ、音にゃかんからからころ、こん唐拍子の、播磨の書写の、観音堂から一夜堂まで、札をひっさりばっさりと、ちょうど打てやおされた、末に出ょうずもの、紫竹かんから唐竹、苦竹本から末竹、中からからからりん、竹をきりきりがん、きりきりがん、きりきりきりきりきりきりきり、ヤレたまり水、澄まず濁らずねずいらず、人の心も、それに名づけて、なにも柳もさらりとや解いた、とかく浮世は軽いがよいわいな、思ひにずるり、ずるずるずると沈むさ、とかく浮世は夢ぢぁもの。


解説
[調弦]
三絃:本調子

[作曲]
佐山検校

[作詞]
不明

[他]
本調子長歌物。



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七小町

2012/11/25 21:34
かなりの期間 更新もせず大変失礼致しました。
地唄FAN管理人です。

皆様からのご希望の多かった「七小町」をアップさせて頂きます。演奏は
唄・三絃 阿部 桂子師
唄・箏  藤井 久仁江師
尺八   山口 五郎師
です。




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                            (ご紹介者:藤枝 梅安様)
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七小町(ななこまち)


  蒔かなくに、何を種とて浮草の、
  浪の畝々(うねうね)生ひ茂るらん。
  草子洗ひに名にしおふ、その深草の少将が、
  百夜(ももよ)通ひも理や。日の本ならば照りもせめ、
  さりとては又天が下とは、下ゆく水の逢坂の、
  庵へ心関寺の、うちも卒塔婆(そとば)も袖褄(そでつま)を、
  引く手あまたの昔は小町。
  今は恥し市原野。古跡(こせき)もきよき清水(きよみず)の、
  大悲の誓ひかがやきて。
  曇りなき世に雲の上、在りし昔はかはらねど、
  見し玉簾(たまだれ)の、内やゆかしき、内ぞゆかしき。


蒔かないのに何を種として浮草は浪の畝々に生えて茂るのであろうと、謡曲草子洗でうたった草の名のついた深草の少将が百夜も小町のもとに通ったのも道理である。
日の本といえば、文字の通り、日光が照りもするのであろう。
それはそうとして、天の下といえば、その下を流れていく水の逢うという逢坂の庵へ心がせかれて行く関寺の、内や外にある卒塔婆に小町が腰を下せば、その袖褄を引く手が数多あった昔であった。
しかし今は、老い衰えて恥しく市原の里にこもり、古跡も清い清水寺の観音の御利益は輝いて曇りのない世に謡曲鸚鵡小町にある歌のように、殿上に仕えていた昔と変わらないが、以前見た御殿の御簾が懐かしく思われる。

解説
[調弦]
三絃:本調子−二上り−高三下り
箏:雲井調子−平調子−中空調子

[作曲]
光崎検校
箏手付け:八重崎検校

[作詞]
船坂三枝

[他]
京風手事物。
小町伝説に基づく和歌や能の曲名などを綴る。 草子洗小町・通小町・雨乞小町・関寺小町・卒塔婆小町・清水小町・鸚鵡小町の順。
手事はマクラ(ツナギとも。最後のほうを前チラシとも)・本手事・チラシ。 かつての許し物。



インターネット上で見つけた歌詞の解説サイトです。こちらはリンクして参照頂くのが良いのではと思いますので、URLを掲載させていただきます。(山戸 朋盟様のHPより)
http://www2u.biglobe.ne.jp/~houmei/kasi/nanakomachi.htm




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根曳の松

2012/05/19 19:50
皆様 如何お過ごしでしょうか?
地唄FAN管理人です。

先日じゅん様からご要望のあった「根曳の松」をアップ致します。
演奏は 藤井 久仁江師です。



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根曳の松(ねびきのまつ)

  神風や、伊勢の神楽の学びして、
  萩にはあらぬ笛竹の、音も催馬楽(さいばら)に、
  吹き納めばや。

  難波津(なにわづ)のなにはづの、芦原に昇る朝日のもとに住む、
  田蓑の鶴の声々を、琴の調べに聞きなして、
  軒端に通ふ春風も、菜蕗(ふき)や茗荷のめでたさに、
  野守の宿の門松は、老ひたるままに若みどり、
  世も麗らかになりにけり。

  そもそも松の徳若に、万才祝ふ君が代は、
  蓬が島もよそならず、秋津島てふ国の豊かさ。


伊勢神宮の神前で奏するお神楽のまねをして、浜萩ではない竹で作った笛の音も冴え冴え、催馬楽様に吹奏して、祝い納めたいものである。
難波津の葦原に昇る朝日のもとで鳴く、田蓑の島の鶴の声々を琴の調べと聞きなして、軒端に吹き来る春風は菜蕗(富貴)や茗荷(冥加)という言葉に含まれているのでめでたい菜蕗組の調べのようであり、野守の家の門いn生えている松は、老松であるのに緑色の若芽を吹いており、世はうららかな春景色になった。
さて、年の初めに万歳が「徳若の御万才まで栄えませ」と戸毎に祝い歩く君が御代は、蓬莱山というめでたい島も、他所にあるものではなく、現在の御代を言っているのである。何とまあ、秋津島をいうわが国の富み栄えていることであろうか。

解説
[調弦]
三絃:低二上り−三下り−本調子−二上り
箏:低平調子−中空調子

[作曲]
三橋勾当
箏手付け:八重崎検校や峰崎勾当など

[作詞]
松本一翁

[他]
大阪系地歌。二上り手事物。
正月の子の日の遊びの行事において引き抜く根曳の松にちなんで、初春の情景を様々に叙した内容。
手事は三箇所に入り、前弾がつく。前歌で伊勢の神楽や催馬楽などの古代の音楽を扱い、最初の手事で伊勢の太神楽を暗示。次いで摂津の田蓑島の鶴を叙して中の手事に続け、箏組歌『菜蕗』をもじった歌を経て最後の手事へ入る。最後の手事はマクラ(楽の手)・手事二段からなり、巣籠地をあわせる。結びは正月の万歳から君が代を祝って終わる。
三絃の替手もあり、本手が三下りに転ずる中の手事には本調子の替手が合わされ、その打ち合わせ曲に富山清琴作曲『菊の寿』などがある。



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明治松竹梅

2012/05/13 21:33
皆様 如何お過ごしでしょうか?
地唄FAN管理人です。

先日 悦子様から「明治松竹梅」のご要望を頂戴しましたので、アップいたします。
演奏は 唄・箏低音:野坂 操寿師、  箏高音:野坂 恵子師(二代 操寿)のお二人です。


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明治松竹梅(めいじしょうちくばい)

一 風の音は 静まりはてて 千代を呼ばふ
  田鶴がね高し 峯の松原

二 栄えゆく 御園生の松に 雛鶴の
  千代の初めの 声をきかばや

三 この上に 幾重ふりそふ 雪ならむ
  竹むら高く 成りまさりつつ

四 立ちかへる 年の旭に 梅の花
  かをりそめたり 雪間ながらに

五 大君の 千代田の宮の 梅の花
  げにほころびむ 年の始に

六 新玉の 年の始に 梅の花
  見る我さへに ほほ笑まれつつ

七 新しき 年の祝ぎごと 言ひかはし
  袖にもかをる 梅の初花


1.風の音は静まって穏やかになり、千代の寿命を呼ぶ鶴の声は峰の松原に高く響くのである。

2.栄えて行く園生の松に巣をかけた、その中の雛鶴の千代の寿命の最初の声を聞きたいものである。

3.この上に幾重降り加わる雪であろう。竹やぶの雪は一層高く積りつつある。

4.年が廻って、再び新年になった新春の旭に、まだ降り積む雪の間に梅の花がさきがけて香り始めた。

5.大君のいます皇居の梅花は大君とともに本当に新年に当って、幸多くほころび微笑みなさることであろう。

6.新春の年の始めに梅の花を見る自分まで、思わず嬉しくなって、微笑んで眺める。

新年を祝福するおめでとうという言葉を交し合うお互いの袖に梅の初花が香るのである。

解説
[調弦]
箏高音:オルゴール調子の変形(明梅調子とも)
箏低音:雲井調子

[作曲]
菊塚与市

[他]
手事物形式による高低二部合奏物の明治新曲。
1900年から1902年にかけての勅題「松上鶴」「雪中竹」「新年梅」に対する明治天皇・皇后ほかの御製・御歌を七首年代順に配し、松竹梅としたもの。
略して「明梅」などともいう。
手事はマクラ・手事・チラシからなる。



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http://www2u.biglobe.ne.jp/~houmei/kasi/meiji_shoutikubai.htm


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影法師

2012/03/03 21:51
皆様 如何お過ごしでしょうか?
地唄FAN管理人です。

3月に入り今日は雛祭りですね。あと少しで暖かくなってくると思うと、嬉しいです。
本日は 藤井 昭子師演奏による「影法師」をアップいたします。



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影法師(かげぼうし)


  あれきけと、時雨降る夜の鐘の声。寒さによする置炬燵(おきごたつ)。
  つひとろとろとうたた寝の、夢驚きて甲斐なくも、
  よんぼり二人が差し向ひ。かき立てみれど燈火の、
  曇りがちなる心のうち、びんのほつれや寝乱れ髪に、
  やつれさんしたお前の姿、私が痩せたも道理じゃと
  私が泣けばお前も涙、ほんにこの身はあるやらないやら、
  夢まぼろしの浮世ぢゃな。
  なんとお前は思はんす、返答さんせ影法師。


時雨降る冬の夜は更けて、私は寝もやらず、物思いに沈む。身にしみる寒さに、置炬燵を手許に引き寄せて、ついとろとろとうたた寝に、遠寺の鐘がぼんと響いて聞こえて来る。はっと驚いて目を覚めてみれば、楽しい夢の甲斐も無く、しょんぼり自分の影法師と二人で差し向かいとは、なんと侘しい現だろう。薄暗い燈火の芯をかきたてては見たが、私の胸のうちは晴れやしない。びんのほつれや寝乱れ髪など、やつれ姿の影法師に声をかけてみる。随分お前はやつれたね。こんな苦労を重ねているのだもの、私がやせるのも無理はない。私が泣けばお前も涙を流してくれる。ほんにこの身はあるのやらないのやら、夢か幻の世の中じゃないか。さあ、お前はなんと思っていなさるのか。いつも無言の私の影法師、何とか返事をしておくれ。

解説
[調弦]
三絃:本調子

[作曲]
幾山検校・北村文

[作詞]
橘万丸

[他]
本調子端唄。
わが身の影法師に向かって、ままならぬ恋の愚痴を述べる様を歌ったもの。胡弓入りの合奏も行なわれ、舞地としても行なわれる。


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狐会(こんかい)

2012/02/11 22:01
皆様 如何お過ごしでしょうか?
地唄FAN管理人です。ご無沙汰しております。

「今でも小町?」様からご希望がございましたので、狐会(こんかい)をアップさせて頂きます。
演奏は唄 萩原 正吟師、三絃 堀 正美師です。
しかし 久しぶりに聴いて 「上手い!!」とため息をついてしまいました。


(47B03)

サクラ様からご希望の有りました富山 清琴師演奏による「狐会」をアップさせて頂きます。
(2012/3/8)
唄・三絃 富山 清琴師
 箏    中能島 慶子師
尺八   山本 邦山師
による演奏です。


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狐会(こんかい)

一 痛はしや母上は、花の姿に引きかへて、萎(しお)るる露の床の内、
  智恵の鏡もかき曇る、法師にまみえ給ひつつ。
  母を招けば後見返りて、さらばといはぬばかりにて、
  泣くより外のことぞなき。野越え山こえ里打ち過ぎて、
  来るは誰ゆゑそさまゆゑ、誰ゆゑ来るは、来るは誰ゆゑそさま故。

二 君恋し、寝ても覚めてもな、わすられぬ、わが思ひ、わが思ひ、
  それをもみれば、春の花散りて秋の紅葉も色づく、
  世の中は電光石火の夢のうち、捨てて願ひをさ、捨てて願ひをさ、
  なむあみだぶつ、なむあみだ。

三 君は帰るか恨めしや。いのうやれ、わが住む森に帰らん、
  勇みに勇みて帰らん、わが思ふわが思ふ、心の内は白菊。
  岩隠れ蔦隠(つたがく)れ、篠の細道かき分け行けば、虫の声々面白や。
  降りそむるやれ、降りそむる降りそむる、今朝だにも今朝だにも、
  處は跡もなかりけり。西は田の畔(あぜ)危ないさ。
  谷峯しどろに越えゆく。あの山越えてこの山越えて、
  こがれ焦るる憂き思ひ。

解説
[調弦]
三絃:三下り
箏:平調子

[作曲]
岸野次郎三
箏手付け:市浦検校・浦崎検校
     宮城道雄・富崎春昇など

[作詞]
多門庄左衛門

[他]
三下り端唄、芝居歌物。
母の病気を治すために招いた法師が、実は母親に恋慕する狐の化けたものであったために追い払うといった内容。地域によって詞章の構成に異同がある。
2と3の間奏を「南無阿弥陀仏の合の手」と称して夜中に三遍弾くと狐が現れると言う伝説がある。


インターネット上で見つけた歌詞の解説サイトです。こちらはリンクして参照頂くのが良いのではと思いますので、URLを掲載させていただきます。(山戸 朋盟様のHPより)
http://www2u.biglobe.ne.jp/~houmei/kasi/konkai.htm

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浪花十二月

2012/01/03 18:41
皆様へ

2012年 明けましておめでとう御座います。
地唄FAN管理人です。
昨年は皆様に大変お世話になりました。誠に有難うございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

確か2011年の元日には富山 清琴師の演奏による「蓬莱」をアップさせていただきましたが、本年は菊原 初子師演奏による 「浪花十二月」をアップさせていただきます。
曲名と演奏者が菊原師であること以外は全く何も分かっていませんが、ご容赦ください。でもきっと楽しんでいただけるのではと思います。
もし聞かれた方で何らかの情報をお持ちの方がいらっしゃったら、何卒よろしくお願い致します。


33AB06

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「ゆき」に富山 清琴師の別演奏(胡弓入り)を付け加えました。

2011/11/22 02:26
地唄FAN管理人です。
皆さま如何お過ごしでしょうか?

本日(2011/11/22) 「ゆき」の項目に富山 清琴師による別演奏(胡弓入り)を付け加えました。
なおこのページは演奏追加のお知らせのためだけの役割ですので、コメントなどは「ゆき」のページ本体の方に書き込んで頂くようお願いします。

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「菊の露」に富山 清琴師の演奏を付け加えました。

2011/11/12 20:11
地唄FAN管理人です。
皆さま如何お過ごしでしょうか?

本日(2011/11/12) 「菊の露」の項目に富山 清琴師による別演奏を付け加えました。
なおこのページは演奏追加のお知らせのためだけの役割ですので、コメントなどは「菊の露」のページ本体の方に書き込んで頂くようお願いします。

 →→→  「菊の露」  へのジャンプ
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「芦刈」に富山 清琴師の演奏を付け加えました。

2011/11/06 20:58
地唄FAN管理人です。
皆さま如何お過ごしでしょうか?

本日(2011/11/6) 「芦刈」の項目に富山 清琴師による別演奏を付け加えました。
なおこのページは演奏追加のお知らせのためだけの役割ですので、コメントなどは「芦刈」のページ本体の方に書き込んで頂くようお願いします。

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「千鳥の曲」に三品 正保師の演奏を付け加えました。

2011/10/29 17:45
地唄FAN管理人です。
皆さま如何お過ごしでしょうか?

今日(2011/10/29)「千鳥の曲」の項目に三品 正保師による別演奏を付け加えました。
なおこのページは演奏追加のお知らせのためだけの役割ですので、コメントなどは「千鳥の曲」のページ本体の方に書き込んで頂くようお願いします。

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「五段砧」に萩原 正吟師の演奏を付け加えました。

2011/10/23 08:23
地唄FAN管理人です。
皆さま如何お過ごしでしょうか?

今日(2011/10/23)「五段砧」の項目に萩原 正吟師による別演奏を付け加えました。
なおこのページは演奏追加のお知らせのためだけの役割ですので、コメントなどは「五段砧」のページ本体の方に書き込んで頂くようお願いします。

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新浮舟

2011/10/15 17:22
皆様 如何お過ごしでしょうか?
地唄FAN管理人です。
本日は菊原 初子師演奏による、「新浮舟」をアップさせていただきます。



34AB04
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Special thanks to 管理人 千 様
(邦楽データベース → 古典データベース)

http://www.eonet.ne.jp/~tngk/deta/koten/frame.html

(ご紹介者:藤枝 梅安様)
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞


新浮舟(しんうきふね)


  まめ人の心のかほり忘れねど、色香もあやに咲く花の、
  仇し匂ひにほだされて、つつましき名もたちばなや、
  小島が崎に誓ひてし、その浮舟の行方さへ、
  いさ白波の音すごき、身も宇治川の藻屑とは、
  なりも果てなで世の中の、夢の渡りの浮橋を、
  たどりながらも契りはあれど、すずしき道に入らんとて、
  うつつにかへす小野の山里。


薫大将の真実の溢れる厚意は忘れたのではないが、色と香が織り成すような美丈夫、匂宮の熱情にほだされて、密に橘の小島に遊んで歌のやり取りとしたことがある。そのときのお互いの誓いも、小島に遊んだときの舟が宇治川の行方知れない彼方に押し流されてしまったように、すべては失われた。死を決して宇治川に投身しようとしたが、それも果たすことも出来ず、夢のような憂きわが道を、遥けくもようやくここまで辿り着いた。仮住居の小野の里には、薫の君や京より風の便りがないではないが、今は仏門に帰依して救われたいと願うばかりである。しかし、変転極まりなかった過去を、今、この侘び住居の小野の里にあって静かに思い起こせば、昨日のように生々しく胸を打つ。

解説
[調弦]
三絃:二上り
箏:平調子 − 半雲井調子 − 平調子

[作曲]
松浦検校
箏手付け:八重崎検校
三絃替手:富崎春昇

[作詞]
不詳

[他]
京風手事物。
箏組歌の『浮舟』と区別して新を冠する。
源氏物語の宇治十帖の浮舟物語を簡潔にまとめたもの。手事は本手事−チラシとなりチラシの一部は『里の暁』、『若菜』のチラシと合う。



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「ゆき」に菊原 初子師の演奏を付け加えました。

2011/10/10 21:23
地唄FAN管理人です。
皆さま如何お過ごしでしょうか?

今日(2011/10/10)「ゆき」の項目に菊原 初子師による別演奏を付け加えました。
なおこのページは演奏追加のお知らせのためだけの役割ですので、コメントなどは「ゆき」のページ本体の方に書き込んで頂くようお願いします。

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早舟

2011/08/13 08:31
皆様 暑い日が続きますが如何お過ごしでしょうか。

本日は富山 清琴師、富田 清邦師演奏による 三味線組歌「早舟」をアップさせていただきます。よろしくお願いいたします。



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早舟(はやふね)


  [前弾]

一 祝(いわ)ひめでたの、
  嬉(うれ)しめでたの、マタノヨ若松(わかまつ)、
  枝(えだ)もイヨ栄(さか)ゆる、葉(は)もシ繁(しげ)る。

二 長(なが)の長崎(ながさき)の、永(なが)の呂宋(ルスン)の、留守(るす)すれば、
  思(おも)ひ出(だ)す事(こと)は、マタノヨ宵(よい)と、
  宵(よい)とイヨ夜中(よなか)と、暁(あかツつき)と。

三 名護屋(なごや)イヨ山路(やまじ)をノ、肥後(ひご)に八代(やつしろ)、熊本(くまもと)ぢゃ、
  鳥(とり)も通(かよ)はぬ、マタノヨ山(やま)。

四 住(す)めばヤッコラサッサニ、都(みやこ)よノ、我(わ)がサ里(さと)よ。
  四角柱(しかくばしら)の、四角柱(しかくばしら)の、マタノンエイソレ角(かど)、
  角(かど)のヤッコラサッサニ、ないこそ、添(そ)ひヨよけれ。

五 花(はな)は咲(さ)いても、梅(うめ)は開(ひら)いても、マタノンエイソレ花(はな)、
  咲(さ)いてヤッコラサッサニ、無益(むやく)の、仇花(あだばな)よ。

六 これが暇(いとま)の、これが暇(いとま)の、マタノンエイソレ文、
  手(て)にはヤッコラサッサニ取(と)らいで、なまなかなかに。
七 山(やま)ぢや谷間(たにま)の、深谷(みたに)おろしの、木(こ)の葉(は)埋(うずも)りし、
  柴(しば)の庵(いおり)も、マタノンエイソレなつ、
  都(みやこ)ヤッコラサッサなれども、旅(たび)は憂(う)や。

八 沖(おき)に引(ひ)く汐(しお)は、竹(たけ)に油(あぶら)を、塗(ぬ)るやうに、
  とろりとろりと、歌(うた)うて名乗(なの)りて、漕(こ)ぐや船方(ふなかた)は、
  エイ上様(うえさま)の、御座船(ござぶね)は、マタノンエイソレ艪(ろ)で、
  艪(ろ)ではヤッコラサッサ遣(や)らいでも、歌(うた)で遣(や)ろ。

九 お少女少女様(ちよぼちよぼさま)は、形(なり)の椋鳥(むくどり)の、声(こえ)は鶯(うぐいす)の、
  しゅくしゃかむくしゃか、さんぱかしんぱか、
  しんからきうだら、ずばいぼ、
  眉目(みめ)の好(よ)ござれば、マタノンエイソレ声(こえ)、
  声(こえ)もヤッコラサッサ笑(わら)ひも、しなやかに。

十 我(われ)が引(ひ)くならば、山(やま)ぢゃ木(き)の根(ね)も、萱(かや)の寝(ね)も、
  川(かわ)ぢゃ川柳(かわやなぎ)、里(さと)に下(さが)りて、道(みち)の小草(こぐさ)も、田(た)の草(くさ)も、
  人(ひと)の嫁御(よめご)も、小娘(こむすめ)も、綸子細帯(りんずほそおび)、さらりさっと、
  巻(ま)きあげて、十七七八(じゆうしちしちはち)は、いざや友(とも)どちを、
  寄(よ)せや集(あつ)めて、我(われ)が音頭(おんど)で、鼓太鼓(つづみたいこ)に、唱歌(しようが)に鞨鼓(かつこ)に、
  張鼓(はりつづみ)、けけりゃ、からころ、ひょひゃうららひゅう、
  ららたっぽぽぽ、エイヤさらさらと、
  引(ひ)かばそ、靡(なび)きゃるが、マタノウエイソレ引(ひ)く、
  引(ひ)くにヤッコラサッサ靡(なび)きゃるも、草(くさ)のなや。

十一 エイ是(これ)より下(しも)には、山城川(やましろがわ)とて、昔由来(むかしゆらい)の、ノサテ川(かわ)なれ ば、 往(ゆ)けど戻(もど)れども、渡(わた)りゃしょろしょろ川(かわ)の、橋(はし)のともづり、
  纜(ともずな)を、くるりくるり、エッくるり、エッくるエッくると、
  巻(ま)きあげて、川下(かわしも)さして、流(なが)れ落(お)つる落(お)つる、
  つるつる落(お)つる、是(これ)もご縁(えん)かや。
  下(した)は其(そ)の堀川(ほりかわ)の、マタノウエイソレ深(ふか)、深(ふか)きヤッコラサッサ
  思(おも)ひはノ、我独(われひと)り。

十二 宮(みや)へは三里(さんり)よノ、エイ三里(さんり)も近(ちか)さよノ、廿日市(はつかいち)の、
 源左(げんざ)が塗物(ぬりもの)は、漆(うるし)は塗(ぬ)らいで、梔子(くちなし)ばかりを、さっと引(ひ)く、
  エッソレばっさり、づんでんど、その様(よう)なエイソレ、
  その様(よ)な塗物(ぬりもの)は、只(ただ)は呉(く)るるとも、俺(おら)は嫌々(いやいや)、嫌(いや)で候(そろ)、
  やがて剥(は)ぐるに。

十三 猿沢(さるさわ)の、池(いけ)の水(みず)ではない、鯉(こい)が住(す)み候(そろ)、身(み)の上(うえ)。
 篠竹(しのだけ)の、小篠竹(こしのだけ)の、窓(まど)の嵐(あらし)に眼(め)が、君(きみ)もお寝(ね)らず、
  我(われ)も寝(ね)ず。
  桜木(さくらぎ)に、鷽(うそ)が止(と)まりて箏(こと)、箏(こと)の響(ひびき)に、花(はな)が散(ち)る。
  人目(ひとめ)には、節(ふし)が切(き)れたが、好(よ)い、忍(しの)び忍(しの)びに、何時(いつ)までも。

十四 前(さき)の月(つき)の、二十五日(にじゆうごにち)に、定(さだ)めた(る)庭(にわ)に、照(て)るも曇(くも)るも、冬(ふゆ)の日(ひ)の。
  山(やま)、雪(ゆき)ぢゃいの、麓(ふもと)は霰(あられ)、里(さと)は雨(あめ)、浦(うら)へ廻(まわ)るも、其様(そさま)ゆゑ。
  沖(おき)を漕(こ)いで通(とお)るは、明石(あかし)の浦(うら)の源太()が本船(もとふね)、
  艪(ろ)では遣(や)らいで、歌(うた)で遣(や)ろ。

十五 一(いち)の枝引(えだひ)けば、二(に)の枝靡(えだなび)く、靡(なび)けや小松(こまつ)、一(いち)の枝(えだ)、つりりんりん、つりりんりん、つりりりつの、りつりつ、つりりん。


富筋では第十歌のあと、柳川流では第十一歌のあとに、次の歌が入る

  つるやつるつると、行き過ぎて、行けば右手、戻れば左、
  今は敵女郎、小んま様とよ、国名を申せば、さて西国の、
  中ばは奥なる、檜の木音掘の、瓦葺、隣の与太郎兵衛が娘、
  さても目鼻は好し、甚だ好しノ、
  眉目振好ござれば、マタノンエイソレ声、
  声もヤッコラサッサ笑ひも、しなやかな。

 

[調弦]
本調子

[作曲]
柳川検校?

三味線組歌。本調子。組歌歌詞中、最大の長さだが、曲のテンポは早い。本来、御船歌を集めたものとも思われる。この曲を弾いて難船をまぬがれたという伝説もある。曲名は、『大ぬさ』(1687?)に「三味線秘事」として初出。」「大ぬさ」には「一名寄せ組」とあり、もとは、同旋律の同種の歌を寄せ集めたものを、さらに組み合わせたものか。歌の早口ことば的な性格は、後の作物などにつながるものとして認めうる。


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雉子 (暫定版)

2011/07/27 21:54
地唄FAN管理人です。

皆様 如何お過ごしでしょうか?
本日は菊原 初子師演奏による「雉子」をアップ致します。

全く情報がありませんので、またどなたかのご協力を仰がねばなりません。
皆様それぞれにお忙しいとは存じますが、何卒よろしくお願いいたします。



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今年も暑気払い! 出囃子集 第2弾

2011/07/18 11:07
皆様お元気でお過ごしでしょうか。

地唄FAN管理人です。早々に梅雨が明けてしまったのでしょうか、連日猛暑が続きます。
例年ですと外出先からビルの中などに入ると涼しくてホッとするのですが、今年は電力不足でどこのビルも冷房は弱め。ほとんど涼しくないので、たまりませんね。自然の風の涼しさを再認識しています。

と言う訳で一昨日再開した「地唄FANブログ」の更新ですが、昨年に引き続き暑気払いに「出囃子集 第2弾」をアップ致します。




曲名は
梅は咲いたか  /  いやとび  /  大漁節  /  つくま  /  月の巻  /  琉球  /  みやこ囃子  /  野崎  /  一丁入り  /  正札附  /  あやめ  /  いでの山吹  /  のっと
です。
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薄雪

2011/07/16 22:55
地唄FAN管理人です。皆様如何お過ごしでしょうか?
大震災後 気力が無く長いこと更新を怠っておりましたが、本日 新たな曲をアップさせていただきます。
先日 ある方の舞台を拝見し、とても印象的で元気を頂いたことが、大きなきっかけになりました。誠に有難う御座いました。

再開第1曲目は富山 清琴師による「薄雪」です。「薄雪」と言うと箏組歌を想起されると思いますが、この曲は全く別の三絃による曲です。かなり長い曲ですがじっくり聴いていただければきっと強い印象をお持ちになるだろうと思います。



この曲をアップするについては、喜音院様に歌詞、その他の情報のご提供をお願い致しました。大変なご尽力を頂きましたことを、心から感謝申し上げます。有り難うございました。

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

  Special thanks to 喜音院様  

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三部構成

序の巻:二上り 「旅立ちに日の良し悪しを〜」
中の巻:本調子 「かかりざりせば何として〜」
奥の巻:本調子 「里の子供の声々に〜」



序の巻

 旅立ちに、日の良し悪しを選ばぬは、落人の身の常なれや。夫婦(めおと)が世話に薄雪姫、足は向ふへ歩めども、心は元の京にある、舅の言葉用いずば、縁を切るぞとおどされて、父上の御別れ、母様のお歎きも知らぬ徒歩路(かちじ)を道しるべ。右よ左よ妻平が、はんちゃ合羽もくろう(黒・苦労)せし、在所の妹、妹聟(いもとむこ)にかかる身の上頼まんに、否は言わじや。去りながら、三歳(みとせ)余りは音信(おとずれ)も、たへま(絶え・当麻)を指して行く道の、心遣いぞ理(ことわり)なる。

中の巻

 かからざりせば何として、いつかはここにこほり(来う・郡)山。日は暮るれども町なれば、一夜なれども泊まられず。、小泉とても同じこと。宿を借ろうより幸いに、衆生を救ふ辻堂の、地蔵格子(じぞうごうし)を押し開けて、宿りの仮の一寝には、薄き合羽も妻平が、厚き忠義の夜の物。夫婦(めおと) が左右に殿居して、寝まいと思へど気くたびれ、夢や人目を守るらん。

 神ならぬ身は、是非もなや。かくぞとも知らず、園部左衛門は、積もる思ひのやまと(山・大和)路に出る月さへ朧にて、身の言訳も晴れやらぬ、桂男の妻平が、しるべを求め寄るならば、、都の伝手を尋ねんと思ふ、思ひはますらお(増す・丈夫)が弥猛心も恩愛に、迷ふ夜道もはかどらず、今は仇なるこいずみ(恋・小泉)の恋しき人は辻堂にありとも知らず行過ぐる、本意(ほゐ)なさ言はん方もなし。

 姫は夢覚め走り出で、「左衛門様はいづくに」と呼べど叫べど行過ぎて、それと答へもなき(無き・泣き)声に、夫婦驚き抱きとめ、背な撫でさすり労はれば、やうやうに心付き、「さては夢にてありけるか。所はいづくと知らねども、左衛門様の仰せには、『明日は逢はふ』とのたまひしにを、現(うつつ) のやうに思はれて、夢に偽りなきならば早ふ逢ひたい、顔見たい。」と、かこち涙に妻平も、共にしほるる気を取り直し、「必ず歎き給ふなよ。暇取るうちに夜明けの烏」かはい(かはい《烏の鳴き声》・可愛い)殿御に逢ひたい思ひ。いとしい姫に逢ひたい思ひ、思ひは同じ道筋を、一里隔てて行き越す園部、この憂き旅を世に出でて、大和巡りといふならば、古き名所を尋ねんに、今は都へ伝手もがな。二人の親達、姫のこと、アア尋ねたや聞きたやと、立ち止まりては跡見返り、足もしどろに行き悩む。

奥の巻

 里の子供の声々に、「『富士は妹背の橋とは言えど、口説の端になる鐘は、何時じゃ、』『明けぬうち』『エエ憎体(にくて)らし、なんじゃいな。』『月は忍ぶに辛ひと言へど、せめて逢ふ夜は驚かす』『誰さんじゃ』『夜這い星』『エエ憎体らし、なんじゃいな』」唄ふ唱歌も身に染みて、薄雪涙に暮れながら、「過ぎし逢ふ夜の睦言に、『二世や三世は愚かのことよ。今度の、今度の、つっと今度の、その先の世までも、必ずやいの』と言ふたれば、『嘘じゃないかや、本にマア』と、のたまふ時の嬉しさを、悦ぶ間もなく、」

 二人が浮名、たつた(立つ・竜田)の川を徒歩(かち)わたり。裾をからげて抱え帯、結ぶとすれどしゃら解けの、ばっとの裾をわやくの風、衣紋りりしく抜きかけし、かたおか(肩・片岡)山の方々(かたがた)に後や先なる憂き思ひ。しばしも袖に乾(ひ)るめ無く、涙に続く町も過ぎ、やがて当麻(たへま)に着きにけり。



作曲者:峰崎勾当
作詞者:浄瑠璃『新薄雪物語』の「道行」から、一部改変

 
現代語訳

(薄雪姫の視点)

 旅立ちの時に、日取りの良し悪しを選べないのは、落人の身の常である。妻平、籬夫婦に介抱されながら薄雪姫は、足は先へと歩んでいくが、心は元の京にある。舅(園部兵衛)の言うことをきかなければ、親子の縁を切るぞ、と言われ(落人の身となり)、父(幸崎伊賀守との死別れ、母親の歎きも知らない。そして、見知らぬ野路の道しるべは、右、左と案内する黒いはんちゃ合羽を着た妻平である。苦労の多い田舎暮らしの妹夫婦に、世話にならねばならなくなった身の上を頼んでも、否とは言わないであろう。しかし、三年余りは音信も絶えていたので、当麻を指して進んでいく道々、そのことを気遣うのも道理である。

 こういうことがなければ、いつ、ここ、郡山に来ようと思うであろうか。日は暮れてしまったが人目の多い町なので、一夜たりとも泊まることができない。小泉とても同じことである。宿を借りるより、幸い、衆生を救う辻堂がある。その地蔵格子を押し開けて(入り)、仮寝には、妻平の、薄いが、厚い忠義のこもった合羽をかけて、夫婦が左右に殿居しつつ、(姫は)寝ないでいよう思ったが、気がくたびれ(寝てしまっ)た。夢は人目から守ってくれるであろうか。


(園部左衛門の視点)

 神ならぬ人間では、如何ともできない。園部左衛門は、姫も落人の身であること、舅と父親が自害したとことも知らず、思いは山のように積もり、大和への道筋に現れた月さえも朧のように、自分の身の曇りも晴らすことができない。桂男(月−桂の縁語。美男の意)の妻平の縁者を尋ね、行き着いたら、都の噂を聞いてみようという思いは増すばかりである。ますらおの矢猛心も(親々や姫の)恩愛に引かされて、迷いつつ夜道を歩いて行くのではかどらない。小泉まで歩いてきたが、今は仇となった恋の、その相手が辻堂にいるとも知らず行き過ぎてしまう。残念さは言葉にすることもできない。


(薄雪姫の視点)

 姫は夢覚め、辻堂から走り出て、「左衛門様はどこに」と呼び叫んだが、答える声もなく、泣き声を聞いて妻平夫婦は驚いて抱きとめ、背中をなでさすりいたわれば、ようやく姫は落ち着き「さては夢だったのね。場所は分からないけれど、左衛門様は『明日は逢おう』とおっしゃったのを、現実のことに思われて…、『夢に偽りはない』というなら、早く逢いたい。顔が見たい」と泣きかこつ涙に、妻平夫婦も、ともにしおれるが、やがて気を取り直し、「必ず、お嘆きなさいますな。こうして時を過ごすうちに夜明けの烏が…」可愛いと鳴くように、愛する左衛門に会いたい思い、片や愛する薄雪姫に会いたいという同じ思い。

(園部左衛門の視点)

そして同じ道筋を、一里隔て先へ行く園部は「この物憂い旅を終えて(疑いも晴れ)、大和めぐりでも、というならば、古い名所でも訪ねてみたいものだ。今は都に便りをするよすがもあれば…、ああ、姫はどうしているだろうか、尋ねたい、どうしているか聞きたい」と後ろを振り返っては、立ち止まり、足取も乱れて行き悩む有様である。

(薄雪姫の視点)

里の子供が、声々に、「『富士は妹背の橋とは言えど、口説の端になる鐘は、何時じゃ、』『明けぬうち』『エエ憎体(にくて)らし、なんじゃいな。』『月は忍ぶに辛ひと言へど、せめて逢ふ夜は驚かす』『誰さんじゃ』『夜這い星』『エエ憎体らし、なんじゃいな』」と唄う唱歌も自分の身につまされて、薄雪姫は「いつの日か、夜の睦言に、(私が)『二世や三世は愚か、今度の、今度の、つっと今度の、その先の世までも、必ず(一緒に結ばれましょう)』と言ったら、(園部左衛門様が)『嘘じゃないか、本当か』と、おっしゃった時の嬉しさを、喜ぶ暇もなく…」
二人の浮名が立ってしまった。竜田川は歩いて渡るので、(姫は裾を端折るため)抱え帯をしようとするが、自然にほどけ、許されぬ裾をいたずらな風が煽るが、衣紋を肩からりりしく抜きかけた姿。片岡山のあたりを過ぎながら、あれ、これと、後になり先になる憂き思いから、少しの間も袖が涙で乾かない。涙ながらに町々を過ぎようやく当麻に着いたのだった。


<参考:『新薄雪物語』について>

寛保元年(1741)5月16日、竹本座初演。作者は文耕堂・三好松洛・小川半平・竹田小出雲(二代目出雲)。
 近世初期の恋愛小説『薄雪物語』を改作した小説『新薄雪物語』(享保元年=1716)の浄瑠璃化。但し筋立てその他清水見染めの場面以外は、小説とは全く異なる。
 角書に「時代・世話」とあり、鎌倉時代の設定でありながら、時代物の五段形式によらず、世話物風、ないし上方元禄歌舞伎三番続き風の、上中下三巻形式をとる。
 『当世芝居気質』(安永6年=1777)に、「人でしたことを人形へ引直そうふと思へば…薄雪団七といふ浄るりは、元は歌舞伎で仕た狂言を伏向筆(うつむけふで)さきのあやつりを仕組(しぐみ)役者のおもひいれを文句に勘弁せし上作、是等を手本として歌舞伎狂言を操りに引直したがよい」という。「団七」は、元禄11年(1698)大阪片岡仁左衛門の団七の狂言を浄瑠璃化した「夏祭浪花鑑」(延享2年=1745)をさすが、「薄雪」のもととなる歌舞伎狂言は明かでない。

  『竹田出雲・並木宗輔 浄瑠璃集(新日本古典文大系93)』(岩波書店、1991、※歌詞採取もこの本による:喜音院)

※愛し合う二人のすれ違いを表現するという珍しいシチュエーションの道行きなので、、原文理解のため、現代語訳に(薄雪姫の視点)(園部左衛門の視点)という具合に付け加えました。
 富本節にこの『新薄雪』「道行」の改曲作(「歌枕恋初旅(安永8年市村座)」)があるということで(『竹田出雲・並木宗輔 浄瑠璃集(新日本古典文大系93 岩波書店、1991)』、その人気から、後続の類似作品がいくつか作られたのかも知れません。峰崎の「薄雪」も、繁太夫節として伝えられるので、一中節系統の演奏者の改作を借りた可能性が考えられます。:喜音院



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「筆のあと」に阿部 桂子師の演奏を付け加えました。

2011/03/06 21:47
地唄FAN管理人です。

今日は「筆のあと」に阿部 桂子師による別演奏を付け加えました。
なおこのページは演奏追加のお知らせのためだけの役割ですので、コメントなどは「筆のあと」のページ本体の方に書き込んで頂くようお願いします。

 →→→  「筆のあと」  へのジャンプ
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八郎兵衛

2011/02/27 20:12
皆さま 大変ご無沙汰しております。地唄FAN管理人です。
随分暖かくなってきて、春はもうすぐそこまで近づいている感じですが、皆様 如何お過ごしでしょうか?

本日は富山 清琴師演奏による「八郎兵衛」をアップ致します。色々見てはみたのですが、「はちろびょうえ」と読むらしいこと。地唄の祭文物と言うジャンルらしいことだけしか分からず、作曲者、歌詞の情報などが不明ですので、もしご存知の方がおられましたら、何卒よろしくご協力のほどお願いいたします。


喜音院様から歌詞のご提供を頂きましたので、補わせていただきます。
喜音院様 本当に有難う御座いました。





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  Special thanks to ありす様 : 喜音院様  

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浮名を流す堀江川、流れに淀む捨て小舟、つながぬ縁は是非もなや、恋路の鬼か、丹波屋の、妻に通いしかね言も、昨日は今日の飛鳥川、いたづら髪にとめ伽羅(きゃら)の、浅き香りや、香具屋の、花となりしと聞くよりも、涙の時雨、古手屋の仇(あだ)と悋気を説き分けて、薄き契りや八郎兵衛が、妬みの剣、砥ぎ立てて、我と身を裂く鰻谷、親の諌めや、世の誹り、耳を突きぬく入相の、鐘諸共に忍び出で、秋風寒く身に染むも、今の恨みは長堀と、人目を包む頬かむり、憎し腹立ち弥兵衛を今宵の内に、ヤ、キリキリナ、切り殺し、浮世の夢は鮫鞘の、鯉口くつろげ落とし差し、はや初夜の鐘、指折れば、一つ、二つや、三つや、四つ、四ツ橋四筋四辻を、ふきや浜辺の浜庇(はまびさし)、あがりつ降りつ、いく度か、やもめ烏のうろうろと、阿呆烏と騙されて、浮かれ烏と笑われ、長き玉の緒、切れ果てて、暗き闇路の闇の夜烏、かわい、かわいと言の葉に鳴くは冥途の鳥かえ




 独特の文体ですね。全体の暗い色調ですが、どこが幻想的な所があり、話の内容から、ちょっと樋口一葉の『にごりえ』を思い出しました。

 繁太夫系の浄瑠璃の作文か、地歌のために創作したのかわかりませんが、個人的にはこういう文章好きですね。



[調弦]
三絃:三下り

[作曲]
初代嵐三右衛門原曲
広橋勾当改調

[作詞]
不明



なにわ人物伝 −光彩を放つ−
おつま・八郎兵衛
浄瑠璃で語り継がれる 自己犠牲「愛想づかし」
三善 貞司
http://www.nnn.co.jp/dainichi/rensai/naniwa/naniwa081122.html

「桜鍔恨鮫鞘」に関する三つの疑問
http://www.oneg.zakkaz.ne.jp/~gara/ongyoku/hokan10.htm


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「楫枕」に菊原 初子師の演奏を付け加えました。

2011/02/19 23:19
地唄FAN管理人です。
今年の元日に更新したまま、何も出来ず放置したままにしてしまい、大変申し訳ありませんでした。
皆さま如何お過ごしでしょうか?

今日は「楫枕」に菊原 初子師による別演奏を付け加えました。
なおこのページは演奏追加のお知らせのためだけの役割ですので、コメントなどは「楫枕」のページ本体の方に書き込んで頂くようお願いします。

 →→→  「楫枕」  へのジャンプ
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蓬莱

2011/01/01 07:32
地唄FAN管理人です。
皆さま 明けましておめでとうございます。

2011年の初頭にあたり、富山 清琴師演奏による「蓬莱」をアップさせていただきます。



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  Special thanks to 管理人 千 様  
    (邦楽データベース → 古典データベース) 

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                            (ご紹介者:藤枝 梅安様)
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蓬莱(ほうらい)


  明けましてよい初春や松柏樹(しようはくじゆ)、彼の浦島が跡たれて、
  八千代を祝ふ蓬莱の、松の位を移してん。

  [合の手]

  竹の園生(そのふ)も遠からぬ、雲井をここに土器(かはらけ)の。

  [合の手]

  土も木も、我が大君(おほきみ)のお流れを。
  頂きますと手に早ふ、廻りかけたるささ機嫌、
  嘘じやないかよほんだはら。

  [合の手]

  かうして浮名(うきな)たちばなの、色香(いろか)になづけかしますと、

  [合の手]

  熨斗(のし)の附けたいどこやらを、ところがらとてよろ昆布(こんぶ)、
  あの餅花(もちばな)の柳さへ、それ春風が吹くわいな。

  [合の手]

  橙(だいだい)かさね伊勢海老の齢(よはひ)の腰のかがむまで、
  変り給ふな変らじと、長きえにしを勝栗(かちぐり)や、
  古ことながら縁もよし、睦言(むつごと)のいつまでか。

  [合の手]

  尽きせぬ真砂(まさご)限りなる、夜はほのぼのと日の脚(あし)も、
  早山草(はややまくさ)に出でにけり。


年が明けまして、よい初春を迎え、めでたい松柏の常緑樹を立て、彼の浦島のあとをうけて、八千代の栄を祝う蓬莱の松の位の太夫を移し授けてやりたい。
竹の園生の皇室も遠くなく、皇居をここに帰ることなくかわらけの、土や木も我が大君のお流れを頂きますと、手に取れば、早くも廻りかけた酒機嫌、浮名が立って橘の色香になづけて貸しますと、熨斗の附けたい、どこへやら、遊廓であるからよろこぶ昆布や餅花の柳まで春風が吹き撫でる。
橙重ね伊勢海老の年をとって腰のかがむまで変わりなさるな、変わるまいと、長い交りを勝ち取る勝栗を蓬莱台に飾る古例にならい。
縁もよいし睦言もいつまでも尽きず、真砂の数の限りなく、夜はほのぼのと日の脚も早くも山草にのぼり出て来た。

解説
[調弦]
三絃:本調子−二上り

[作曲]
広橋勾当・城菊

[作詞]
松卯

[他]
本調子端唄物。
『歌曲時習考』に詞章初出。
蓬莱の飾り物を並べて廓の正月を歌う。
縁語・掛詞を多用。
「初弾」と称して、正月の弾き初めに用いられる。



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富山 清琴師 芸談 

2010/12/29 17:26
地唄FAN管理人です。
本年も押し詰まって参りました。皆さま如何お過ごしでしょうか? 
今年に皆さまから頂いた沢山のコメントや、各種情報のご提供など 本当に助けていただきました。心から感謝しております。

「演奏者別一覧表」を作っていて一番 掲載曲が多かったのが富山 清琴師です。まさに第一人者と言うにふさわしい力量とレパートリーの幅広さだと思います。

年末の今日は その富山 清琴師の芸談を番外編として掲載させていただきたいと思います。
これから来る年が良い年になりますように、また皆さまに良い年が訪れますようにお祈りしながら、今年の最後のアップとさせていただきます。

よろしくお願いいたします。


まずは冒頭部分です。




「機関的 (からくりまと)」
こちらは 全曲演奏ですので、以下からお聞き下さい。

→→→ 機関的(からくりまと) へ


芸談




「帯屋」(部分)


「帯屋」全曲はこちらからお聴き頂けます。


芸談




「曲ねずみ」(部分)


「曲ねずみ」全曲はこちらからお聴き頂けます。


芸談




如何でしたでしょうか? 
年の瀬に名人の芸談を聞きながら、来年に向けての意欲を高めていただければ幸いです。

皆さまそれでは良い年をお迎え下さい。

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機関的 (からくりまと)

2010/12/29 17:21
地唄FAN管理人です。
皆様如何お過ごしでしょうか?

富山 清琴師の芸談に含まれていた、「機関的 (からくりまと)」の全曲演奏です。
こちらは独立した楽曲の演奏として、登録させて頂きます。

なお作曲者や調弦などの情報は現在良く分かりません。また皆様のご協力をお願いしなくてはなりません。ご迷惑をおかけ致しますが、何とぞよろしくお願い致します。





こちらから「富山 清琴師芸談」に戻ることが出来ます。


からくりまと。
からくり的。

地歌の音頭物。

【舞踊】

舞の中では、天井から落ちてきたからくり人形のフワリフワリした不安定な動きのおもしろさが、その特色の見どころ。

[調弦] 本調子

[作曲] 不詳

[作詞] 不詳

[他] 本調子端歌物。作物。

【歌詞】

   面白や 人の行来の景色にて 世はみな花の盛りとも
   的のたがはぬ星兜 魁(さきがけ)したる武者一騎 仰々しくも出たばかり
   そりゃ動かぬわ引けやとて かの念力にあらはれし 例の 鐘巻き道成寺
   いのらぬもののふわふわと なんぼうおかしい物語
   それは娘気これはまた 曲輪をぬけた頬冠り おやまの跡の色男
   立ち止まりてはあぶなもの 見つけられたる泡雪の 浮名も消えて元の水
   流れ汲む身にあらねども 変わる勤めの大鳥毛
   台傘立て傘 挟みばこ みな一様に振り出す
   列を乱さぬ張り肱の 堅いは実にも作り付け
   さてその次は鬼の手の ぬっと出したは見る人の 傘つかむかと思はるる
   それを笑いの手拍子に 切狂言は下がり蜘蛛
   占(うら)良し 日良し 道しるべ よい事ばかりえ

小さな弓で的に矢を当てると、からくり仕かけによって、さまざまな人形が天井から落ちてくるといった、盛り場で繁盛した遊戯店が客を集めていた、そうした町の風俗や遊びを題材にしたもの。
『道成寺』の清姫から 曲輪をぬけた頬冠りの色男、そして大鳥毛を振る奴、また『羅生門』の渡辺綱などが詠みこまれ、それぞれの個性が洒脱な技巧で舞われる。


こちらから「富山 清琴師芸談」に戻ることが出来ます。


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「乱輪舌」に別演奏を付け加えました。

2010/12/26 07:05
地唄FAN管理人です。
クリスマスも終わり、いよいよ年末も押し詰まって参りました。皆さま如何お過ごしでしょうか?

今日はこのブログ最初の頃にアップした「乱輪舌」に藤井 久仁江師による別演奏を付け加えました。
なおこのページは演奏追加のお知らせのためだけの役割ですので、コメントなどは「乱輪舌」のページ本体の方に書き込んで頂くようお願いします。

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演奏者別一覧表

2010/12/19 11:23
地唄FAN管理人です。

今までブログ収録曲の一覧表は「作曲者別」 と 「五十音順」の2種類でしたが、ある方から「演奏者別も欲しい!!」とのご要望が有りましたので作ってみました。

「演奏者」としての選択基準は、「唄・三絃」を担当されている方、 或いは 師弟関係から見て「その曲の構成を主に主催されている方」と致しました。

尺八の部分については、「これが抜けている」 「この曲はこの演奏家のはず」など 教えて頂ければ大変有りがたいです。

それでは皆様 よろしくお願い致します。


阿部 桂子師
磯千鳥、 今小町、 宇治巡り、 けしの花、 残月、 残月(別演奏)、 新道成寺、 新娘道成寺、 末の契、 袖の露、 竹生島、 千鳥の曲、 七小町、 萩の露、 菜蕗、 筆のあと、 八重衣、 夕顔、 夕辺の雲


井上 道子師
越後獅子、 黒髪、 虫の音、 八島、 


太田 里子師
吾妻獅子、 楫枕、 園の秋、 出口の柳、 八段


大村 尚子師
櫻尽し、 躑躅(つつじ)、 三津山


笠原 古都師
秋の言葉


川瀬 白秋師
秋の言葉


菊寺 光治師
万歳獅子


菊原 初子師
楫枕、 菊の露、 黒髪、 (古)松尽し、 四季の花、 新浮舟、 露の蝶、 鶴の声、 浪花十二月、 萩の露、 都獅子、 紅葉尽し、 八重衣、 八千代獅子、 夕空、 ゆき


越野 栄松師
四季の曲


富崎 春昇師
笑顔、 かづき面、 古道成寺、 十三鐘、 鳥辺山、 別世界、 琉球組、   


富山 清琴師
葵の上、 芦刈、 有馬獅子、 薄雪、  歌恋慕、 越後獅子、 、 おちやめのと、 帯屋、 機関的(からくりまと)、 菊の露、 木やり、 京砧、 曲ねずみ、 雲井弄斎、 黒髪、 古道成寺、 狐会(こんかい)、 笹の露、 、 残月、 三段獅子、 四季の眺、 石橋、 松竹梅、 新青柳、 新雲井弄斎、 新道成寺、 新娘道成寺、 茶音頭、 、 長等の春、 二重砧、 八郎兵衛、 早舟、 蓬莱、 御山獅子、 八重衣、 ゆき(2)、 若菜


中能島 欣一師
葵の上、 笹の露、 四季の眺、 


中能島 慶子師
葵の上


野坂 操寿師
五段砧、 明治松竹梅

萩原 正吟師
青葉、 五段砧、 狐会(こんかい)、 櫻尽し、 三段獅子、 躑躅(つつじ)、 菜の葉、 三津山、 御山獅子、 


福田 種彦師
難波獅子


福田 千栄子師
五段砧


藤井 昭子師
影法師、 新娘道成寺


藤井 久仁江師
秋の言葉、 芦刈、 海人小舟、 今小町、 楓の花、 黒髪、 けしの花、 残月、 新娘道成寺、 末の契、 すり鉢・れん木、 袖香炉、 竹生島、 鶴の声、 根曳の松、 筆のあと、 儘の川、 乱輪舌、 


藤井 千代賀師
四段砧


古川 太郎師
秋の言葉


松尾 恵子師
嵯峨の秋


三品 正保師
秋の曲、 千鳥の曲、 春の曲


矢木 敬二師
越後獅子、 舟の夢


米川 敏子師
さむしろ


米川 文子師
五段砧、 鶴の声、 八重衣


「尺八の部」
青木 静夫師
宇治巡り、 八重衣


池田 静山師
けしの花、 萩の露、 夕顔


川瀬 順輔師
萩の露、 

沢井 三山師
今小町


鳥居 虚霧洞師
残月、 夕辺の雲


山口 五郎師
磯千鳥、 さむしろ、 虫の音、 八千代獅子


山本 邦山師
狐会(こんかい)、 八重衣、 
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(古)松尽し

2010/12/16 17:54
皆様如何お過ごしでしょうか?
寒くなって参りましたので、風邪などひかれないようにお気をつけ下さい。

本日は菊原 初子師演奏による「松尽し」をアップいたします。通常知られている「松尽し」とは
異なる曲だと思いますし、その為に「(古)松尽し」と呼ばれるとか・・・



現時点では、三絃の調子と歌詞以外の情報が無いのですが、どなたかご協力いただければ有り難いです。宜しくお願いいたします。



(古)松づくし

本調子

松飾る、軒に五葉の緑して、未だ若松や姫小松、常盤木祝う千代かけて、子の日常世の松の枝、聲すみの江の颯々、さっと木間の春霞、あからむ内に志賀唐崎の松かさや、いつの間にかは磯馴松 
(合)
色も深き、松重ね其のうす葉ふに書き送る
(合) 
ふみと仮寝や曾根のまつ、つきぬ真砂のたとえよる、つきせじ物は海松の位も高し松山の橋立ならぬ松島や
(合)
三保の松原吹く風が、琴の音さそう 
(合)
うたかたや、花にさき立ち紅葉におくれ、月に宿かすおばしまの、葉がへぬ松の世々に栄えて


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飛騨組

2010/12/12 22:43
地唄FAN管理人です。

皆さま如何お過ごしでしょうか?
ちょっとバタバタしており、最近更新を怠ってしまい申し訳ありません。

今回は富山 清琴師 演奏による 三味線組歌 「飛騨組」 をアップ致します。
三味線組歌は富崎 春昇師の「琉球組」もアップしておりますので、それも合わせてお聞きいただければと思います。



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飛騨組(ひんだぐみ)


[前弾]

一 弓矢八幡(ゆみやはちまん)、寝(ね)はせぬど、寝(ね)たと仰(おしや)らば、ン何(な)とせうぞノ。

二 一(ひと)つ御酒召(こしめ)せ、たぶたぶと、たぶたぶと、殊(こと)にお酌(しゃく)はシ、
  忍(しの)び妻(づま)、忍(しの)び妻(づま)、れんぼれれつのり、照女(しようじよ)に添(そ)はば、
  れつのり。

三 これの千代女(ちよじよ)はノ。髪髯(かみひげ)は紫竹小竹(しちくこだけ)にノ、四(よ)つの節(ふし)、
  加賀(かが)や越前(えちぜん)、美濃尾張(みのおわり)や、越後京根来(えちごきようねごろ)、粉河(こかわ)坂(さか)ン本(もと)で、
  所望召(しよもうめ)された。

四 明日(あす)は出(じ)ょうずもの、舟(ふね)が出(じ)ょうずもの、思(おも)たげもなと、
  お寝(よ)る殿御(とのご)や、ああお寝(よ)る殿御(とのご)や、飛騨(ひんだ)の踊(おど)りを、
  一踊(ひとおど)り、一踊(ひとおど)り。

跋 舟(ふね)の中(なか)には何(なに)とお寝(よ)るぞノ、苫(とま)を敷寝(しきね)に、ソレ楫(かじ)を枕(まくら)に、
  飛騨(ひんだ)の踊(おど)りを、一踊(ひとおど)り。

[調弦]
本調子

[作曲]
石村検校?虎沢検校?




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夕空

2010/12/04 22:25
地唄FAN 管理人です。
皆様如何お過ごしでしょうか?

本日は菊原 初子師 演奏による「夕空」をアップ致します。
唄・三絃 菊原 初子師
筝     菊幸 近子師
による演奏です。



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夕空(ゆうぞら)


  筆の鞘(さや)、

  [合の手]

  焚(た)いて背子(せこ)待つ蚊遣火(かやりび)の、
  上(うは)の空にや立ちのぼる、水に数かく枕の下は、
  恋ぞつもりて今日の瀬に、

  [手事]

  身は浮草の、寝入る

  [合の手]

  間も無き、ああ、儘ならぬこそままならね。


筆の鞘をたいて愛人の訪れを待つ蚊遣火が天に上って、いい加減に考えられてしまい、そのあてにならないことは水上に数字を書くよりも儚いものである。
その悲しみに枕の下に涙が流れ、恋が積って今日の瀬となった。
わが身はその瀬に浮いた浮草の根のように定まらなく、安眠する隙もなく悩まされる。
ああままにならないこの浮世であるよ。

解説
[調弦]
三絃:本調子

[作曲]
宇野都法師

[作詞]
不詳

[他]
本調子長歌。手事物。
1788年刊『新大成糸のしらべ』に初出。
蚊やり火をたきながら恋人を待つ心情を歌ったもの。
前歌・手事・後歌の形式ではあるが、手事は短く、マクラもチラシもない。


インターネット上で見つけた歌詞の解説サイトです。こちらはリンクして参照頂くのが良いのではと思いますので、URLを掲載させていただきます。(山戸 朋盟様のHPより)
http://www2u.biglobe.ne.jp/~houmei/kasi/yuuzora.htm


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磯千鳥

2010/12/01 08:22
地唄FAN管理人です。
いよいよ12月に入り、寒さも厳しくなって参りましたが皆様如何お過ごしでしょうか?

本日は 阿部 桂子師演奏による「磯千鳥」をアップ致します。
唄・三弦 阿部 桂子師
筝     藤井 久仁江師
尺八    山口 五郎師
によるものです。



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磯千鳥(いそちどり)


  うたた寝の、枕にひびくあけの鐘、実にままならぬ世の中を、
  何にたとへん飛鳥川、きのふの渕はけふの瀬と、
  かはりやすきを変るなと、契りしこともいつしかに、
  身は浮き舟の楫を絶え、今は寄るべもしら波や。
  棹の雫か涙の雨か、濡れにぞぬれしぬれ衣、
  身に泌むけさの浦風に、侘びつつ鳴くや磯千鳥。


うたた寝をしているうちに、とうとう明け方を迎えてしまった。まどろむ耳に暁の鐘が鳴るのが聞こえる。考えてみれば、実に思うようにならない世の中だ、例えてみれば飛鳥川のようなもので、昨日の渕は今日の瀬になってしまう。このような世の中の移り変わりはあっても、我々だけは変わるまいと誓ったのだが、いつの間にか自分の身の上は楫を失った小舟の様に、今では我が身の行く末がどうなるか、全く分からないようになってしまっている。舟に棹さす棹の雫か自分の涙か、わが袖はぐっしょり濡れている。今朝の浜辺を渡ってくる風は一入身に沁みて、浜辺に群れ遊ぶ磯千鳥の鳴く声も、わびしく感じられる。

解説
[調弦]
三絃:二上り−高三下り−高本調子
箏:平調子−中空調子

[作曲]
菊岡検校
箏手付け:八重崎検校

[作詞]
橘遅日庵

[他]
京風手事物。追善曲
浜辺の千鳥に寄せて不遇の身の上を嘆いた歌詞で、貧しい公卿の娘のお磯の悲しみを歌ったものとも、その追善曲とも。「源氏物語」の「須磨」の巻に取材するとも。
手事は、ツナギ・マクラ・手事・中チラシ・チラシ。
『萩の露』のチラシがこの曲のチラシに合うように作曲されたことでも有名。中チラシに千鳥の声を描写する手法がある。


インターネット上で見つけた歌詞の解説サイトです。こちらはリンクして参照頂くのが良いのではと思いますので、URLを掲載させていただきます。(山戸 朋盟様のHPより)
http://www2u.biglobe.ne.jp/~houmei/kasi/isotidori.htm


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新雲井弄斎

2010/11/27 19:46
地唄FAN管理人です。

秋も深まって参りましたが、皆様如何お過ごしでしょうか?
本日は富山 清琴師演奏による「新雲井弄斎」をアップ致します。以前「雲井弄斎」をアップした時に、「三絃奏者としても名手だが、自分は富山師の筝が好き」と仰る方が何人かおられたと思います。
この演奏もなかなか素晴らしいと思います。是非ともお聴きいただきたいと思います。



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  Special thanks to 管理人 千 様  
    (邦楽データベース → 古典データベース) 

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                            (ご紹介者:藤枝 梅安様)
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新雲井弄斎(しんくもいろうさい)


 [前弾]

一 月(つき)もろともにもととぎす(合)
  鳴(な)いて入(い)るさの山(やま)の端見(はみ)れば(合)
  はや短夜(みじかよ)も明(あ)け渡(わた)る(合)

二 またの逢(お)ふ瀬(せ)はいさ白露(しらつゆ)の(合)
  余(あま)りて置(お)ける袖(そで)の上(うえ)(合)
  げにも袖(そで)の上(うえ)(合)

三 あはれはかなき憂(う)き世(よ)の中(なか)に(合)
  ともに絶(た)えせぬ契(ちぎ)りをぞ待(ま)つ(合)
  げにも契(ちぎ)りをぞ待(ま)つ(合)


1.明け方、入る月と一緒に、ほととぎすが泣いて飛び去っていく山の端辺りを見ると、もう夏の短い夜も明け渡るのか、白み始めている

2.また次は、いつ逢えるかどうかわからないので、白露がこぼれ落ちるように、涙が袖の上に溢れている

3.さてもまあはかないこの辛い世の中に、共に絶えることがないようにと言った約束をあてにして待っている。本当に待っている

[調弦]
本雲井調子

[作曲]
倉橋検校



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夕辺の雲

2010/11/21 19:33
地唄FAN管理人です。
皆様 如何お過ごしでしょうか?

本日は阿部 桂子師、藤井 久仁江師、鳥居 虚霧洞師による「夕辺の雲」をアップいたします。

何かで読んだ覚えがあるのですが、川瀬里子師が亡くなられる直前に「阿部さん、私が死んだらまだ体の暖かい内に枕元で 『夕べの雲』 を演奏しておくれ」と言われて涙ながらに供養の演奏を行ったと阿部師が語っておられたそうです。それだけ阿部師にとっては思い入れの深い曲目であったようですね。



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夕べの雲(ゆうべのくも)


  うしと見るも月の影、嬉しと見るも月の影、
  うす雲たなびきて、心のいろぞほのめく。

  ゆかりうれしき面影、ひきとめし袖の香わすられぬ、
  情にあはれを知るもことわり、
  あふごとにしぐれして深くそむる、
  紅葉吹き散らす、山風こころなきもうらめし。

  よもすがら、つくづくとありしよのこと思ひ寝の、
  夢に見ゆる面影、如何にして我ねやへ、
  来ることの嬉しさ、はかなくも夢さめて、
  かすかに残るともしび、夢に見しふしども、
  さめて寝ねたるふしども、変らぬぞ悲しき、
  さめて姿のなければ、まぼろしの姿も、
  夢路ならではいかで見ん、絶えてかはさぬ言葉も、
  あづさにかけてかはさむ。


辛いと見るも月の光、嬉しいと見るのも月の光である。
同じ月の光でも思い思いに夜って違って見える。
薄雲が横にかかって暗くなると恋心が仄かにわいてくる。
深い仲であった愛人の嬉しい面影と別れを惜しんで引き留めた時の袖の香は忘れられない。
情にいとしく思うのも道理である。
逢う毎に時雨の雨を降らせて、深く色を染めた紅葉と焦れた気持ちを吹き散らす山風の思い遣りのない気持ちが怨めしい。
夜通し愛し合った昔のことを思った眠りの夢に現れた面影がどうして寝室に来たのかと思ったときの嬉しさ。
けれども、儚く覚めて、かすかに残る灯火の淋しさ。
夢の中で見た寝床も目を覚ましてみれば思う人はおらず、前の寝床と変らないのは悲しいことである。
目覚めては姿が見られないから、たとえ幻影であっても、夢の中でなくてはどうして見られようか。いや、見られない。
打ち耐えてかわすことのない言葉もこうなっては梓弓の筈を鳴らしてかの人に出てもらい話し合うことにしよう。

解説
[調弦]
三絃:二上り

[作曲]
光崎検校

[作詞]
清水某

[他]
地歌。
箏組歌『菜蕗』の打合せ曲。
歌詞も全く『菜蕗』のパロディ。
『源氏物語』によって、源氏が薄雲女院の没後、夢の中でその幻を見て、夢覚めて嘆くさまを歌ったものともされ、あるいは追善曲としてつくられたものか。
京都ではあまり行なわれず、九州系に伝承されてきた。


インターネット上で見つけた歌詞の解説サイトです。こちらはリンクして参照頂くのが良いのではと思いますので、URLを掲載させていただきます。(山戸 朋盟様のHPより)
http://www2u.biglobe.ne.jp/~houmei/kasi/yuubenokumo.htm


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帯屋

2010/11/17 08:04
地唄FAN管理人です。

皆様 如何お過ごしでしょうか?本日は富山 清琴師による「帯屋」をアップいたします。

なおこの曲の歌詞、その他の情報はありす様のご協力により掲載することが出来ました。
皆様方からのご協力により、このブログも益々充実してまいりました。誠に有り難うございます。

この辺の曲になってくると「地唄にはこんな曲もあるの?」と思われる方も多いと思います。普段はなかなか聴く機会が無くなってしまった曲ですが、ますます地唄の奥深さを感じさせてくれると思います。



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  Special thanks to ありす様  

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[歌詞]
親の慈悲、心身にこたへ差しうつむいたる夫のそば、
言はんとすれど胸ふさがり、しばし言葉も、なかりけり。

これ、もうし、長右衛門様(さん)、道理は道理なれど、
お前はきつう済まぬ顔、

必ずひょんな思案なぞ、
怪我にも出して下(くだ)しゃんすな。
姑女御(しゅうとめご)や小舅(こじゅうと)に、
つらい気兼ねの辛抱も、お前といふ人あればこそ。

十年連れ添ふ女房の手前、立たぬことも何(なん)にもいらぬ、
おやま狂ひや芸妓(げいこ)遊びは、
そりゃ殿たちの器量といふもの。

お半女郎と二人が仲、ひょっと私が知ったかと、
言訳けにさしゃんす媒酌(なこうど)、
愚鈍な者でも女房と、思うての心遣ひを、
わたしゃ心で拝んで居りました。
その返報でなけれども、縁組を変改(へんがえ)は、
年端もゆかぬあの子でも、もしやお前の楽しみに、
なりもせうかと心の奉公、わしゃ疾(と)うから知っては居れど、

悋気(りんき)どころか顔へも出さぬは、
気の毒がらすが笑止やと、結構な舅御や、

意地くね悪い姑女御(しゅうとめご)の、
耳へ入ろかと、それが悲しさ、私も女子(おなご)の、端(はし)じゃもの、
大事の男を人の花、腹も立つし、悋気(りんき)のしやうも、まんざら知らぬで、
なけれども、可愛(かわ)い殿御に気を揉まし、煩ひでも出やうかと、

案じ過ごして何(なん)にも言はず、六角堂へお百度も、

どうぞ夫に飽かれぬやう、お半女郎と二人が名さか、
立たぬやうにと願立(だ)ても、

はかない女子(おなご)の心根を、
不便(ふびん)と思ふていつまでも、

見捨てず添うて下しゃんせ。

夫の膝にうち伏して、

口説(くど)き、嘆くぞ道理なる。



[調弦] 本調子

[作曲] 不詳

[作詞] 菅専助または近松東南

[初出] 地歌としては、天保7(1836)年版の『新増大成糸の節』

[他]
本調子繁太夫物。浄瑠璃「桂川連理柵(かつらがわれんりのしがらみ)」の
下の巻の「帯屋の段」の中の、女房お絹のクドキを原拠とするもの。
浄瑠璃としての初演は安永5(1776)年大阪北堀江座で、
後から作られた豊後系浄瑠璃のお半長右衛門の道行も有名であるが、
義太夫節としては、この帯屋の段が有名で、その中でもいわゆる
サワリであるこのお絹のクドキを地歌に取り入れるに当たって、
繁太夫ふうに節付けしたものと思われる。
ただし、地歌の繁太夫物としての作曲者は不詳。
随所に義太夫ふうの節まわしのところがある。

[補説]
原作上の巻「石部宿屋の段」で、五十男の帯屋長右衛門は、
ふとしたことから、年端もゆかぬお半と過ちをおかし、
同じく「信濃屋の段」で、長右衛門は、女房お絹の弟
才治郎とお半とを縁組させようとするが、
お半は懐妊している。お絹は一切を知り、二人の
浮名が立たぬようにと六角堂でお百度をふむ。
そのあと、ここに取られたクドキを含む
「帯屋の段」となるのだが、長右衛門は、
お半の遺書を見てあとを追い、二人で心中してしまう。
これに、正宗の刀の盗難などの話がからむ。



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躑躅 (つつじ)

2010/11/07 21:57
地唄FAN管理人です。

本日は唄・筝 萩原 正吟師、唄・三絃 大村 尚子師にによる 「躑躅(つつじ)」 をアップ致します。
この曲の情報もありす様からご提供頂きましたが、流石のありす様もお一人ではなかなか調べあぐねてお友達に協力を求め、その方のご尽力の結果 情報掲載することが出来ることになったとの事です。皆様お二方のご努力に敬意を表すと共に、感謝してお聴きいただければと思います。

ありす様のお友達の方へ 
大変なご苦労の末見つけていただき、誠に有り難うございました。頂戴した情報をここに掲載させていただきます。
是非とも一言コメントなどしていただけると有り難いです。宜しくお願いいたします。



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  Special thanks to ありす様  

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[歌詞]
さなぎだに春風ゆかしみよしのの
里にながるる桜川
花とは見えじたにだにの
雪こそ見ゆれくれないしほる
八重紫やこむらさき

ゆかりの水の吉野川
おぼろ月のひまひまに
せめてひともとをりそえて
花の情けのそのおくを
尋ね尋ねてならざかや

このてがしはのふたおもて
とにかくものをおもへば
いはねの山の岩つつぢ
嵐の山の峯のたかまつ

時雨(しぐれ)にさえもそまでいくとせ
過ごすみのげに春ごとに
咲きそむるおおきりしまやこきりしま
ぼたんつつぢのいろとおく

さつませんよのはなざかり
夏山かけて

かほりくるその花車(はなぐるま)愛らしく
いとくれないにとびいりまんよ
まがきつつぢの花の露
手にやむすんでわがそでに
くれゆく春をしばしとどめん



[調弦]
三絃:本調子−二上り−三下り

[作曲] 佐山検校
箏手付:不明


[他]
本調子長歌物。
「ゆかりの水の吉野川」から二上り、
「さつませんよのはなざかり」から高三下り。
元禄の頃、世界で初めてツツジの専門書『錦繍枕』
を刊行[元禄5(1692)年]した伊藤伊兵衛と同時代に
江戸で活躍した音楽家・佐山検校[元禄7(1694)年没]
による地歌曲で、歌詞中にツツジが22品種詠み込まれている



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2010/11/03 22:10
地唄FAN管理人です。
皆様如何お過ごしでしょうか?本日は富山 清琴師、富山 清隆師の演奏による「晒」をアップさせていただきます。
よろしくお願いいたします。



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  Special thanks to 管理人 千 様  
    (邦楽データベース → 古典データベース) 

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                            (ご紹介者:藤枝 梅安様)
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さらし


一 槇の島には、晒す麻布(あさぬの)。賊(しず)が仕業(しわざ)は、宇治川の、
  浪か雪かと白妙に、いざ立ちいでて布晒す。
  鵲(かささぎ)の渡せる橋の霜よりも、晒せる布に白味あり候。
  のうのう山が見え候。朝日山に、霞たな引く景色は、
  たとへ駿河の富士も物かは、富士も物かは。

二 小島が崎に寄る波に、寄る波に、月の光を映さばや、
  映さばや。見わたせば、見わたせば、伏見、竹田に淀、
  鳥羽もいづれ劣らぬ名所かな。

三 立つ波は、たつ波は、瀬々(ぜぜ)の網代(あじろ)に遮(さ)へられて、
  流るる水を堰き止めよ、流るる水を堰き止めよ。
  所がらとてな、所がらとてな。
  布を手ごとに、槇の里人打ち連れて、
  戻らうやれ、賊が家へ。


1.槇の島の麻布を晒す貧しい家業の人たちは、宇治川の河原に行って麻布を晒す。宇治川の川水に晒した布は波か雪かと疑うぐらい白く、カササギが渡した橋に置く霜よりさらに白い。あれあれ山が見える。朝日山に霞のたなびく景色は、駿河の富士山の美しさにも決して劣らない。

2.小島が崎によせる波に月の光を映してみたいものだ。見わたせば、伏見、竹田、淀、鳥羽などいづれ劣らぬ名所である。

立つ波は川の瀬に仕掛けられた網代に遮られて、布を晒すに都合のよいように流れる水を堰き止めてくれ。場所がらとて一日の仕事が終われば、島の人々は布を手ごとに持って、打ち連れ立って貧しい我が家に帰ってゆく。

解説
[調弦]
三絃:本調子
箏:雲井調子

[作曲]
深草検校

[作詞]
北沢勾当

[他]
三絃手事物。
宇治川の布ざらしを描写した曲。北沢勾当作詞作曲の「さらし(古さらし)」を発展させたもの。
最後の合の手を手事とする。手事や三歌目の合の手が特に有名で、この手を取り入れたものに、『玉川』・山田流箏曲『春日詣』・『六玉川(箏組歌とは別曲)』・長唄『越後獅子』などがあり、布ざらしの描写に頻用。



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宇治巡り 

2010/10/27 12:52
皆様如何お過ごしでしょうか? 地唄FAN管理人です。
随分寒くなってきましたねぇ。暑さに負けて暫く静かにしていたことが嘘のようです。

今回は「宇治巡り」をアップ致します。演奏は
唄・三絃 阿部 桂子師
 箏    藤井 久仁江師
尺八   青木 鈴慕師
によるものです。



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宇治巡り(うじめぐり)


  万代(よろずよ)を、摘むや茶園の春風に、寿添へて佐保姫の、
  賑はふ袖の若緑。人目をなにを初音。霞を分けて青山の、
  小松の城や綾の森、千歳障りもなしむしに、
  齢ひ老いせぬ姥昔(ばばむかし)。誰にも年を譲り葉の、千代の緑の松の尾の、
  神代の末の後昔(あとむかし)。光を添へて園の梅、なお白梅の色香にも、
  深くぞうつる川柳。湖水越すだに宇治の波、初花見する山吹の、
  花橘の匂ふてふ、夢を結ぶの折鷹や、小鷹の爪に枝しめて、
  木蔭も多き一森の、喜撰の庵(いほ)の夏の峯。滝の音をも菊水の、
  朝日山の端(は)、薄紅葉、高尾の峰に雁がねの、あさる声々笠取の、
  数万所(かずまんどころ)面白や。心を澄す老楽(おいらく)は、祝ひの代(しろ)にうたふ舞鶴。

解説
[調弦]
三絃:本調子−二上り−三下り
箏:半雲井調子−平調子−中空調子

[作曲]
松浦検校
箏手付け:八重崎検校

[作詞]
田中幸次

[他]
京風手事物。松浦四つ物の一つ。
宇治の茶の銘をつづって(歌詞中の太字)春・夏・秋の風情を歌う。
手事は前後二回あり、マクラ・本手事・チラシ。
かつての許し物。


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雲井弄斎

2010/10/24 21:28
皆様 如何お過ごしでしょうか?
地唄FAN管理人です。

前回「歌恋慕」をアップしたときに、ありす様から富山 清琴師演奏による八橋奥三曲 「四季の曲」 「扇の曲」 「雲井の曲」 のリクエストを頂戴したのですが、現時点で私が保有しているかどうか定かではありませんので、すぐにお応え出来ず 申し訳ありません。

代わりにと言ってはなんですが、八橋検校作曲による「雲井弄斎」をアップさせていただきます。こちらも「菜蕗」や「四季の曲」など典型的な組歌の形式とは異なる形ですが、皆様に聴いていただければと思います。

それでは唄・筝 富山 清琴師の演奏で「雲井弄斎」です。



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雲井弄斎(くもいろうさい)


一 月(つき)とヤ入(い)ろやれノウ 山(やま)の端(は)に(合)
  離(はな)ればなれの 浮雲見(うきくもみ)れば(合)
  明日(あす)のヤ別(わか)れも あの如(ごと)く(合)

二 思(おも)ひ染(そ)めたよ 濃き紫の(合)
  袖(そで)はノウ千入(ちしお)の 我(わ)が涙(なみだ)(合)
  サユエ 我(わ)が涙(なみだ)(合)

三 忘(わす)れ草(ぐさ)かなノウ 一本欲(ひともとほ)しや(合)
  植(う)ゑてヤ育(そだ)てても 見(み)て忘(わす)りよ(合)
  サユエ 見(み)て忘(わす)リヨ(合)


1.月があの山に沈むのと一緒に、私も入ろう。離れ離れに浮いている雲を見れば、明日になると我々もあのように別れ別れになるのか

2.恋をしたために、濃い紫に染めている私の袖も、繰り返し流す血潮の涙に染まっている

3.物思いを忘れることが出来るという忘れ草が一本欲しい。植え育てて、それを見て、物思いに耽る辛さを忘れよう

[調弦]
本雲井調子

[作曲]
八橋検校



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歌恋慕

2010/10/22 09:19
地唄FAN管理人です。
しばらく更新を怠っており、申し訳有りません。本日は富山 清琴師演奏による「歌恋慕」をアップいたします。ある方から「習った事が有る曲なので聴いてみたい」とのご希望が御座いました。
他の方ももしご希望曲が有りましたら、コメント欄で管理人にお知らせください。出来るだけご要望にお答えしたいと思います。
それではよろしくお願いいたします。



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歌恋慕(うたれんぼ)


一 絶えて逢はずとな、文をば通ひ、文は妹背の橋となる。
  妹背のな、妹背の文は、文は妹背の中となる。

二 人の辛さにな。こりもせず。憂き玉の緒のいつまでか。
  絶えぬ思ひに呉竹の。幾夜、伏見の袖濡れて。
  乾く間も無き涙の渕よ。夢になりとも逢瀬は嬉し。

三 寝良げに聞くは小夜の尺八。一節切にも情あれかし。

四 梅は匂ひよ、桜は花よ。それそれ人の情は、いつも花の香。


1.打ち絶えて、逢わないということですか、手紙を出しなさい。手紙は恋の架け橋となる。恋の手紙は、手紙は恋の仲立ちとなる。

2.人の世の辛さにこりもしないで、憂い生命はいつまで生られるのか、絶えない思いに暮れて、幾夜も伏見で伏して袖を濡らし、乾く暇のない涙の淵であるよ。夢にでも逢う瀬は嬉しい。

3.寝耳に聞いてよい夜の尺八や、一節切の一夜だけでもよいから情けが欲しい。

4.梅は匂いが良いし、桜は花が良い。それぞれ人の情けはいつも梅や桜の花と香りのように良いものだ。

解説
[調弦]
箏:平調子

[作曲]
河原崎検校?菊平勾当?

[他]
箏組歌付物。
流儀によって各種ある。現行のものは、生田流の「歌恋慕」として記されるものと詞章は一致する。元禄以前の歌謡を組み合わせたもので、各歌の長さは不定。
「千重之一重」に収録させる箏譜には河原崎検校作曲とあり、ほぼ現行の手に一致するので、現行の作曲者は河原崎検校とみられる。
三歌のあとに手事風の間奏が入り、巣籠地を合わせることができる。
藤谷勾当作曲の『常世の曲』との打合も行なわれる。



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ゆき

2010/10/13 09:11
地唄FAN管理人です。
皆様いかがお過ごしでしょうか。今回は地唄の代表曲として親しまれている「ゆき」をアップいたします。この名曲には様々な方の演奏が有りますが、最初は富山 清琴師のものを選びました。



皆様 大変ご無沙汰しております。
本日は菊原 初子師による「ゆき」の演奏を追加させていただきます。
(2011/10/10) 


33AB02

皆様 如何お過ごしでしょうか?
本日は 富山 清琴師演奏による「ゆき」の別演奏(胡弓入り)をアップいたします。(2011/11/22)


32AB06

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  Special thanks to 管理人 千 様  
    (邦楽データベース → 古典データベース) 

          http://www.eonet.ne.jp/~tngk/deta/koten/frame.html

                            (ご紹介者:藤枝 梅安様)
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雪(ゆき)


  花も雪もはらへば清き袂かな。
  ほんに昔の昔の事よ、
  わが待つ人はわれを待ちけん。

  鴛の雄鳥に物思羽の、
  凍る衾に鳴く音はさぞな、さなきだに、
  心も遠き夜半の鐘。

  聞くも淋しき独り寝の、枕に響く霰の音も、
  若しやといつそせきかねて、
  落つる涙の氷柱より、
  つらき命は惜しからねども、
  恋しき人は罪深く、思はぬことの悲しさに、
  捨てた憂き、捨てた浮世の山かづら。


花の雪も美しく好ましい物ながら、一面移ろいやすく頼みがたいものであって、執着することの無為を覚り、今は全てを払い去って、袂も軽々とした清い心境で俗塵に煩わされるものは何もない。ああ、思えば遠い昔のことであった。お互いに相愛の情に繋がれて、私が待つ人も、私を待った夕べもあったことであろう。
しかるに、男心の変りやすく、鴛鴦の雄鳥の無情さに、目鳥が世寒の声も、さぞかしと思いやる身の上になり、そうでなくても、気が遠くなるような心細い夜半の遠寺の鐘が聞こえて来る。
その鐘を一つ二つと数えている淋しい独り寝に、霰の音がぱらぱらと枕に響いてくる。もしや昔の人が戸を叩くのではないかと欺かれては咽び泣いたこともある。このようなつらい命は今更惜しくはないが、変らじと誓った人が私を顧みないのは、深い罪であるまいかと、それが気にかかって、捨て去った浮世ではあるが、なお、かの人のことが懸念される。

解説
[調弦]
三絃:本調子
箏:低平調子

[作曲]
峰崎勾当

[作詞]
流石庵羽積


[他]
本調子端唄。「三つ歌物」の一つ。
冬の夜に大阪南地の芸妓ソセキが、来ぬ人を待って夜を明かすこともあった過去を回想しつつ仏門に入った現在の心境を述懐したもの。「若しやいつそせきかねて」と詞章中に名が読み込まれる。
合の手は鐘の音の描写であるが、「雪の手」として知られ、歌舞伎芝居などの下座に誤って雪の降る描写に取り入れられる。



インターネット上で見つけた歌詞の解説サイトです。こちらはリンクして参照頂くのが良いのではと思いますので、URLを掲載させていただきます。(山戸 朋盟様のHPより)
http://www2u.biglobe.ne.jp/~houmei/kasi/yuki.htm


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おちやめのと

2010/10/09 10:13
地唄FAN管理人です。

本日は富山 清琴師による「おちやめのと」をアップいたします。ほとんどの方が聴かれた事の無い曲かも知れませんが、なかなか良い曲だと思います。本調子端歌物 との事ですが、これなどを聞くと 端歌物 に対するイメージも少し変わるかもしれません。
この曲に関しても、歌詞などの情報をありす様にご提供いただきました。誠に有難うございます。




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  Special thanks to ありす様  

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[歌詞]
おちや乳人(めのと)のくせとして、背(せな)に子を負ひ寝させておいて、
亥(い)んの子、亥んの子と云ふだもな、目なかけそよ、
花の踊(おどり)をな、扨(さ)て花の踊をひと踊り。

こヽな子は幾歳(いくつ)、七(ななつ)になる子がいたいけな事云ふた、
殿か裕(ほ)しいと唄ふた、
ても扨(さ)ても、和御寮(わごりょう)は、
誰人(たれびと)の子なれば、
定家蔓(ていかかつら)か、離れがたやの、離れ難やの、
川舟に乗せて、連れて去(い)のや神埼(かんざき)へ神埼へ。

ても扨(さ)ても和御寮(わごりょう)は、踊り子が見たいか、
踊り子が見たくば北嵯峨へ御座れの。
北嵯峨の踊りは、つづら帽子をしゃんと着て、
踊る振りが面白い、吉野初潮(はつせ)の花よりも、
紅葉(もみじ)よりも、恋しき人は見たいものよ、
ところどころお参りやって、疾(と)う下向(げこう)めされ、
咎をばいちゃが、負ひまゐらせう。

[調弦] 本調子−三下り

[作曲] 不詳

[作詞] 不詳

[他]
本調子端歌物。元禄期の子守歌の「おちゃめのと」と、狂言小舞謡の「七つになる子」を合成したもの。
途中二度目の「ても扨(さ)ても」で三下りとなるが、最初から三下りのものもあったらしい。
また、井上流京舞などで、狂言小舞謡による「こヽな子は」以下を舞う場合は、特に「七つ子」とも言うが、もちろん
三味線組歌の「七つ子」とは別曲である。




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けしの花

2010/10/06 22:34
地唄FAN管理人です。

raimund様からのご希望もございましたので、今回は けしの花 をアップさせていただきます。
演奏は 唄・三絃 阿部 桂子師、藤井 久仁江師です。
尺八は・・・スミマセン 記録がなく分かりません。都山流の方と思います。
富山師の「けしの花」でなくてスミマセン。



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けしの花(けしのはな)


  手にとりて、見ればうるはし芥子の花、絞りしぼればただならぬ、
  匂ひ香うばし、花びらの、散りにし姿あはれさよ。
  悋気する気も夏の花、雨には脆き風情あり、誰れに気がねを、
  なんにも言はず、ぢつとしている奈良人形。


その女に触れてみれば、誠に麗しいが、可憐ではあるものの色艶はない。しかし、寵愛してみれば見るほど、並々でない芳しさがある。男に手折られた女の姿の、なんとあわれなことか。しかも、その可憐な女には、嫉妬するような気持ちも無くて、さらりとした夏の花の感じは、張り合いがないのだろうが、手折った主には、降る雨に打たれるままに打たれている脆い女心が見える。誰に気兼ねもあるまいものを、これということもしゃべらない、じっとしているところは奈良人形のようだ。

解説
[調弦]
三絃:本調子−二上り
箏:半雲井調子−平調子

[作曲]
菊岡検校
箏手付け:松崎検校

[作詞]
三井次郎右衛門高英(後楽園明居)

[他]
京風手事物。
芥子の花によせて恋の思いを歌ったもの。
手事は中チラシの後に後チラシが付く。弾き違いや掛け合いに特色があり、三絃の地は、「拾い地」をつける。



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秋の曲

2010/10/02 08:21
地唄FAN管理人です。皆様有難うございます。
秋ですよねぇ。秋なのに「櫻尽し」をアップしたのですが、皆様に温かく迎えていただいて有難うございました。皆様のコメントを見ているうちに、「秋の曲」をアップすることを思いつきました。
演奏者は三品 正保師です。よろしくお願いいたします。



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          http://www.eonet.ne.jp/~tngk/deta/koten/frame.html

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秋の曲(あきのきょく)


一 きのふこそ 早苗とりしか いつのまに
  稲葉そよびて 秋風のふく

二 久方の 天の河原の 渡守
  君渡りしなば 楫かくしてよ

三 月みれば ちぢいものこそ かなしけれ
  わが身ひとつの 秋にはあらねど

四 山里は 秋こそことに わびしけれ
  鹿の鳴く音に 目をさましつつ

五 散らねども かねてぞ惜しき もみぢ葉は
  今は限りの 色とみつれば

六 秋風の ふきあげにたてる 白菊は
  花かあらぬか 浪のよするか


1.『古今和歌集 秋の部 詠人しらず』
田植えをしたのが、つい昨日のように思っていたのだが、いつの間にかもう稲の穂が秋風にそよぐ季節になってしまった。月日のたつのは本当に早いものだ。

2.『古今和歌集 秋の部 詠人しらず』
天の川の渡し守さん。彦星が渡ってしまったら、舟の棹を隠してくださいね。

3.『古今和歌集 秋の部 大江千里』
秋といものは、わが身ばかりの秋ではなく、だれにも同じように訪れてくるものではあるが、それが月を眺めていると、あれこれと限りなく心細く悲しくなってくるものだ。

4.『古今和歌集 秋の部 壬生忠ュ』
山里はいつも寂しくてつらいところだが、とりわけ秋はわびしく、よく鹿の鳴く声に目をさますときがある。

5.『古今和歌集 秋の部 詠人しらず』
散ってはいないが、散らないさきから惜しくてたまらないあの紅葉の葉は、今が最上の美しい色合いだ、これを過ぎると散っていくのだ。

6.『古今和歌集 秋の部 菅原道真』
秋風が吹いている吹上の浜に吹いている白菊は、真白な花であるのか、いやいやそうではなく、浜辺に打ちよせる白波であるのか。

解説
[調弦]
古今調子

[作曲]
吉沢検校
箏替手と手事:松坂春栄

[作詞]
古今和歌集 秋の部 より

[他]
新組歌。古今組の一つ。
初秋から晩秋にかけて六歌に配列して組歌としたもの。必ずしも古典的な組歌の形式に従わない。松坂春栄によって替手と手事が補作されて以来、手事物箏曲として有名になった。
第四歌の後、合の手を導入するマクラ・手事二段・チラシ。チラシから後に替手が入る。


インターネット上で見つけた歌詞の解説サイトです。こちらはリンクして参照頂くのが良いのではと思いますので、URLを掲載させていただきます。(山戸 朋盟様のHPより)
http://www2u.biglobe.ne.jp/~houmei/kasi/aki.htm


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櫻尽し

2010/09/29 12:37
地唄FAN管理人です。皆様如何お過ごしでしょうか?
いかにも秋らしい爽やかな天気ですねぇ。
本日は萩原 正吟師演奏による「櫻尽し」をアップ致します。歌は冒頭が萩原 正吟師、途中で大村尚子師が引き継がれます。
秋に櫻ではちょっと季節感がおかしいですが、ご容赦下さい。

今回もありす様から曲に関する情報をご提供頂きアップすることが出来ました。誠に有り難うございます。それでは皆様お楽しみ下さい。




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  Special thanks to ありす様  

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[歌詞]
飽(あ)かでのみ、花に心を尽くす身の、
思ひあまりに手を折りて、数ふる花の品々に、
わきて楊貴妃(ようきひ)、伊勢(いせ)小町(こまち)、
誰(た)が小桜(こざくら)や児桜(ちござくら)、
「桃の媚びある姥桜(うばざくら)」※1、
われや恋(こ)ふらし面影の、
花の姿をさきだてて、幾重分けこしみ吉野の、 

雲井に咲ける山桜(やまざくら)霞の間(ま)よりほのかにも、
見初めし色の初桜(はつざくら)絶えぬながめは九重の、 
都帰りの花はあれども、
馴れし東(あづま)の江戸桜(えどざくら)、
名に奥州の花には誰も、憂き身を焦がす塩釜桜(しおがまざくら)、
花の振袖八重(やえ)一重()、下には無垢の緋桜(ひざくら)や、
樺(かば)に浅黄(あさぎ)をこきまぜて、
わけよき縫ひの糸桜(いとざくら)、引く手あまたの身なりとも、
せめて一夜のたはふれに、酔ひをすすめや熊谷(くまがい)や、
猛(たけ)き心の虎の尾よ、千里も通ふ恋の道、
忍ぶにつらき有明桜(ありあけざくら)、君が情けの薄桜(うすざくら)、
よしや思ひを桐が谷(きりがやつ)、浮き世を捨てし墨染桜(すみぞめざくら)、
昔をしのぶ家桜(いえざくら)、花の扉(とぼそ)もさびしきに、
月の影さへ遅桜(おそざくら)、 

闇はあやなし紅梅桜(こうばいざくら)、色こそ見えね折る袖の、
匂ひ桜(にほいざくら)や菊桜(きくざくら)、
花のしら露春ごとに、打ちはらふにも千代は経ぬべし。

※1
『糸の節』『千重の一重』・・・・・・・→「桃の媚びある姥桜」
『古今端歌大全』(正徳頃刊)では→「年は若かる姥桜」
『糸の調べ』『歌曲時習考』・・・・・・→「年も若きの姥桜」

[調弦]
三絃:本調子−二上り−三下り

[作曲] 佐山検校
箏手付:八重崎検校

[作詞] 未詳

[初出] 元禄16年(1703)刊『松の葉』第二巻


[他]
本調子長歌物。
長歌物の創始者とされる佐山検校(1666登官、1694没)の長歌の作品で、
「雲井に咲ける山桜」より二上り、
「闇はあやなし紅梅桜」より三下り。
各地の有名な桜を連ねただけの詞章で、物尽くしの代表ともいえ、
また、長歌物の成立を示唆する歌詞形式であるが、作詞者は未詳である。
三絃譜は享保17年(1732)刊の『律呂三十六声麓の塵』に収録。
箏譜は天保四年(1833)刊の『千重之一重』巻之五(1833)に
八重崎検校手付けのものが収録。
「雲井に咲ける」の二上りに変わるところから、
三味線組歌の「晴嵐」の手が取り入れられていると説明されているが、
「晴嵐」の作曲者は浅利検校(1656登官、1698没)で、
「桜尽くし」と「晴嵐」とどっちが先行するかは、検討を要する。


(邦楽百科事典 音楽之友社から)
元禄年間(1688〜1704)、組歌につぐ新しい様式である長歌の成立に貢献した江戸の佐山検校(不明〜元禄7(1694))が作曲した物。長歌物に多い<尽し物>で、曲名どおり櫻の花の名を集めて一遍としている。
三味線は本調子で出て、「雲井に咲ける山桜」から二上りとなって、さばけた派手な味でのり、末段「闇はあやなし紅梅櫻」からは三下りで気分を締めて曲を結ぶ。三味線曲として出来た物であるから、箏では弾かれなかったが、のちに、京都の箏手付けの名手 八重崎検校が雲井調子で替手式の手をつけている。それは本調子のところは、三味線の手のままで、二上りから京物ふうにはなやかに編曲されている。なお、二上りからあと、浅利検校作曲の三味線組歌「春嵐」の手が取り入れられている。



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2010/09/25 11:16
皆様如何お過ごしでしょうか? 地唄FAN管理人です。

本日は富山 清琴師の演奏による「翁」をアップさせて頂きます。
この曲には確か藤枝 梅安様からご希望が出ていたと思います。熱中症から回復されましたでしょうか・・・

ありす様から歌詞や情報のご提供をいただき、やっとアップすることが出来ました。誠に有り難いことと感謝しております。それでは皆様お楽しみ下さい。



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  Special thanks to ありす様  

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[歌詞]
とうとうたらりたらりら、
たらりあがりららりとう、
ちりやたらりたりらりら、
たらりあがりららりとう。

所千代までおはしませ、
我らも千秋さふらうや、
鶴と亀との齢にて、
幸ひ心に任せたり。

気味が千歳を経んことを、
天津乙女の羽衣よ、
鳴るは滝の水、鳴るは滝の水、
日は照るとも絶えず、とうたり、
ありうどうどう、
絶えずとうたり、常にとうたり、
総角やとんどうよ、
尋ばかりがとんどうよ、
座してゐたれど、
参らうれぎれやとんどうよ。

千早振る、神のひこさの昔より、
久しかれとぞ祝ひぞや、
およそ千年の鶴は万歳楽を歌うたり、
また万歳の池の亀は、甲に三極備へ、
渚の砂さん策々として、
朝の日の色を朗じ、
滝の水は冷々として、
夜の月、鮮やかに浮かんだり。

[手事]

天下泰平国士安穏、
今日のご祈祷なり、
在原なじょの翁どもよ、
あれはなじょの翁どもよ、
何処の翁はどうどうどう、
そよや千秋万歳、
喜びの舞なれば、
一舞まはうよ万歳楽、
万歳楽、万歳楽を。

[調弦]
三絃:本調子−二上り
箏 :半雲井調子−平調子

[作曲] 峰崎勾当
箏手付:不明

[作詞] 能楽の「翁」の神楽の詞章を取捨

[初出] 寛政8(1796)年刊『鶴の声』

[他]
本調子謡物、手事物。
豊作と繁栄が永久に続くことを祝した祝儀曲。
謡曲にとらわれず、地唄の節付けがなされているが、
祈りの気分を漂わせている。
大阪を代表する位の高い地唄として
「大阪十二曲」の一つに数えられている。
歌いだしの「とうとうたらり」は、
笛や鼓の拍子を擬声化したとか、
笛譜の唱歌が訛ったとか、
チベットの古代語で祝言の時に歌う
陀羅尼歌から来たとか諸説ある。
「この所でいつまでも栄えられませ、
私たちも君にいつまでもお仕え申します」
と歌ったあと、『古今集』賀の在原滋春の
「鶴亀も千歳の後はしらなくに 飽かぬ心に任せはててん」
を引用している。
「総角」は髪を中央で左右に分けて両耳の上で
丸く束ねる少年少女の髪型に由来する雅楽の曲名であるが、
ここでは「翁が座っていては面白くないので、
あなたの所へ行こう」と歌う。
「尋」は両手を広げた長さ。
「万歳楽」は雅楽の曲名。
「三極」は天地人を意味する。
「なじょ」は「どんなふうな」という意味。

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天下太平国土安穏を祈る能の祝言物で神聖視されている「翁」を地歌化した曲。「雪」や「残月」など多くの名曲を残した大阪の代表的作曲家峰崎勾当が天明期(1781〜89)に作曲した物。三味線は本調子、手事の途中から二上り。箏は半雲井調子から平調子。短い前弾きがあって「とうとうたらり、たらりらたらり」と荘重にうたわれ、「所千代まで」から伴奏が付く。「夜の月あざやかに浮かんだり」までが前歌。手事となって「天下泰平」から後歌。万歳楽をくりかえして曲を結ぶ。謡曲にとらわれず、地歌の節付けがなされているが、祈りの気分をただよわせている。山田流では河東節のをそのまま移入している。
(邦楽百科事典 音楽之友社より)




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出口の柳

2010/09/22 12:18
皆様 如何お過ごしでしょうか?
地唄FAN管理人です。
本日は 「出口の柳」をアップいたします。演奏は太田 里子師によるものです。




たてまつる(ヨ) 奈良の都の 八重桜(サエ) けふ九重に 
浮かれ来て 二度の勤めは 島原の(ヨイサヨ) 出口の柳に 
ふりわけて 恋と義理との(ヨイサヨ) 二重帯 結ぶ契りは 
仇し野の 夜霧の憂き身の 誰ゆえに(サエ) 世渡る舟の 
かひもなや 寄辺定めぬ あま小舟 岸にはなれて  
頼りなや 島かくれ行く 磯千鳥
(二上り)
忍び寝に泣く 憂き涙 顔が見たさに またここへ
木辻の里の 朝ごみに 菜種や芥子の 花の色
うつりにけりな いたづらに わが身はこれのう この姿
つれなき命 ながらえて またこの頃や 偲ばれん
忍ぶに辛き めせき笠 深き思いぞ せつなけれ

地唄 出口の柳 初代杵屋長五郎作曲 宇治加賀椽作詞 (菊原初子編譜) 本調子



「出口の柳」というのは、

現在の京都市下京区西新屋敷、すなわち壬生通花屋町筋西入る、つまり五条と七条の間で、壬生と千本の間で、JR丹波口駅の南で、梅小路機関車庫の北で、西本願寺の500mほど西で、四条大宮から南へ1.5kmほどのところにある島原大門という門の前に立っている柳の事

との事です。今回掲載いたしましたのは藤枝梅安様からご提供いただいた「出口の柳」の写真です。藤枝様 誠にありがとうございました。

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インターネット上で見つけた歌詞の解説サイトです。こちらはリンクして参照頂くのが良いのではと思いますので、URLを掲載させていただきます。(山戸 朋盟様のHPより)
http://www2u.biglobe.ne.jp/~houmei/kasi/deguchi_no_yanagi.htm

なお以下のURLはとても面白く読ませていただきましたので、ご参考に・・・。京都の方のようです。もしかするとraimund様や藤枝様はご存知なのかも。
http://homepage.mac.com/jakiswede/iblog/C2119790177/E20070711202638/index.html



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四季の曲

2010/09/18 08:36
地唄FAN管理人です。
爽やかな青空が拡がって気持ちがよいです。皆様如何お過ごしでしょうか?
箏 組歌の2曲目として本日は 越野 栄松師の演奏による「四季の曲」をアップ致します。



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四季の曲(しきのきょく)


序 花(はな)の春立(はるた)つ朝(あした)には 日影曇(ひかげくも)らで匂(にお)やかに
  人(ひと)の心(こころ)もおのづから 伸(の)びらかなるぞ四方山(よもやま)

一 春(はる)は梅(うめ)に鶯(うぐいす) つつじや藤(ふじ)に山吹(やまぶき)
  桜(さくら)かざす宮人(みやびと)は 花(はな)に心移(こころうつ)せり

二 夏(なつ)は卯(う)の花橘(はなたちばな) あやめ蓮(はちす)なでしこ
  風吹(かぜふ)けば涼(すず)しくて 水(みず)に心移(こころうつ)せり

三 秋(あき)は紅葉(もみじ)鹿(しか)の音(ね) 千種(ちぐさ)の花(はな)に松虫(まつむし)
  雁鳴(かりな)きて夕暮(ゆうぐれ)の 月(つき)に心移(こころうつ)せり

四 冬(ふゆ)は時雨初霜(しぐれはつしも) 霰(あられ)みずおれ凩(こがらし)
  冴(さ)えし夜(よ)の曙(あけぼの) 雪(ゆき)に心移(こころうつ)せり


序.花の咲く春の初めの立春の朝には、日の光も曇らず、艶やかで美しく、四方の山を見ると人の心もひとりでにのどかになる

1.春は梅に鶯、つつじや藤に山吹、桜を冠に挿し飾る宮廷の人たちは、花に心を移した

2.風が吹くと涼しく、涼を求めて、人は水に憧れる

3.夕暮の月に、人は心を惹かれる

4.凍てついた冷たい夜の明け方の真白い雪に心が惹かれる

[調弦]
平調子

[作曲]
八橋検校



インターネット上で見つけた歌詞の解説サイトです。こちらはリンクして参照頂くのが良いのではと思いますので、URLを掲載させていただきます。(山戸 朋盟様のHPより)
http://www2u.biglobe.ne.jp/~houmei/kasi/shikinokyoku.htm


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