虫の音

地唄FAN管理人です。

皆様 「葵の上」へのコメント有難うございます。皆さんが「虫の音」に関して各種お話されておられるので、急遽アップすることに致しました。

唄・三弦 井上 道子師
 筝    矢木 敬二師
尺八   山口 五郎師

による演奏です。これも井上 道子師による名演だと思います。
ただし、録音時に若干の音揺れとレベルオーバーが感じられ音質的には今一つですが、それを補って余りある演奏だと思います。




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  Special thanks to 管理人 千 様  
    (邦楽データベース → 古典データベース) 

          http://www.eonet.ne.jp/~tngk/deta/koten/frame.html

                            (ご紹介者:藤枝 梅安様)
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虫の音(むしのね)


  思ひにや、焦れてすだく蟲の声々さ夜更けて、
  いとど淋しき野菊にひとり、道は白菊たどりて此処に、

  [合の手]

  誰をまつ蟲亡き面影を、慕ふ心の穂にあらはれて、
  萩よ薄よ寝乱れ髪の、解けてこぼるる涙の露の、

  [合の手]

  かかる思ひをいつさて忘りよ、

  [合の手]

  兎角輪廻の拙きこの身、晴るる間もなき胸の闇、

  [合の手]

  雨の

  [合の手]

  降る夜も降らぬ夜も、通ひ車の夜母に来れど、

  [合の手]

  逢ふて戻れば一夜が千夜、

  [合の手]

  それそれ、それじやまことに、

  [合の手]

  ほんに浮世がままらなば、何を怨みんよしなし言よ、

  [合の手]

  桔梗、刈萱、女郎花。
  我も恋路に名は立ちながら、一人まろ寝の長き夜を、

  [合の手][手事]

  面白や、千草にすだく蟲の音の、
  機織る音のきりはたりてふ、
  きりはたりてふ、つづれさせてふ、きりぎりす、
  ひぐらし、いろいろの色音の中に、
  分きて我が忍ぶ松蟲の声、りんりんりんりんとして、
  夜の声めいめいたり。

  [合の手]

  すはや難波の鐘も明け方の、朝間にも成りぬべし、
  さらばや友人名残の袖を、
  招く尾花もほのかに見えし跡たえて、
  草茫々たる阿倍野の塚に、蟲の音ばかりや残るらん、
  蟲の音ばかりや残るらん。


恋しく思うためか焦がれて集り鳴く虫の声々である。
夜更けて淋しい野菊の咲く野原に一人、白菊のある道は知らないが、たどってここに誰の来るのを待つか松虫は死んだ友の面影を慕う気持ちが外に現れて、萩やススキの穂が乱れ髪と乱れるのである。
その髪が解けて零れる涙の露が降りかかり、こうした思いを何時になったら忘れられようか。忘れられない。
めぐり合わせの悪い我が身ははれる間がなく胸は闇と暗く、雨の降る夜も降らない夜も訪ね来る車は毎夜来るが、逢って戻れば一夜が千夜に思われ、逢わないで戻ればまた更に千夜の思いがする。
これが本当の浮世なのだ。
浮世がもしも思い通りになるならば、何か怨むことがあろうか、つまらない愚痴も聞くことはなかろう。
桔梗・刈萱・女郎花と自分は恋路にうわさされながら、一人でまろ寝をすれば、秋の夜長に千草に集った蟲の音の機を織る音がきりはたりと聞こえ、破れを綴って刺しなさいと鳴いているのである。
ひぐらし・こおろぎといろいろの蟲の音色の中で、とりわけ自分の愛する松虫の声がりんりんりんりんと鳴いて、その夜の声は爽やかにはっきり聞える。
さては難波の鐘が聞えるとなれば、明け方の朝になったのであろう。
それであるから、友人の名残りの袖を招く尾花によって、仄かに見えた亡霊の姿が消えうせてしまい、あとはただ草茫々とした阿倍野の塚ばかりで虫の音ばかりが残るのである。

解説
[調弦]
三絃:三下り
箏:低平調子

[作曲]
藤尾勾当

[作詞]
不詳

[他]
三下り謡物。手事物。『虫づくし』『松虫』とも。
虫の音すだく秋の夜半に、亡き人を慕う空閨の悲しみを歌ったもの。
後歌は謡曲『松虫』のキリの部分の詞章による。
手事は擬音的手法に富み、砧地が合わされる。長歌『秋色種』の「虫の合方」に取り入れられることでも有名。
市浦検校作曲の中空調子の手を合わせるときは特に『中空虫の音』とも称する。
京都の手は浦崎検校門下の吉崎検校作曲。
抱一上人筆『吾妻唄』に収録されており、早い時期から山田流でも行なわれた。


インターネット上で見つけた歌詞の解説サイトです。こちらはリンクして参照頂くのが良いのではと思いますので、URLを掲載させていただきます。(山戸 朋盟様のHPより)
http://www2u.biglobe.ne.jp/~houmei/kasi/mushinone.htm


「地唄FAN」は地唄の音楽事典としてお使い頂くことを目指してます。
以下から一覧表をご参照下さい。

作曲者別一覧表      五十音順一覧表      演奏者別一覧表

皆様のご協力に感謝いたします。

地唄FAN管理人です。

喜音院様からは「別世界」 ありす様からは「古道成寺」 「十三鐘」 「鳥辺山」 「新道成寺」の歌詞・解説を補っていただき本当に感謝しております。

このブログをご覧の全員がとても喜んでおられると思いますし、お二方のご努力に感謝して下さることと思います。管理人からも厚く御礼申し上げます。 今後ともよろしくお願いいたします。

葵の上 (山田流)

地唄FAN管理人です。

皆様からの超積極的なコメントに感激して、頑張っちゃいました。

全くの別曲ですが山田流の「葵の上」をアップ致します。唄・筝:中能島 欣一師、唄:中能島 慶子師、三弦:鳥居登名美師による演奏です。




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葵上(あおいのうえ)


一 三つの車にのりの道、火宅の門をや出でぬらむ。
  夕顔の宿の破れ車、やる方なきこそ悲しけれ、
  憂き世は牛の小車の、廻るや報いなるらん。
  廻るや報いなるらん。およそ輪廻は、車の輪の如く、
  六趣四生を出でやらず、人間の不定芭蕉泡沫の世のならひ、
  きのうの花は今日の夢と、驚かぬこそ愚かなれ。

  [合の手]

二 身の憂きに、人の恨みのなほそひて、忘れもやらぬ我が思ひ、
  せめてやしばし慰むと、梓の弓に怨霊の、
  これまで現れ出でたるなり。

  [合の手]

三 あらはづかしや、今とても、忍び車の我が姿。
  月をば眺め明かすとも、月には見えじ、かげろうふの、
  梓の弓の末弭に立ちより、憂きを語らん。
  梓の弓の音はいづくぞ。

  [合の手]

四 あづま屋の、母屋の妻戸に、居たれども、
  姿なければ訪ふ人もなし。

  [合の手]

五 不思議やな、誰とも見えぬ上﨟の、破れ車に召されたるに、
  青女房とおぼしき人の、牛もなき車の轅に取りつき、
  さめざめと泣き給ふいたはしさよ。

六 もし斯様の人にてもや候ふらむ。
  大方は推量申して候ふ、唯包まず名を御名乗候へ。

七 夫れ娑婆電光の境には、恨むべき人もなく、
  悲しむべき身もあらざるに、いつさて浮かれそめつらむ。
  只今梓の弓の音にひかれて、現れ出でたるをば、
  いかなる者とか思召す。
  これは六条の御息所の怨霊なり。

八 われ世にありし古へは、雲上の花の宴、
  春の旦の御遊になれ、仙洞の紅葉の秋の夜は、
  月に戯れ色香にそみ。華やかなりし身なれども。
  衰へぬれば朝顔の、日影待つ間の有様なり。

  [合の手]

九 ただいつとなき我が心、物憂き野辺の早蕨の、
  萌え出でそめし思ひの露、かかる恨みを晴らさむとて、
  これまで現れ出でたるなり。
  思ひ知らずや世の中の、情けは人の為ならず。
  我れ人のためつらければ、必ず身にも報ゆなり。
  何を歎くぞ、葛の葉の。
  恨みはさらに尽きまじ。

十 あら恨めしや、今は打たではかなひ候ふまじ、
  あら浅ましや、六条の御息所ほどの御身にて、
  後妻打の御振舞、いかで、さることの候ふべき、
  ただ思召止り給へ。
  いや、いかにいふとも、今は打たでは叶ふまじと、
  枕に立ち寄り、丁と打てば、此上はとて立寄つて、
  妾は後にて苦を見する。今の恨みは有りし報い。
  瞋恚の火焔は。身をこがす。思ひ知らずや。
  思ひ知れ。

十 うらめしの心や。あら、うらめしの心や。
一 人の恨の深くして、憂きねに泣かせ給ふとも、
  生きて此世にましまさば、水暗き沢辺の、蛍の影よりも、
  光る君とぞ契らん。
  
  [合の手]

十 妾は蓬生の、もとあらざりし身となりて、
二 葉末の露と消えもせば、それさへことに恨めしや。
  夢にだに、返へらぬものを、我が契り。
  昔語になりぬれば、猶も思ひは増す鏡、其の面影の、
  恥しや、枕に立てる破れ車、打ち乗せ隠れ行かうよ。
  打ちのせかくれ行かうよ。

解説

[調弦]
箏:雲井調子-半岩戸調子-斗上り雲井調子-雲井調子
三絃:三下り-本調子

[作曲]
山田検校

[作詞]
謡曲「葵上」より

[他]
山田流箏曲。奥四曲の一曲。
河東節の手や節回しを効果的に利用した部分など謡曲の構成に応じた作曲がなされ、これに歌い分けや調弦の変化などを用いて場面の展開を表現。



インターネット上で見つけた歌詞の解説サイトです。こちらはリンクして参照頂くのが良いのではと思いますので、URLを掲載させていただきます。(山戸 朋盟様のHPより)
http://www2u.biglobe.ne.jp/~houmei/kasi/aoinoue.htm#aaa


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喜音院様 「別世界」の情報有難うございました。

地唄FAN 管理人です。

皆様の日ごろからのご支援 本当に感謝しております。
本日は喜音院様から「別世界」関係の情報を頂戴いたしましたので、当該項目を修正いたしましたので、皆様是非ともご覧ください。より理解が深まると思います。

喜音院様 本当に有難うございました。このブログを見ておられる方全員に喜んでいただけると思います。

これを機会に富崎 春昇師の至芸により親しんでいただけるものと思います。特に富筋をお好きの皆様には富山 清琴師の師匠の演奏を是非お聴きいただければと思います。

以下からジャンプできます。よろしくお願いします。

別世界  (富崎 春昇師)


葵の上

地唄FAN 管理人です。

昨日は「カセットテープの再生環境が無い」とうろたえてましたが、何とかなりました。工夫すれば何とか方策は見つかるものですね。ありす様のご要望がありました「葵の上」について、暫定版ですがアップ致します。歌詞を取り急ぎ追加いたしました。正確なものとは言えませんが、ご参考にどうぞ。

よろしくお願いします。




2010/4/4
今朝 何故か早く目が覚めてしまって、何となく気になったので開いてみたら・・・驚き!! 皆様からの沢山のコメントが。本当にビックリすると共に感謝の気持ちで一杯です。歌詞部分については本当に恥ずかしかったので、ありす様から頂戴したものに早速置き換えさせていただきます。 ありす様 本当に有難うございました。

なお喜音院様からは『 「藤戸」、「梓」、「八島」なんかもそうですね。こうなると「富士太鼓」や「鉄輪」も聴いてみたいなぁ…とか』と言うご希望を頂戴しました。「梓」 「富士太鼓」 「鉄輪」は確か保有していたと思いますのでいずれ探し出せると思いますが、「藤戸」はちょっと記憶に無いので・・・恐らく現在は保有していないと思いますので残念ですがすぐには何とも言えません。

raimund様からは「清琴さんの演奏も曲の雰囲気にぴったりですね。お琴は誰が奏でているのでしょうかね?息がぴったりです」とご質問いただきました。これは奥様 富山 美恵子様との事です。

よろしくお願いします。


2010/4/5
地唄FAN 管理人です。「葵の上」は2種類有ります。今回は富山 清琴師 三弦独奏による演奏をアップ致します。本項はこれで一旦 完結です。よろしくお願い致します。




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 Special thanks to ありす 様  
                        2010/4/4
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『三つの車に法の道、
火宅の門や出でぬらん。』

げに世に有りし古へは、雲上の花の宴、
春の朝(あした)の御遊になれ、
仙洞の紅葉の秋の夜は、月に戯れ色香に染み、
華やかなりし身なれども、
衰へぬれば朝顔の、日陰まつ間のありさまに、
只いつとなき我心、もの憂き野辺の早蕨の、
萌へ出て初し思いの露、かかる恨みにうき人は、
何を嘆くぞ葛の葉の、もつれもつれてな、
逢ふ夜はほんに憎くや憎くやは鳥鐘ばかり、
外に妬みはな、無きそななきそ、
なんなん菜種の仮寝の夢か、我は胡蝶の花摺衣、
袖にちりぢり露涙、
ぴんと拗ねても離れぬ対(つがい)、
おおそれそれよ、まことにはなれぬつがい、
辛気昔の仇枕。

『いや、いかにいふとも、
今は打たでは叶ふまじと、
枕に立ちよりちゃうと打てば』

此の上はとて立ち寄りて、

今の恨みはありし報(むくひ)、
瞋恚(しんい)の焔は身を焦す、
思ひ知らずや思ひしれ、恨めしの心や、
あら恨めしの心や、人の恨みの深くして、
浮寝に泣かせ給ふとも、生きてこの世に
ましまさば、水暗き沢辺の蛍の影よりも、
光る君とぞ契らん、妾(わらわ)は蓬生(よもぎう)
のもとあらざりし身となりて、葉末(はずえ)の露
と消えもせば、それさへことに恨めしや、
夢にだに還らぬものは我(わが)契り、昔語りと
なりぬれば、なほなほ思ひは増鏡、その面影も
恥しや、枕にたてる破れ車、うち乗せかくれ
行かんとて、いふ声ばかりは松吹く風、
いう声ばかりは松吹く風、
さめてはかなく成りにけり。

注:『』内は舞いの時、立ち方が朗唱する部分で、
地唄単体で演奏する場合は含めない。
資料的価値を考慮し、念のため掲載。


<作曲者>
木ノ本屋巴遊

<曲種・調弦> 
三下り謡物

<作詞>
不詳

<初出>
1794年刊の『大成糸の節』



『源氏物語』に取材した能の「葵上」をさらに三下りの唄ものに移したもの。かって東宮妃という高い地位にあった六条御息所が、光源氏の正妻葵の上の嫉妬にかられ、生霊となって葵の上を苦しめる。謡曲の口説きに始まり、六条御息所が東宮妃としてときめいていた頃の回想と、勢力を 失ってからの悲しみを述べる。「もつれもつれてな」から、一転して世話にくだけた、近世風の口説きとなり、ひと番いの蝶になぞらえ、恋人との昔の逢瀬にこうべをめぐらす。 「この上はとて立ち寄りて」と、再び謡曲の詞章をひいて、嫉妬にかられるようになった現在をうったえる。謡曲の枕ノ段に続き、最後の「覚めてはかなくなりにけり」は、六条御息所の生霊が闇へと帰って行ったとともに、葵の上が亡くなったことを暗示する終わり方でもある。各流に伝承される著名な地唄もの。謡曲に世話がかりの詞章を加える方法は、地唄の謡曲ものの特色としてほかにも多く見られるが、本曲でも、前後の能からとった堅い動きと、中段の舞独特の技法を含むしなやかな動きとの対比が面白い。しかし、前の東宮妃という高貴の女性の嫉妬が この曲のテーマであり、くだけた歌詞ではあっても六条御息所の品位をうしなってはならない。
[引用:日本舞踊曲集成② 京舞・上方舞編 編著者 岡田万里子 演劇出版社]


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皆様 有り難うございました

地唄FAN管理人です。

皆様に沢山お気遣い頂き本当に有り難うございました。元気になりました。


全く別件です。今後の事について若干だけ。

・ありす様 からは 「葵の上」が聴きたいとのご要望を頂きました。

・梅安様は「八重衣が苦手」とのこと。
そうですかぁ。確かに長いですものねぇ。地唄の名曲中の名曲なのでこのブログでもこれから何度か取り上げて行く事になりますが、その中に梅安様が「これなら!!」と思うことの出来る演奏が有れば良いのですが。これも楽しみにしておいて下さいね。
(でも1曲 約30分ですからきちんと聴くのにも時間がかかるし、ましてや聞き比べなどと言ったら大変ですが・・・)

・raimund様からは「初心者向けの曲も紹介して欲しい」とのご希望を頂戴しました。
確かに考えてみれば、段物はともかくとして(それでも三弦合奏などあまり普通でない物も多いですが・・・)、それ以外の曲はちょっと重たい曲に偏重している嫌いがありますね。これからアップ予定の曲も確かに良い曲で名演が多いのですが、いかんせん普通にはほとんど聴くことの出来なくなってしまった曲が多いのに気づきました。ご希望の趣旨に沿うべく少し考えます。

これからも よろしくお願い致します。



藤井 昭子師の「新娘道成寺」 気に入っていただいて良かったです

地歌FAN 管理人です。

今朝ほど藤井 昭子師による 三弦+笛 での「新娘道成寺」をアップいたしましたが、藤枝梅案様、ありす様から前向きなコメントを頂戴し、ほっと一安心しています。もしかすると「こんなのダメ!!」と言うコメントが来てしまうかなぁと実は少し心配して居たのです。ですから「三弦との合奏練習用に良いかも・・・」などと演奏者にははなはだ失礼なコメントを記載していたのですが、さすがに皆様はきちんと演奏の方を受け入れていただき有り難うございました。


藤枝梅案様からは「ミクシイに地唄ファンがいるなんて、面白いですね。管理人さんの広報活動も順調なようで。なによりです!」とのコメントを頂きました。mixiも随分見たのですが、「地唄に興味有り」と言うサイトでも更新が全くされていなかったり、「本当なの?」と言う内容だったり・・・その中で思い切って案内のメールをさせて貰ったのがhappydance様でした。「長等の春」からお聞きになったとのことですが、これから色々と継続的に聞いていただき、このブログにもコメント頂けることを期待しています。

「新娘道成寺」とくればやはりこの美しい三弦ですよね。三弦の技巧の繊細な部分までよく聞こえる、ほんに良い演奏ですねぇ~  私、この笛バージョン大好きです」とのこと。やはり藤枝梅案様は三弦を一生懸命やられている方なので尚更その様に思われるのかも知れませんね。

ありす様は恐らく九州系の三弦を自らお弾きになられる方とお見受けいたしましたが、「いや、面白いですね。しかし、これはほとんど三絃独奏ですから、基礎技術がしっかりしていないと恐くて出来ません」とおっしゃられています。まさにそのとおりですね。本当に実力がないと弾くことも出来ないでしょうし、聞くに堪えないでしょう。

「さすがに偉大な祖母・母を持つだけあって、藤井昭子さんの演奏、しっかりしたものです。本人はこうした言われ方はイヤかもしれませんが…。でも、どうしても比べられるから、本当に努力しているのだと思いました」 二代名人が続いた家に生まれて、三代目と言うのは本当に大変と思います。どうやっても「お婆さまは古格を守った名人だった」 「お母様は人間国宝だった」と言われてしまう宿命を背負っているのですから。 しかしこのブログで聞いていただくとお分かりのように、藤井 昭子師はとても若々しくみずみずしい演奏を聴かせて下さる方だと思います。

「お母様(藤井 久仁江師)があの年頃にはもっと上手かった」との声も有るかも知れません。それは私には何とも言えない所ですが、ちなみに「新娘道成寺」の項目で阿部 桂子師と藤井 久仁江師が演奏しているバージョンはちょうど藤井 久仁江師が現在の藤井 昭子師と同じ位の年代と思います。

まさにありす様がおっしゃるように「 この先、昔の名手のような「味」が出せるか、ちょっと注目してみたくなるそんな方ですね」と言う事だと思います。

皆様のお住まいからは遠くて無理かも知れませんが、一応 藤井 昭子師が継続しておられる「地歌ライブ」の情報を下記URLからご覧になれます。もし東京に出て行ってまで生を聴きたいと思われる方がおられたら是非足を運んでみてはいかがでしょうか?

http://www.sankyoku.jp/concert/fly/100802.jpg

しかし8/2(月)という時期に「新青柳」 「融」 「八重衣」と言う大曲を予定されていますが、弾く方も勿論ですが、聴く方も大変ですね。

「新娘道成寺」 藤井 昭子師の別演奏をアップしました

地唄FAN管理人です。

皆様からのコメントを頂戴し元気いっぱいになりました。有り難うございます。
本日は「新娘道成寺」の一応の締めくくりとして藤井 昭子師による三弦一丁と笛の演奏をアップ致します。

http://jiuta.at.webry.info/201003/index.html#0321

笛はごく控えめに入っており、ほとんど三弦独奏とも言えます。三弦を中心にお稽古されていらっしゃる方には何よりの音源だと思います。勿論師の唄の力量があってのことですが。

これで一旦「新娘道成寺」は完了となります。よろしくお願いします。



「長等の春」へのコメント有り難うございます

地唄FAN管理人です。

皆様 「長等の春」へのコメント有り難うございます。


raimund様からは「滋賀県の風光明媚な情景が、三下がりの歌によく合っていい曲ですね。なんて素敵な歌詞でしょうか。 風流だなあと思えるのは日本人ならではの感性でしょうか。清琴さんの三味線ホントにいいですね~。
菊岡検校さんの曲の中では「ままの川」も名曲ですよね~。生田流の琴パートめっちゃ美しいです」
とのコメントを頂戴しました。この様な感想をお持ち頂けるのも管理人 千様の「古典データベース」のお陰ですね。本当に有り難いことです。

また『 「長等の春」「夕顔」などこんな名曲が何百年後も聴けるなんて(しかもクラシックのように昔から楽譜があったわけではないのに)幸せです』との感想ですが、本当に同感です。作曲者から名人・上手を経て現代まで基本的には人による伝承によって継続してきているというのが驚きですね。我々の代で絶やしてしまっては今まで努力して下さった方々に本当に申し訳ないです。


happydance様には初めてコメント頂きました。happydance様はmixiで「地唄に興味をお持ちの方」とお見受け致しましたので、不躾にもメールを差し上げてこの「地唄FAN」ブログをご紹介致しました。
「すぐ、アクセスしたのですが、やはりおじけづいて、コメント遅くなりました。 “長等の春”初めてでしたが、本当に美しい歌ですね。長等山の山桜、高観音の庭桜、はるかにそびえる三上山。。。情景が鮮やかに浮かんでくる、素晴らしい演奏・・・ 美しい歌詞と、歌声と、三絃、箏、尺八の音色の何拍子もそろった名演。。だと思いました。 富山清琴さんの情感たっぷりな歌と演奏に、しばしうっとり。。。何度も聴き返してしまいました。また、素敵な演奏を、アップして下さい。 楽しみに待っています」とのコメントを頂戴しました。やはり美しい歌詞と演奏に魅了されたようで何よりでした。また「何度も聴き返してしまった」と嬉しいことをおっしゃって頂き、有り難うございます。これからも継続的に充実していきますので、楽しみにしていて下さい。
最後にこのブログにコメント下さっておられる方は皆様優しくて親切な方ばかりですので、happydance様も「おじけづく」事無く何でも書き込んで下さって結構ですよ。今後とも末永くよろしくお願い致します。



藤枝梅安様からも「新しい方のコメントも読みましたが、全くその通りで情景が浮かんでくる演奏です!清琴さんの唄はとても特徴的だなあと最初思ったのですが、なによりなんで三味線の音色があんなに艶っぽいんでしょう?私もああいう風に奏でたい。と思いますが、それにはやっぱり一日何時間も練習して、一生かかるもんなんでしょうねえ。長等の春はもちろん名曲なんですが、名曲を名曲にするのも演奏者の実力次第。清琴さんの演奏に菊岡検校もよろこんではるんじゃないでしょうか」とのコメントを頂戴しました。happydance様のために一言付け加えますと藤枝梅安様は三弦を中心にお稽古されていらっしゃる方で、富山清琴師の三弦はとても良い目標になっているのかなと思っております。まさに「名曲を名曲にするのは演奏者の実力次第」と言うのは洋の東西を問わずと言うことでしょうね。


私もこのブログを開くまでは死蔵していた音源ですが、ブログ開設をきっかけに聞き直して以前とは若干異なる印象を持って各曲を聴いています。要約して言えば「昔は自分の好きな演奏家を中心に聴く」と言うことでしたが、今回は「どの曲にも積極的に取り組む」感じで聴くことが出来ています。新たな発見も沢山あり楽しいです。

皆様のサポートに感謝致します。



長等の春

地唄FAN管理人です。

皆様お元気でお過ごしでしょうか?しっかし寒かったですねぇ。今日はちょっと外で活動していたのですが、完全に冬に逆戻りだったです。桜の花は咲いているのに、凍えてしまってました。

本日は「長等の春」をアップ致します。
唄・三絃 富山 正琴師
箏 富山 美恵子師
尺八 山本 邦山師
による演奏です。
この曲と演奏の力で明日からは暖かくなってもらいたいものです。


08B03

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長等の春(ながらのはる)


  賑ふや、春の朝立つ霞み晴れ、志賀の都は荒れにしを、
  長等(ながら)の山の山桜、昔を今ぞ思ふなる、花の盛りも一やうに、
  四方の眺めも尽きせじと、高観音の庭桜、
  向ふはるかに三上山、隔つる鳰(にほ)の海の面、
  その浦々を漕ぎわたる、往きかふ船の楫音も、
  風の便りに聞こゆなり。遊び戯れ春の暮れ、
  名残りを惜しむ諸人の、入相つぐる三井寺の、
  鐘の音さえ吹きかへす、風につれだち散る桜、
  桜々に送られて、唄ふて帰る桜人さくらびと。


春の日は朝立つ霞はやがて晴れて、桜狩や遊山の人々で、今日も山々は賑わうことであろう。「志賀のの都は荒れにしを」と詠われた、長等の山の山桜は、昔の有様を今に偲ばせるようである。桜の花はどこも一様に今が盛りで、四方は眺め飽きない景色である。
高観音の庭桜も美しい。遥か向こうに近江富士といわれる三上山と、それを隔てる琵琶湖が見える。その湖水の岸から岸へと漕いで行ったり来たりする船の楫の音も、湖面から吹いてくる風に送られて聞こえて来る。花と遊び戯れた春の一日も早や暮れ方になって、名残りを惜しむ人々に三井寺の夕暮の鐘の音が響いてくる。その鐘のほうにこちらから吹き返す風に連れ立って、今日を終わりと散ってゆく桜の花。桜々に送られて花見の人々は、春の歌を唄ってわが家路に戻ってゆく。

解説
[調弦]
三絃:三下り-本調子-二上り
箏:半雲井調子-平調子

[作曲]
菊岡検校
箏手付け:八重崎検校

[作詞]
雅無舎・消南舎

[他]
京風手事物。
長等山の桜を中心に周辺の春景色を歌ったもの。


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みゅうみゅう様 お久しぶりです

地唄FAN管理人です。

みゅうみゅう様 コメントしていただき有難うございます。皆様にコメントを頂戴し、少しずつですがこのブログも充実してきています。しかしみゅうみゅう様が以前に「中能島師」や山田流の各家元の方にお会いになっておられたとは、凄いですね。また以前に菊筋の流れをくむ先生に習っておられたと言うのも初耳でした。まだこのブログでは菊筋の演奏はほとんどアップしておりませんが、今後次第に充実していきますのでもう少々お待ちください。

最近の演奏に関しては私はあまり聴いておりませんので、なんとも言えませんが、確かに以前の名人方が「巧まぬ良い演奏を 昔の方は飄々とやってのけました」と言うのには共感出来るところが多いです。今となってはその様な先生方にお会いすることはかないませんが、素晴らしい演奏を残して下さっているので、まだお聞きになった事の無い若い方に聞いていただきたいと思っています。

またコメントしてください。よろしくお願いします。


ところで喜音院様はお元気でいらっしゃいますでしょうか。最近お会いしていないのでちょっと気にかかってます。


raimund様 ありす様 コメント有難うございました

地唄FAN管理人です。

raimund様、ありす様コメント有難うございます。コメントを拝見するとお二方ともクラシックのファンでもいらっしゃるのですね。偶然とは言え面白いですね。クラシックを楽しむためには「それなりの集中力」と曲の面白さを感じるまで「ある程度聞き込む」ことが必要だと思いますが、その習慣をお持ちの方だからこそ地唄を聴いて面白さを感じておられるのだと思います。最初はとっつきにくくても、ある程度聞き込むことにより曲の面白さや演奏の素晴らしさを感じておられるのでしょう。なかなかそこまで聴くことに努力をされる方も少なくなって来たように思います。

raimund様からは『日本のクラシックなんだから、「音楽→クラシック」のカテゴリにしておけば、クラシックファンが立ち寄ってくれることもあるのではないでしょうかね?』とのご提案を頂きましたが、そのとおりかもしれません。今度試みてみることにします。

また「地唄やその他伝統芸能は日本人のDNAの中に誰しもが持っている記憶だと思いますが、聞かず嫌いの方がたくさんいらっしゃるんでしょうね。(昔の僕です。)」ともお書きになっておられますが、現時点で手軽に地唄の演奏にアクセスすることが難しくなってしまっているので無理もない面もありますね。このささやかなブログが少しでもその様な隙間を埋めることが出来れば良いのですが・・・


ありす様がおっしゃるように『「聴く耳」を持っていればいいものはいい、これに尽きる』と言うのは本当だと思います。本当に力の有る方が芸術性の高い音楽を演奏すれば、ジャンルを問わず伝わってくるものは大きいと思います。そう言った意味ではあまり先入観を持たず心を柔軟にして音楽に接することが大事なのでしょうね。

駄文を書きすぎました。今後とも皆様が来て下さることを楽しみにしております。





raimund様はクラシックもお聞きになるのですね。実は・・・

地唄FAN管理人です。

raimund様 コメント有難うございます。raimund様はクラシックにお詳しいのですね。実は私もほんの少しだけ聴きます。聴いている年月は地唄よりも長いと思います。地唄を聴き始めたときも、クラシックに対する様な姿勢で聴き始めた覚えがあります。ただし、クラシックの分野では素晴らしい(凄い)サイトがそれほど山のように有るでしょうから、私などが参加するには場所がありません。

raimund様の様にクラシックなどをお聞きになる方が、同様の感性で地唄を聴いておられると言うのが嬉しいですね。クラシックは説明するまでも無く素晴らしい芸術ですが、地唄もそれと並ぶことの出来る芸術性を持っていると認めていただいていると言うことですから。

教えていただいた、サイトも拝見しました。本当に「格好良いサイトですねぇ」と言うのが正直な感想です。テクニックよりも「この様に作りたい」と言う感性が素晴らしいですね。でも私にはほとんど無理です・・・ 今の形でしばらく続けていくのが実力相応です。もっともっと勉強しなくては・・・

有難うございました。




いろいろとアドバイス有り難うございます

地唄FAN管理人です。

先日このブログへの参加者を増やす方法に関してアドバイスを頂きたいと申し上げたところ、早速お返事頂き大変有り難うございます。

喜音院様からは「御宣伝、大いに結構だと思います。大変だと思いますが、頑張ってください」とご賛同のお言葉を頂戴しました。有り難うございます。

raimund様からも「 mixiで宣伝するのもいい方法だと思いますよ、試せる物は何でもやってみては?」と仰って頂きました。有り難うございます。しかし馬鹿な話で、「そのやり方が良く分からない」のですから始末に負えません。

2チャンネルの件は私も同感です。2チャンネルが始まった頃に仕事の関係で少しだけ見たことがあるのですが、1~2日で止めました。私には合わないです。

この「地唄FANブログ」に来て頂いている方々は本当にご親切で、しかも地唄を愛していらっしゃるな方ばかりでとても有り難いです。今の時点では地唄そのものがあまり多くの人に知られても居ませんし、訪問者を無闇に増やすよりは皆様方との暖かくて頻繁なコミュニケーションが出来るのがとても心地よく感じられます。皆様の周りの方にご紹介頂き、口コミで徐々に参加者の数が広がって行くのが自然なのかもしれません。


ありす様からも「闇雲に人を呼び込むと、それだけ変な人がまぎれる確率も高くなる、という危険性だけははっきり認識していただきたいと思います. mixiはまだ個々のアカウントがありますので、匿名ではないだけまともな議論もできます.ですから、検索上位という手段より、mixiの関連コミュニティあたりに宣伝するほうが好ましいのではないかと思います.」とアドバイス頂きました。有り難うございます。mixiに詳しくないので、すぐには出来ないと思いますが、研究してみます。

色々と有り難うございました。


「新娘道成寺」 追加しました

皆様へ

地唄FAN管理人です。

「新娘道成寺」に富山 清琴師の別演奏を追加致しましたので、お聞き頂ければと思います。こちらの方の演奏には、きっちりとお箏が入っております。

http://jiuta.at.webry.info/201003/article_26.html

なお昨日 梅安様から教えて頂いたサイトから歌詞も参照するように致しました。梅安様本当に有り難うございます。後は「古典データベース」の管理人 千様に直接御礼出来ればと思いますが・・・

よろしくお願いします。


梅安様 素晴らしい場所を教えていただき本当に有難うございます

地唄FAN管理人です。


こんばんわ、「四季の眺め」楽しく聞かせてもらいました。何度聞いてもいいですね。

>管理人
「四季の眺め」気に入って頂けたようで何よりです。是非弾くほうにもraimund様とチャレンジしてみて下さいね。



それに加えて素晴らしいサイトをご紹介いただき本当に感謝です。
恐らく他の皆様にも大変参考になると思いますので、ここにも引用させていただきます。確かに「歌詞」や「その訳」および作曲者などの情報がすぐにこのサイトで見ることができて本当に参考になりました。

http://www.eonet.ne.jp/~tngk/deta/koten/frame.html

まずは「四季の眺め」の項目から変更させてもらいます。本当に有難うございました。

しかし、この「古典のページ」と言うサイトを作成された方はどのような方なのでしょうか・・・。これだけのものをお作りになるのは本当に大変と思います。この様な素晴らしいサイトをお作り頂いたことへの御礼の為に、作成者の方にも私が作成しているささやかな「地唄FAN」ブログで名人の演奏をお楽しみいただくと同時に、歌詞などを参照させていただくことをご了解いただきたいと思うのですが・・・

「四季の眺め」へのコメントありがとうございました。

地唄FAN管理人です。

(ちなみに私は「地歌」と書くより何となく「地唄」と書く方が好きなので、こちらを使わせてもらってます。「唄と三弦」みたいに書くじゃないですか。「歌」の字は何となく唱歌の様な感じがして・・・ 「唄」の方が何となく私には好ましく思えます。深い根拠があるわけではありません)

まだまだこれからもコメントをいただける方も増えてくるかもしれませんが、現時点でコメントいただいたraimund様、ありす様、梅安様への返信として書き込みさせていただきます。


raimund様、梅安様は「四季の眺め」はこのブログではじめてお聞きになったと言うことですね。とても良かったです。名曲、名演はどこで出会っても良いものですからね。

中能島 欣一師はおそらくウィキペディアにも掲載されているでしょうから詳細はそちらをお読みいただくとして、簡単に言えば
・山田流の大御所/人間国宝
・今井 慶松師の後継者
・古典も名手ですが、ご自分で作曲もなさる。(「三つの断章」は私も大好きです)
・筝の名手であることは勿論ですが、三弦もまたとてつもない名人
 (一度だけNHK特集の再放送で見たことがありますが、本当に名手でした)
などでしょうか。

raimund様からは「自信に満ちた演奏」とのコメントをいただきましたが、正にそのとおりですね。本当に風格のある演奏だと思います。


ありす様は「四季の眺め」でも色々な演奏をお聞きになっておられるとの事。この演奏も好きになっていただければとても嬉しく思います。「よく聴くのですがさすがというか、いい演奏ですね」とおっしゃって頂けてよかったです。「 唄も分け唄いですが、不自然さは全くありませんし、手事での掛合いなども、対等の奏者だからこそこのように面白いのだと思いました」とお書きになっておられますが、正にそのとおりですね。本当に対等の力をお持ちの両者が楽しみながら、しかも真剣に演奏されているのがとても印象的な演奏です。


梅安様からは「昨日の今日で新たな曲が!すごいです、うれしいです」と言っていただけてとても励みになります。少しアップの間隔が狭くなりすぎて、一曲を楽しむ時間が足りないのではと心配しておりましたが、皆様本当にお好きな方々ばかりなのでそんな心配は不要なようですね。
良い曲がまだまだ沢山ありますので楽しみにしていて下さい。最近はなかなか自分で新しい曲に接する機会も少なく、レパートリーを広げようと考えても難しい状態ですので、「四季の眺め」をご存知なかったとしても無理ありませんね。このブログが少しはお役に立てたようで良かったです。


「でもこの曲の所々なんかメロディー変わってませんか? 急に変調みたいな感じに、時々ガクッとくるんですけど。これも曲の演出なのしょうか?」 そうなのです。ちょっと不思議な雰囲気になる部分がありますね。生で聴くとあの部分をきちんと乗り切れない演奏家が多いですが、この演奏ではさすがに難なく弾き切っておられます。

喜音院様も久しぶりに書き込んでいただけて良かったです。すでにご覧頂いているとは思いますが、皆様積極的にコメントして下さっています。喜音院様にもご自分のペースで「道成寺もの」などからでもコメントしていただけると有りがたいです。皆様のコメントも勿論ですが、喜音院様のコメントも私にとっては非常に貴重なものなのです。
なにとぞよろしくお願いいたします。


ご相談です。

地唄FAN管理人です。

皆様日頃から活発に書き込みをしていただき、有り難うございます。本当に感謝しています。
今日はちょっとご相談です。

このブログも皆様のご支援もあり、そこそこ内容が整ってきましたので、もう少し聴いていただける方の数を増やすことが出来ればと考えているのですが、良い案は無いでしょうか?私はPC音痴なので、その辺をどの様にしたらよいのか良く分からないのです。

mixiもかろうじて参加資格は持っていますが、どの様にして使ったらよいのか良く分からなくて・・・(涙) 未だにマイミクの登録も出来ず、mixi社からは「4月はじめまでに登録がなければ抹消する」なんて言われているのです。(トホホ 使い方も分からず抹消されるなんて情けない・・・)

Googleで「mixi 地唄」で検索するとmixi内にも「地唄」と言うサイト(コミュニティ?)があり、400人以上が参加されているようですが、それほど活発な状況でも無さそうです。(他のサイトはさらに小さい・・・)

mixiには音楽ファイルをアップする機能があるのかないのか良く分かりません。「地唄」コミュニティでも言葉だけのやりとりで、実際に音楽を聴いているというような書き込みは無かったように思います。

思い切ってmixi内の「地唄」コミュニティ?にこの「地唄FAN」の存在を書き込んで知らせようかとも思うのですが、それからどの様な展開になるのかが想像できなくて、なかなか決心が付きません。

私は別にビッグローブに拘りはありません。しかしこのブログの性格上「音楽が聴ける環境が提供される」事が大前提ですので、そこに制約が有ると言えば有ります。もっとも「音楽だけはビッグローブ」で聴いて、コミュニケーションは別のところでやると言う手も考えられますが、それには相応の便利さなどのメリットがないと・・・その辺が良く分からないのです。

どなたかお詳しい方がおられたらアドバイス頂けますか?
こんな事を質問してスミマセン。宜しくお願いします。





四季の眺

地歌FAN管理人です。

「道成寺もの」では皆様から沢山のコメントをいただき本当に有り難うございました。本件もまだ少し続きますが、「道成寺もの」も一段落しましたので、本日は別の曲 「四季の眺」をアップ致します。

「道成寺もの」が曲それぞれの個性が強烈でしたので、普通の演奏ではそれこそ「太刀打ち出来ない」と思い、今回は中能島師、富山師と言う最強ペアの演奏に致しました。

言葉でなんと表現したらよいのかちょっと思いつかない程色々な事を考えさせてくれる名演中の名演と思います。それこそ「これを最初に聞いてしまうと、後は何を聞いても満足できない」と言う様な状況になるかもしれません。現に私の持ち物の中にも「四季の眺め」は何曲か有りますが、聞くのはこの演奏だけと言う様な状況です。

「道成寺もの」から雰囲気が一変しますが、どうぞお聞き下さい。
唄・三絃 富山 清琴師
唄・箏 中能島 欣一師
による演奏です。


08B01

梅安様から教えていただいたサイトから情報(歌詞、訳、作曲者など)を追加させていただきます。梅安様本当に有難うございました。

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  Special thanks to 管理人 千 様  
    (邦楽データベース → 古典データベース) 

          http://www.eonet.ne.jp/~tngk/deta/koten/frame.html

                            (ご紹介者:藤枝 梅安様)
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一 梅の匂ひに、柳も靡く春風に、桃の弥生の花見てもどる、
  ゆらりゆらりと夕霞、春の野がけに芹蓬(せりよもぎ)。
  摘みかけたる面白さ。

二 里の卯の花、田の面(も)の早苗、色見えて、
  茂る若葉の蔭訪ひゆけば、まだきに。
  初音の山ほととぎす、一声に。
  花の名残りも忘られて、家づとに語らばや。

三 草葉色づき、野菊も咲きて、、秋深み、
  野辺の朝風露身にしみて、ちらりちらりと村時雨、
  よしや濡るとも紅葉葉の、染めかけたる面白さ。

四 野辺の通ひ路人目も草も冬枯れて、
  落葉しぐるる木枯しの風、峰の炭竃煙りも淋し、
  降る雪に、野路も山路も白妙の、見渡したる面白さ。


1.梅の花が香り、枝垂れ柳が春風に吹かれて細い枝をなびかせている。三月になると桃の花が咲く。それを見に行ってゆらりゆらりと帰ってくると、早や夕霞がたなびいている。このような春の郊外の散策に、萌え出た芹や蓬を摘むのは大変面白い。

2.夏になると田舎には白い卯の花が咲き、田の面の早苗は薄緑の色を見せ始め、茂る若葉の蔭を行くと、季節にはまだ早いほととぎすの一声を聞き、花の名残りも忘れるぐらい嬉しかった。家の土産に家人に語ることにしよう。

3.秋になると草の葉は色づき、野菊も咲き始める。秋が深くなると野辺の朝風も葉末露も身にしみるようになる。時にはちらちらと村時雨が降ってくるが、たとえ濡れても色増す紅葉の葉が見られるなら興味は深い。

4.冬になると野辺の通い路は、人の姿も見えないし草も枯れる。木枯しが吹いて落葉が雨のように降りしきる。山の峰の炭を焼くかまどの煙が独り淋しく立ち昇っている。降る雪に野路も山路も白い布を敷いたように、真白になっているのは、何と面白い風景であろう。

解説
[調弦]
三絃:二上り-三下り
箏:平調子-六上り調子-平調子-中空調子

[作曲]
松浦検校
箏手付け:八重崎検校

[作詞]
殿村平右衛門


インターネット上で見つけた歌詞の解説サイトです。こちらはリンクして参照頂くのが良いのではと思いますので、URLを掲載させていただきます。(山戸 朋盟様のHPより)
http://www2u.biglobe.ne.jp/~houmei/kasi/shikino_nagame.htm


「地唄FAN」は地唄の音楽事典としてお使い頂くことを目指してます。
以下から一覧表をご参照下さい。

作曲者別一覧表      五十音順一覧表      演奏者別一覧表

皆様 コメント 本当にありがとうございます

地唄FAN管理人です。

曲はアップしてましたが、何にも書き込みせず大変失礼致しました。「鐘ケ岬」に続いて「新娘道成寺」でも皆様が活発にお話し合いされているのを拝見させていただき、本当に楽しかったです。本来であれば皆様方お一人ずつのコメントに返信すべきなのかもしれませんが、そうなると煩雑になってしまうので、本日まとめて返信させていただきます。

まずは最初にアップいたしました、藤井 昭子師の演奏も皆様方から「若々しくて良い」と前向きのコメントをしていただき嬉しく思いました。アップする前は「こんな若手じゃなくて名人の演奏は無いのか?」とお叱りを受けるかなと心配していたのですが、杞憂になり良かったです。藤井 昭子師は次代を担う若手としてこれからも頑張ってもらいたい逸材です。彼女に憧れて若い人がもっと古典に力をいれて貰えれば良いと思っています。

ありす様も「藤井昭子さんの演奏は、それこそ若い頃しか出来ない貴重なものだと思います。この先大家となったとしてもやはりそれは変わらないと思います」とおっしゃっておられますが、正にそのとおりと思います。

raimund様からは「最初三絃だけかー、と思いましたけど、替手が微妙に艶っぽくて、もしこっちを生まれて最初に聞いた人なら、三絃合奏にはまってしまうのでは?と考えさせられます」とのコメントをいただきました。三弦合奏魅力的ですよねぇ。私も大好きなのです。

梅安様からは「あまりに模範的な演奏に、ついつい先ほど録音に合わせてちょっと弾かせてもらっちゃいました。これって新手の通信教育かも?(なんて便利なサイトでしょうか)」とのコメントもいただきました。この地唄FANブログがその様に使えるとは思っても見ませんでしたが、楽しそうですね。名人・上手と合わせることで自分の勉強にもなると思います。良いことを教えていただきました。




次は富山師による演奏でしたが、これはやはり皆様からも「納得」の評価だったようで何よりでした。尺八入りで最初は「ちょっとなぁ・・・」と感じられたraimund様なども最後には「あれっ? 全然いいやん」と思っていただけたようで良かったです。お竹の方にも三絃や筝に深い理解をもって演奏される方がいらっしゃるのはとても嬉しいことです。良い演奏を聴くことで、今までは抵抗感のあった尺八も受け入れていただけるようになれば幸いです。

若干お筝のパートが弱い 或いは 富山師の唄と三絃にフォーカスした独奏部分が有るのに違和感を感じられた方もおられるようです。私自身も何度か富山師の演奏を拝見したことがありますが、唄と三弦の聞かせどころでは割りに頻繁にその様な形式を取られる事が有った様に記憶しております。
富山師の演奏はまた別バージョンも保有しておりますが、それはお筝がきっちりと演奏されてますので、近い将来にアップさせていただきます。



最後は阿部師と藤井師による三絃合奏によるものでした。九州系では藤井 昭子師のものもそうでしたが、三絃合奏による演奏が比較的多いのかもしれません。私自身が三絃による合奏が好きなので非常に楽しく聴かせてもらっています。

ありす様からは「やはり阿部桂子先生と藤井久仁江先生、いいですねえ。清琴さんに対抗するにはここまで練達の方じゃないと無理ですね」とのコメントをいただきました。富筋、九州系は雰囲気が異なりますが、それぞれに趣があり興味は尽きませんね。

梅安様からは「 どうしてもこの演奏を生で聴きたい!!(無理だっちゅーの。)」との叫びが有りました。良く理解できます。現在はなかなかこの様な演奏を実際に聴く事が難しくなりました。生には到底及びませんが、このブログが少しでもお役に立てれば幸いです。


raimund様からは「このサイトでは「段物」も「獅子物」も概ね出揃っていますし、「道成寺物」も今回で揃いました。このままずーっといくと地唄の音源辞典になっちゃいますね。このサイトがどこまで行くのか、それもまた楽しみです」とのお声を頂戴しました。あまりハッキリとしたことは自分でも良く分かりませんが、現在アップが終わったのは私の手元にある音源の約5%程度でしょうか・・・。とにかくまだしばらくは続けて行けると思います。皆様からのサポートをよろしくお願いします。


そろそろ失礼致しますが、若干気になることが・・・ このところ喜音院様やみゅうみゅう様、会員第一号様、酒乱会姉御様としばらくお話しておりませんが、皆様お元気でしょうか?

それでは失礼致します。


新娘道成寺

地唄FAN管理人です。

「鐘ケ岬」に関しては皆様からたくさんのコメントをいただき本当に感謝しております。私自身はあまり詳しくないためそのお話し合いを興味深く拝見させていただくだけでしたが、皆様が活発にコミュニケーションされていらっしゃる内容はとても参考になりました。
本当にありがとうございます。

さて「次の日曜日ごろになりそうです」とお約束しておりました「新娘道成寺」をアップさせていただきます。皆様から「色々な演奏家のものを比較して聞くのはとても勉強になる」とのご意見がございましたので、その様な形にさせていただきました。 あと1つを明日追加する予定にしておりますので、今日は「暫定版」と言うことになります。


先日の「新道成寺」は富山師による演奏からはじめましたので、今回の「新娘道成寺」は九州系を先に致しました。また今までは既に鬼籍に入られたかつての「名人」の演奏ばかりでしたが、今回は若手の演奏を取り上げました。藤井 昭子師による演奏です。お弟子さんとご一緒の演奏ですが、とても若々しくみずみずしいのが印象的な演奏です。





続いて次は富山師による演奏です。「新道成寺」とはまた異なる印象をお持ちになるのではと思います。



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お約束しておりました追加の演奏をアップさせていただきます。raimund様からは「筝&三弦だと言うことないですね」と期待していただいたのですが、残念ながら今回は阿部師と藤井師による三弦合奏です。最初にアップした藤井 昭子師のお婆様 と お母様による演奏ですので九州系の演奏ということになります。今回の演奏には尺八も入っています。
唄・三絃本手 阿部 桂子師
唄・三絃替手 藤井 久仁江師
尺八 鳥井 虚霧洞師
による演奏です。


44AB01

なお 今回で「新娘道成寺」 および 道成寺ものは終了するつもりでしたが、皆様のコメントを拝見しているうちに少し考えを変えてあと2~3回ほど継続する事に致しました。ただし、中核部分は今回でほぼ完了ですし、また聴いていただいている方の中には「まだ 道成寺ものが続くのか・・・そろそろ他の曲も聴きたいのだが・・・」と感じていらっしゃる方もおられると思うので、これ以上連続することはせず、他の曲を挟みながらと言う形にしようと思います。


2010/3/24
管理人です。
本日 富山 清琴師による「新娘道成寺」の別演奏をアップ致します。以前の物は富山師による独奏部分が多くあったのですが、こちらの方はお箏も全編に渡ってきっちりと入っております。こちらの方が参考になると思われる方が多いかもしれません。
唄・三絃 富山 清琴師
箏 富山 美恵子師
による演奏です。


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また 昨日梅安様から教えて頂いた「古典のページ」から歌詞も参照させて頂きました。


2010/3/25
管理人です。
本日 荻江節の「鐘の岬」を追加致しました。地唄のジャンルからは離れますが、皆様広いお心をお持ちなのできっと受け入れて頂けるのではないかな?と思います。 「まだ暫定版」としていますが、そろそろ最終コーナーです。
それではよろしくお願いします。




2010/3/31
管理人です。 本日は「新娘道成寺」の一応の締めくくりとして、最初と同じ藤井 昭子師による演奏をアップ致します。最初の演奏と異なるのは、三弦独奏+笛(福原 徹彦師)による演奏です。笛はごく控えめに入っているので三弦本手の細かいニュアンスが良く分かるのではないかと思います。もしかするとお箏と合奏などをされるのにも良いかもしれません。
それではよろしくお願い致します。




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  Special thanks to 管理人 千 様  
    (邦楽データベース → 古典データベース) 

          http://www.eonet.ne.jp/~tngk/deta/koten/frame.html

                            (ご紹介者:藤枝 梅安様)
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新娘道成寺(しんむすめどうじょうじ)


  鐘に恨みは数々ござる。
  初夜の鐘をつく時は、諸行無常(しよぎようむじよう)と響くなり。
  後夜の鐘をつく時は、是生滅法(ぜしようめつぽう)と響くなり。
  晨朝(じんちよう)の響きには、生滅滅已(しようめつめつい)、入相(いりあい)は寂滅為楽(じやくめつゐらく)と響けども、
  聞いて驚く人もなし。
  我は五障(ごしよう)の雲はれて、真如(しんによ)の月を眺めあかさん。
  言はず語らずわが心、みだれし髪のみだるるも、
  つれないはただ移り気な、ああどうでも男は悪性な、
  さくらさくらとうたはれて、言うて袂のわけ二つ、
  勤めさへただうかうかと、どうでも女子は悪性な、
  東(あづま)育ちははすぱな者ぢゃえ。
  恋のわけ里数へ数へりゃ、武士も道具を伏せ編笠で、
  張りと意気地の吉原、花の都は歌でやはらぐ敷島原に、
  勤めする身は誰と伏見の墨染、煩悩菩提(ぼんのうぼだい)の撞木町より、
  浪花四筋に通ひ木辻の、禿立(かむろだち)から、室の早咲き、
それがほんの色ちゃ。ひいふうみいよ。
  夜露雪の日、下関路(しものせきじ)を、共にこの身は馴染重ねて、
  仲は丸山、ただ丸かれと、思ひ染めたが縁ぢゃえ。

解説
[調弦]
三絃:本調子-三下り-本調子

[作曲]
不明(石川勾当?菊岡検校?)
箏手付け:宮原検校(中空調子)
     本田勾当・葛原勾当・米川琴翁なども。

[他]
京風手事物。三下り端唄
「娘道成寺」に手事を補い、本調子手事物に改めたもの。原曲と区別するために「新」を冠する。
「古鐘が岬」の詞章を縮約して手事を補った形になることから「新鐘が岬」、山田流では「鐘が岬」という。
「鐘に恨みは数々ござる」と出るが、道成寺縁起譚などとは無関係。


インターネット上で見つけた歌詞の解説サイトです。こちらはリンクして参照頂くのが良いのではと思いますので、URLを掲載させていただきます。(山戸 朋盟様のHPより)
http://www2u.biglobe.ne.jp/~houmei/kasi/shinmusume.htm


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鐘ケ岬 (山田流)

地唄FAN管理人です。

現在「新娘道成寺」の準備を進めておりますが、もう少々お時間を下さい。

昨日は山田流出身のみゅうみゅう様からコメント頂きました。そんなこともきっかけで本日は同趣旨の山田流の「鐘ケ岬」をアップ致します。私はほとんど山田流には知識もなく何もコメントすることは出来ませんが、聞く限りでは「新娘道成寺」そのものの山田流による演奏と考えた方が良いと思います。「新娘道成寺」をお待ちの皆様にはちょっと肩すかしの感があるかもしれませんが、お聞き頂ければ幸いです。
演奏者に関する情報なども失ってしまいましたので、これ以上記載することが出来ません。スミマセン。

みゅうみゅう様ならばどなたの演奏によるものなのか?がお分かりになるのではと期待しております。可能で有ればコメントよろしくお願い致します。


20AB02


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みゅうみゅう様 「新道成寺」お聞きいただき有り難うございます

地唄FAN 管理人です。

みゅうみゅう様 「新道成寺」をお聞きいただき有り難うございます。また、曲との出会いもコメントいただき興味深く拝見しました。良い曲・良い演奏との出会いは貴重だと思います。随分昔のことなのに昨日のように思い出されることも多いです。しかしながら、その様な曲や演奏がなかなか聴けない昨今は、ある意味で大変だなと思います。ましてやみゅうみゅう様のように「不思議な魅力を感じていて、今でも口ずさめる」程の曲がなかなか聴けないのでは尚更です。その意味ではこのブログで「新道成寺」と再会していただくことが出来て良かったです。

貴重な譜面を再度引っ張り出して、是非演奏してみてください。今後も宜しくお願いします。


raimund様 アドバイス有り難うございます

raimund様 へ

管理人です。早速のアドバイス有り難うございます。


Ads by Googleについて。プレミアムオプションなどで有料会員にならないと自分では消せないんですよ。
(無視するしかないですね。)

>管理人
そうですかぁ・・・ 画面に自分が意図したもの以外がうるさく出てくるのには納得がいかない感じがしますが、仕方ないですね。raimund様のアドバイスのように「無視する」ことにします。



PDFにつては普通のhtmlファイルへのリンクのように、pdfファイルをリンク先に指定すれば大丈夫です。でも
アップロードできるファイル形式はが.GIF .JPG .PNGのみというところもあるので、一度自分のページで試してみては?だめならpdfファイルを自分のパソコンで開いて、その画面をスクリーンショットで撮って画像に加工してアップロードするとか、pdfファイルがアップロード可能なサーバ(HPスペース)を借りて、そこで公開用ページを作成するなど方法はあります。

>管理人
なるほど。イメージはつかめました。少しこれをきっかけに研究してみます。HPスペースを借りてと言う手もあるのですね。今の自分にはちょっと敷居が高いですが、調べてみます。



アップロード曲が増えてきた時に曲だけをまとめて載せたページを作って、そのページにリンクを張るようにすればとても見やすいページができると思います。

>管理人
貴重なコメント有り難うございます。自分で見ていても既に「曲が探しにくいなぁ」と感じています。こちらの具体的なやり方はまだ良く分からないですが、研究してみます。
実はちょっと試してみようと思ったのですが、ブログの途中 (例えば 「八島」 「越後獅子」の所) にどの様にして直接リンクを貼ったらよいのかが今ひとつ判然としなくて、止めてしまいました。
考えてみればこのブログは「ふんどし」の様に縦長で途中のリンクをどの様にしたら出来るのかがあまりよく分からないのです。スミマセン。


実はビッグローブ側の制限と思うのですが、音楽ファイルの容量が1曲最大20MB程度の様なのです。これだとMP3で15分くらいの物は大丈夫なのですが、それ以上の大きな曲になるとビットレートを下げて20MB内に納めています。要は皆様に「本来の音質で聞いて頂けていない」と言う状態に若干申し訳なさを感じております。大曲に類する物は全部がそういう状態だと考えて下さい。オリジナルのソースがLP あるいは 一部 現場での録音 ですので、CDクオリティは必要ないのかもしれませんが、でも申し訳なさは残ります。
この辺も独自のHPを立ち上げてやれば解決するのかもしれませんが、まだそこまで知識が無くてどうして良いのかは本当には分かっておりません。

こんな状況でしばらくはこのまま続けて行くことになりますが、「こうやれば良いのでは?」とアドバイス頂ける様でしたらよろしくお願いします。

みゅうみゅう様 「残月」へのコメント 有り難うございました。

みゅうみゅう様へ

管理人です。
お久しぶりです。「残月」お聞きいただき有り難うございます。しかもとても気に入って頂けた様子で本当に良かったです。現在はブログを少し修正して、富筋と九州系がすぐに聞き比べることが出来るように並べてアップしてあります。よろしければ両方ともお聞き下さい。

最近はコメントして下さる方も増えて、この地唄FANも次第に充実してきております。みゅうみゅう様からもまたコメントをいただけるように今後も頑張っていきますので、よろしくお願い致します。



以下はみゅうみゅう様からのコメントです。
----------------------
なんと優雅なんでしょう!
涙が出るほど素敵です。こんなに素晴らしい演奏は 今まで聴いたことがありません。

raimund様 花粉症 お気の毒です

>管理人です 
raimund様 コメント有り難うございました。花粉症ですかぁ・・・ 本当に同情します。一年で最も気持ちの良い季節なのに、花粉症に悩まされるとは・・・早く回復されることを祈ってます。私はまだコップが溢れていないのか、今年も何とか花粉症とは無縁で過ごせそうです。


今朝はまず新道成寺をあらためて聞きなおした後、お気に入りの八島や越後獅子を聞いていました。何度聞いてもいいですね。

>管理人 
いやぁ!! 嬉しいです。そんなに聞き込んでいただけるとは!! 「新道成寺」 「八島」 「越後獅子」 確かに何度聞いても良い演奏だと思います。



今京都では「伝統産業の日(週間)」

>管理人
ほー!! そんな日があるのですね。流石は京都って感じですねぇ。「着物を着ていれば公共機関はただ」と言う単純(乱暴?)な理解でよいのですか?でも私などは着物なんてもう何処に行ってしまったやら・・・ 探すのが大変な状態です。



今ちょうど「ゆき」を練習していました。あまり端唄物は習ったことがなく、「鶴の聲」に続き2曲目です。ありすさんのリクエスト「新ムス」などが終わったら、珍しい端唄物などもありましたら、聞かせてもらえますか? 


>管理人
「ゆき」ですかぁ。素晴らしいですね。地唄端唄物の代表曲中の代表曲ですね。この地唄FANにはまだ「ゆき」はアップしていませんが、raimund様は普段どなたの演奏をお聴きなのでしょうか?「ゆき」のアップまでにはまだ随分時間がかかるかも知れませんが、参考にさせて下さい。宜しくお願いします。

ありす様からのご要望 よーく理解出来ます

ところで、なんだか「道成寺」シリーズが聴きたくなってきました。「娘道成寺」と「新娘道成寺」にいい演奏をお持ちでしたら、お聴かせ願えませんか?

>管理人
本日 ありす様のコメントで上記のご要望を頂戴しました。そうですよねぇ。「古道成寺」 「新道成寺」と聞いてくれば「新娘道成寺は?」と思われるのは当然の流れと思います。山田流にも「鐘ケ岬」という同趣旨の曲が有ります。折角始めた道成寺シリーズですから一応 完結的なところまでは持っていきたいなと思っておりますが、もう少々お待ち下さい。

今週はちょっとバタバタしておりますので、次のアップは週末(恐らく日曜日くらい)になると思います。お待たせして申し訳有りませんが、宜しくお願いします。皆様からのコメントにはなるべくこまめにレスポンスしようと思います。

宜しくお願いします。

raimund様 梅安様 楽しそうですね

管理人です。

raimund様 梅安様 コメント有り難うございました。
定期宴会(最初は定期演奏会かと思ってました)楽しそうですねぇ。羨ましいです。その様なことが出来る居酒屋が有るところが素晴らしいです。しかしそこで演奏される曲が 「六段」 「八千代獅子」 「夕顔」の類でなくて、「石橋」 「新娘道成寺」 「涙そうそう」等というのが凄い!! もっとも「涙そうそう」を地唄三弦でお弾きになると言う発想は若い方でないと出てこないですねぇ。(妙に感心しました)
急遽「新道成寺」も追加されたのでしょうか? それも普通あり得ないですねぇ。(大体 その曲を持っていないでしょうし、そもそも知らないかも・・・)


今回は残月でお世話になった阿部桂子サンということで、いまや僕は九州系の演奏者のとりこです~。 井上道子サンも大ファンになりましたしネ。 (八島サイコー。)

>管理人
raimund様は九州系地唄の演奏が好きになられた様ですね。これからも色々とアップしていきますので楽しみにしておいて下さい。



使っていらっしゃるスコアが僕の演奏したものと同一な物のようで、親近感がありました。(清琴さんのは一部異なってました。)

>管理人
そうなのですか。しかしこのブログをお読みの他の方(梅安様は別ですが)はもしかすると、raimund様がお持ちの楽譜の方にも興味を持っておられるかもしれませんね。なかなか手に入らない類の楽譜も随分お持ちのようですし。無断でという訳にはいかないと思いますが、先生の許可を得てその様なことが出来たら素敵なのですが・・・



こんばんは、梅安です。 「新道成寺」の別バージョンがあるぜーということで、また聴かせていただきました。折目正しい演奏にこの曲の可能性を垣間見た思いがします。解釈もひと様々ということですね。
今日はこれより春の定期宴会を催す予定です。

>管理人
梅安様にも阿部師の「新道成寺」を聞いて頂けて良かったです。
しかしそれにしてもこの定期宴会 楽しそうですねぇ。
私も大昔自宅で随分仲間と合わせましたが・・・・もうそれから随分時間が経過してしまいました。

それでは一旦失礼します




ありす様 「新道成寺」(阿部師)へのコメント有り難うございます

管理人です。

ありす様 阿部師の「新道成寺」へのコメント有り難うございます。

管理人さん、連日のアップお疲れ様です。

いや、まいりました、というほかありません。さすがに阿部桂子先生、見事に九州系の様でにこなしておられます。
「私たちはこう演奏しなさい」とおっしゃっているかのように感じられ、まさしく正座です。

>管理人
きっと阿部師もありす様にその様に感じていただいて喜んでおられると思います。富筋とは随分印象が異なりますが、どちらが良くてどちらが悪いという事ではなく、それぞれに素晴らしいですからねぇ。



九州系では、唄も器楽的ではありますが、「暮れ初めて鐘や、響くらん」のところで器楽がテツテツテツテツとやるのが、まさしく鐘の響き。大阪系が語りに一日の長あれば、九州系は器楽にやはり一日の長あり、という感じです。

>管理人
私もあの部分はとても印象的な演奏だと思います。「テツテツ・・・」とお書きになっておられるところを見ると、ありす様もご自分で三弦を演奏される方の様にお見受けします。それも九州系なのですね。raimund様や梅安様が京都の流儀で演奏されている様ですので、この地唄FANブログも色々な方に聞いて頂けて幸せです。大阪(菊筋)の方や、名古屋の方、東京の方々も入ってきていただけるともっと活発になりそうで楽しみです。




管理人さんが特に私の名を挙げてくださったのもなるほど、納得です。参りました。弘法筆を選ばず、名人曲を選ばず、ですね。こういった曲では大阪系の方には絶対に敵わない、と頭からあきらめていたところがありますが、とんでもないことでした。

>管理人
ありす様ご自身は九州系でおられながら、富筋の演奏も受け入れる事の出来る広いお心をお持ちなのが印象的でした。そんな中私自身が保有している阿部師(九州系)の演奏も早めにお聴きいただくのがよいのではと急遽アップ致しましたが、お役に立てたようで良かったです。



こうして、同じ曲を色々な演奏様式、しかも名人の演奏で聴き比べるというのは、もう、言葉で言い尽くせないくらい勉強になります。

>管理人
そういう趣旨でお聞きいただけるのは、私もとても嬉しいです。特に この地唄FANブログをご覧になって、その様な気持ちになられたとしたら本当に良かったです。ありす様の周辺にもきっと熱心な方がおられると思いますが、よろしければ、その様な方々にもこのブログをご紹介いただき、またその方々からもコメントを頂戴出来れば有り難いです。色々な意見をお持ちの方のコメントを拝見することで、より興味がわいてくるのではと思いますので、なにとぞよろしくお願い致します。





皆様へ 早速のコメントありがとうございました

管理人です。

お休みのところ皆様にコメントいただき本当にありがとうございます。

阿部 桂子師の演奏も皆様に前向きに捕らえていただき良かったと思います。富山師、阿部師の演奏はともにそれぞれの味わいがあり、どちらが絶対的に良いとは言えないと思っておりましたところ、皆様も同様の感想をお持ちになられたようですね。一つの曲でも演奏家それぞれが工夫を凝らして演奏してくださることで、色々な面を見せて貰うことが出来ると言うことなのでしょう。両師に感謝感謝です。

お三方への個別レスポンスはまた別途させていただきますが、取り急ぎコメントへの御礼を申し上げます。
本当にありがとうございました。

新道成寺

管理人です。

皆様からコメントを頂戴してとても嬉しく、感激したのと、ありす様からのコメントに触発されて 今回は「新道成寺」の別演奏をアップさせていただきます。阿部 桂子師 (お箏は恐らく藤井 久仁江師)による演奏です。

実は先日アップした「新道成寺」も単に曲名だけではなく後に(富山 清琴師)と付記しておりました。以前raimund様からご依頼いただいたときに「何曲か保有しております」と記載致しましたので、後から見て判別しやすいように曲名に加えて演奏者も付記致しました。

初めて同一曲で演奏者の異なるものを連続してアップさせていただきます。
皆様はどの様な感想をお持ちになるか楽しみです。それでは一旦失礼致します。
唄・三絃 阿部 桂子師
箏 藤井 久仁江師
による演奏です。


31AB02

皆様のコメントに対する返信もブログ本体?に書き込むようにしたため、曲の場所が若干分かりにくくなっていまいスミマセン。今回 「新道成寺」を連続してアップいたしましたので、ここではすぐに聞き比べて頂けるように両方を合わせてアップするように変更しました。
唄・三絃 富山 正琴師
箏 富山 美恵子師
による演奏です。


20AB03



このたびありす様からのご好意で、歌詞・解説部分が補われました。本当に有難うございます。
本件は 富山 清琴師の演奏部分にも合わせて反映させていただきます。

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
 
 Special thanks to ありす 様  
                        2010/4/4
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花の外には、松ばかり。暮れ初(そ)めて鐘や、響くらん。
暮れ初めて鐘や響くらん。鐘に恨みがかずかず御座る。
先ず初夜の鐘を撞く時は、諸行無常と響くなり。
後夜(ごや)の鐘を撞く時は是生(ぜしょう)、滅法(めっぽふ)と響くなり。
晨鐘(じんじょう)の響きは。生滅(しょうめつ)、滅已入相(めついいりあい)葉、
寂滅(じゃくめつ)、為楽(いらく)と響けども、我は五障(ごしょう)の雲晴れて、
真如(しんにょ)の月を眺め明(あか)さん。
道成卿(みちなりきょう)は承(うけたまは)り。
初めて伽藍立花(がらんたちばな)の。道成興行(みちなりこうぎやう)の寺なればとて、
道成寺(だうじゃうじ)とは、名づけたり。
山寺の春の夕暮れ見れば、入相の鐘に花や散るらん。入合(いりあひ)の鐘に花や散るらん。
去るほどに、去るほどに、寺々の鐘。月落ち烏啼いて霜雪(しもゆき)天に満汐(みちしほ)、
程無く日高の寺々の。江村(こうそん)の漁火(ぎょくわ)も愁(うれ)ひに対して、
人々眠れば、よき隙ぞとて、立ち舞う様(やう)にて覘(ねら)ひよつて、撞(つか)んとせしが、
思へば此の鐘怨めしやとて、竜頭に手をかけ飛ぶよと見えしが、引き担(かづ)いてぞ失(う)せにける。

<作曲者>
二世杵屋長五郎・芳沢金七
改調:杵屋六次郎


<曲種・調弦> 
二上り芝居歌物。謡物。

<作詞>
不詳

<初出>
1781年刊『新大成糸のしらべ』


道成寺の説話は元亨釈書からのものである。
天音山道成寺は天武天皇の勅願によって大宝元年に建立した寺と言われている。
この説話は毎年仏道修行のため東北から高野山に来る安珍という青年僧があり、
来ては日高川の近くの「まなごの庄司」に宿泊することにしていた。
庄司には清姫という娘がいて安珍に懸想していた。安珍は清姫の情熱を怖れて夜半追げ出し、
日高川を渡り、道成寺の釣鐘の中に身を隠した。
清姫は狂気のあまり大蛇と化し、日高川の激流を渡り、
安珍の隠れた釣鐘を七巻半まきついたところ、熱の為に鐘も山伏も熔けて消えうせたという話である。 謡曲の道成寺はその後日物語で、釣鐘再建の初日に清姫は白拍子になって現れ、釣鐘を落としてしまう。僧達の経文によって白拍子は蛇身となって日高川に退散ということになる。
地唄はこの謡曲の一部の歌詞をそのままうたっているものである。



「地唄FAN」は地唄の音楽事典としてお使い頂くことを目指してます。
以下から一覧表をご参照下さい。

作曲者別一覧表      五十音順一覧表      演奏者別一覧表

ありす様 「新道成寺」へのコメント有り難うございます

管理人です。

ありす様 「新道成寺」へのコメント有り難うございます。
皆様の積極的なコメントの後押しで、今週は毎日更新することが出来ました。皆様へのコメントには以前はコメント欄でレスポンスすることにしておりましたが、少し方針を変えて本文で記載させていただくように致しました。以前の形式に比べて曲そのものを探しにくくなってしまったかなとも思いますが、しばらくはこの形式で続けさせて下さい。またご意見など御座いましたら遠慮無く教えて下さい。よろしくお願い致します。


「新道成寺」は実は初めて聴くのですが、最初に聴く演奏が清琴さんというのは良かったのか悪かったのか、今後この作品はめったなことでは満足できなくなってしまいました。

>管理人
なるほどぉ 分かるような気がします。この富山清琴師の演奏は本当に立派ですからねぇ。しかし考えてみれば最近は富山師の演奏によるものが多いような気がしますし、ありす様からのこのコメントを拝見して、あまり富山師の演奏に染まりすぎない内に他の演奏も聴いていただいた方が良いかもしれないと思い、「新道成寺」をもう一つ急遽アップすることに致しました。



それにしてもこういう作品はやはり大阪の方の独壇場ですね。富筋は特に歌詞が聞き取りやすく、こういう歌詞の作品では一番でしょう。

>管理人
「歌詞の聴き取りやすさ」という面ではまさにその通りと思います。私も全く同感です。従って、少し演奏の雰囲気の異なるものをアップさせていただきます。富山師の演奏とは明らかに異なるとは思いますが、これはこれで有りかな?と思わせてくれる演奏です。
是非ともお聞きいただければと思います。



くりかえしますが、本当に管理人さんには感謝です。

>管理人
その様に仰っていただけると本当に有り難いです。励みになります。今後ともよろしくお願い致します。

raimund様 「新道成寺」へのコメント有り難うございました

管理人です。
raimnd様 早速コメントしていただき本当に有り難うございます。週末に間に合って良かったです。

凄い!凄すぎ!です。
ビールを飲みながら聞き始めましたが、あやうくこぼしそうになりましたよ~。曲が終わる頃は正座して聴いてましたっ!

>管理人 
こんなに感激して下さるなんて、こちらも感激です。「終わる頃には正座してました」とのことですが分かるような気がします。私もずっと大昔にそれに似たような経験を何度かしています。その曲が何であったかも明確に覚えていますので、その曲をアップするときには私も同じ様なコメントを記載するのではないかなと思います。



清琴さんはもう完全に自分の世界入っちゃってますね、没入状態→(≧ω≦;)昇天ですね。
でもこんな素敵な演奏に巡り会えたことに感謝です。この演奏のいいところを盗みたいと思います。

>管理人
良い演奏を感激しながら聴くのはとても自分の糧になることだと思います。「良い所を盗みたい」と言うのは良いですねぇ。全くジャンルは異なりますがゴルフの石川遼プロも「世界のトッププロを見て良いところを盗んで」あんなに素晴らしく成長しているようですから、その様に上達して行こうという気持ちを持つことはとても大事なのだと思います。



それにしても不思議ですよね、名人級の人が演奏すると、日頃聞いている演奏とは何かが違う気がします。お決まりの三曲演奏ではないです。

>管理人
raimund様からこの様なコメントをいただいて、きっと演奏者の方々も喜んでおられると思いますよ。


ではまたビールのも。良い週末を。

>管理人
有り難うございます。 でももう少しするとraimund様の今週末は忙しくなってしまうかも・・・
お楽しみに


藤枝梅安様 はじめまして よろしくお願い致します

地唄FAN管理人です。

藤枝梅安様 はじめまして。ようこそいらっしゃいました。 大歓迎です。レイモンド様の三味線友達でいらっしゃるとのこと。ご紹介下さったレイモンド様にも御礼申し上げます。

私はレイモンドのようになんでも弾くタイプではなく、
琴も弾きません。お三味線だけですが、新道成寺は初めて彼と合わせた思い出の曲です。

>管理人
藤枝梅安様はお三味線をお弾きになるのですね。お箏から始める方が多い中、三味線だけをお弾きになるとのこと。周りにもその様な方は多いのでしょうか。「新道成寺」をレイモンド様と初めて合わされたとのこと。とても素敵ですね。


この演奏を聴くに及び、別の意味でまた勉強になりました。すがすがしい演奏ですね。特に我々初心者はこうした本当のプロの演奏をもっと聴くべきですね。

>管理人
そう思って下さることはとても嬉しいです。しかしその様に考えたとしてもなかなか生の演奏に接することも難しく、また昔出ていた音源にもアクセスが困難になってきているのが昨今の状況です。この「地唄FANブログ」はほんのささやかな活動ですが、私が先輩から頂戴し現在は単に死蔵している音源を皆様のような熱心な方に聞いて頂き、少しでもお役に立てることが出来れば幸いです。



新道成寺の録音を聞いていたらまた練習したくなってきました。またゆっくり別の曲も聴かせていただきます。

>管理人
こんな嬉しい反応をお聞かせ頂けるとは!!有り難うございます。ぜひぜひ練習していただき腕を上げて下さい。このブログに登録されている曲数はまだまだ少ないですが、これからも充実して参ります。藤枝梅安様も色々と気軽にコメントを書き込んで下さると有り難いです。
また他のご友人の方にもご紹介いただけたら、こんなに嬉しいことはありません。今後とも末永くよろしくお願い致します。

raimund様 京都御所で練習ですか!! 究極ですね!

管理人です

raimund様 コメント有り難うございます。
それにしても京都御所で練習とは・・・凄い!さすが京都在住ですね。
お待たせしていた「新道成寺」もアップしましたので、お楽しみ下さい。


次やるならこの越後獅子か有馬獅子を先生にお願いしたいと思います。 有馬獅子はこのサイトではじめて知って聞いていたら、大好きになりました。(宴会とかにも合いそうなので、これは使える!と、まぁそんな感じで・・・。)

>管理人
「有馬獅子」を大好きになって下さったとのこと。とても嬉しいです。「有馬獅子」はなかなか今では聞くことの出来なくなってしまった曲の範疇ですから、その曲をこのブログを聞いてくださって好きになったと言うことは、若干でもこのブログがお役に立てた事でもありとても嬉しく思います。大げさに言えば峰崎勾当にも若干恩返しが出来たかななんて・・・(言い過ぎか・・・)


井上道子さんって何者なんでしょうか

>私も詳細は存じませんが、九州系地唄の三弦の名手として 太田里子師、阿部桂子師と並ぶ名人と伺っております。私の大好きな演奏家の一人です。(考えてみれば何の説明にもなってませんね・・・笑い)

三味フレ(三味線フレンド)と京都御所の芝生の隅で一緒に練習していたら、いつの間にか人が集まってきて、めちゃくちゃ恥ずかしかった覚えがあります。自分が弾いてて楽しきゃOKということで。

>「三味フレ」ですかぁ! 良いですね。その「三味フレ」の方々にもこのブログがお役に立てればよいですが・・・何かコメントして下さるように勧めて頂けると嬉しいです。
京都御所で練習しているというのが何とも凄いですね。まさに京都ならではって感じです。嬉しい書き込みを有り難うございました。

喜音院様 「新青柳」へのコメント有り難うございました。

地唄FAN管理人です。

喜音院様「新青柳」に関するご丁寧なコメント 本当に有り難うございます。私などとは聞いているレベルが違うなぁ・・・と本当に教えていただくことが多いです。
このブログをお読みの皆様にも是非とも喜音院様のコメントをお読みいただければと思います。きっと何か得るところが有ると思います。

「新青柳」の項に「箏は山田流 中能島 欽一師では」と記載いたしましたが、若干疑問を持っておりました。先輩に確かめましたところ 中能島 慶子師とのことでした。

新道成寺(富山 清琴師)

地唄FAN管理人です。

お約束しておりました「新道成寺」をアップ致します。今回は富山 清琴師演奏のものを取り急ぎアップ致します。小曲ですが面白いですね。
ちょっとバタバタしており来週にずれ込んでしまうかなと焦ってましたが、何とか早めにアップする事が出来て一安心です。
今後とも宜しくお願いいたします。






このたびありす様からのご好意で、歌詞・解説部分が補われました。本当に有難うございます。
本件は 阿部 桂子師の演奏部分にも合わせて反映させていただきます。

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
 
 Special thanks to ありす 様  
                        2010/4/4
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花の外には、松ばかり。暮れ初(そ)めて鐘や、響くらん。
暮れ初めて鐘や響くらん。鐘に恨みがかずかず御座る。
先ず初夜の鐘を撞く時は、諸行無常と響くなり。
後夜(ごや)の鐘を撞く時は是生(ぜしょう)、滅法(めっぽふ)と響くなり。
晨鐘(じんじょう)の響きは。生滅(しょうめつ)、滅已入相(めついいりあい)葉、
寂滅(じゃくめつ)、為楽(いらく)と響けども、我は五障(ごしょう)の雲晴れて、
真如(しんにょ)の月を眺め明(あか)さん。
道成卿(みちなりきょう)は承(うけたまは)り。
初めて伽藍立花(がらんたちばな)の。道成興行(みちなりこうぎやう)の寺なればとて、
道成寺(だうじゃうじ)とは、名づけたり。
山寺の春の夕暮れ見れば、入相の鐘に花や散るらん。入合(いりあひ)の鐘に花や散るらん。
去るほどに、去るほどに、寺々の鐘。月落ち烏啼いて霜雪(しもゆき)天に満汐(みちしほ)、
程無く日高の寺々の。江村(こうそん)の漁火(ぎょくわ)も愁(うれ)ひに対して、
人々眠れば、よき隙ぞとて、立ち舞う様(やう)にて覘(ねら)ひよつて、撞(つか)んとせしが、
思へば此の鐘怨めしやとて、竜頭に手をかけ飛ぶよと見えしが、引き担(かづ)いてぞ失(う)せにける。

<作曲者>
二世杵屋長五郎・芳沢金七
改調:杵屋六次郎


<曲種・調弦> 
二上り芝居歌物。謡物。

<作詞>
不詳

<初出>
1781年刊『新大成糸のしらべ』


道成寺の説話は元亨釈書からのものである。
天音山道成寺は天武天皇の勅願によって大宝元年に建立した寺と言われている。
この説話は毎年仏道修行のため東北から高野山に来る安珍という青年僧があり、
来ては日高川の近くの「まなごの庄司」に宿泊することにしていた。
庄司には清姫という娘がいて安珍に懸想していた。安珍は清姫の情熱を怖れて夜半追げ出し、
日高川を渡り、道成寺の釣鐘の中に身を隠した。
清姫は狂気のあまり大蛇と化し、日高川の激流を渡り、
安珍の隠れた釣鐘を七巻半まきついたところ、熱の為に鐘も山伏も熔けて消えうせたという話である。 謡曲の道成寺はその後日物語で、釣鐘再建の初日に清姫は白拍子になって現れ、釣鐘を落としてしまう。僧達の経文によって白拍子は蛇身となって日高川に退散ということになる。
地唄はこの謡曲の一部の歌詞をそのままうたっているものである。


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以下から一覧表をご参照下さい。

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raimund様 「残月」へのコメント有り難うございました

管理人です。

raimund様 「残月」へのコメント有り難うございました。


聞きましたよ~。^ω^
今回の聞いてたら、あれ前回のはどんな演奏だったっけと気になり、前回のを聞き直したりしていたら、日にちが変わってしまいましたよ。
個人的には今回の方が好きですね。尺八がいいと思います。三絃を引き立ててるというか、味わいがあります。
こうやっていろいろの曲を聴いてると、演奏者の力量で曲もだいぶ雰囲気が変わるのですね。お三味線のツボ外してる場合じゃないや(私です。)( _ _ )..........oガク
ここまでくるには、きっとたくさん練習しはったんでしょうね~。

>日付が変わるほど2つの演奏を聴き比べてくださったとのこと。その姿が目に浮かんできて思わず嬉しくなってしまいました。その様に熱心に聞いてくださる方がいらっしゃるのは本当に嬉しく思います。これからも頑張ってアップしていきますね。
「それならば次の新道成寺を早くアップしてよ!!」と思っておられるでしょうが、もう少々お待ち下さい。宜しくお願いします。
一旦失礼します

残月

皆様お元気でお過ごしですか?

本日分として取り急ぎ、「残月」をアップ致します。富山清琴師の演奏によるものです。

みゅうみゅう様も楽しみにしておられる様子でしたので、予定を繰り上げてアップすることに致しました。
唄・三絃 富山 清琴師
箏 米川 敏子師
尺八 青木 静夫師
による演奏です。



08A02

なお2009年6月17日には三弦合奏での残月をアップしておりますので、そちらも合わせてここでお聞きになれるようにここにも貼り付けておきます。(演奏は阿部桂子師によるものです)



03A01

阿部 桂子師、藤井 久仁江師、鳥居 虚霧洞師による別演奏の「残月」をアップ致します。(2010/7/7)



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  Special thanks to 管理人 千 様  
    (邦楽データベース → 古典データベース) 

          http://www.eonet.ne.jp/~tngk/deta/koten/frame.html

                            (ご紹介者:藤枝 梅安様)
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残月(ざんげつ)


  磯辺の松に葉隠れて、沖の方へと入る月の、
  光や夢の世を早う。覚めて真如の明らけき、
  月の都に住むやらん。
  今は伝てだに朧夜の、月日ばかりは廻り来て。


月は磯辺の松に隠れて見えないが、沖の方にと次第に移ってゆく。早世した亡き人の一生は、儚い夢のようなものであった。しかし、人間は誰でも必ずや仏の世界に行くという理を悟ってみれば、個人は今は西方弥陀の浄土に住んでいることであろう。忌日ばかりは徒に廻ってくるがたよりは何もない。まことに哀悼の情にたえないものがある。

解説
[調弦]
三絃:本調子
箏:低平調子

[作曲]
峰崎勾当

[作詞]
不詳

[他]
本調子手事物。「シマ三つ物」「芸子三つ物」の一つ。
手事は五段からなり、チラシがつく。
初段と二段、三段と四段は同拍数で段合わせが可能。
箏の手は各地で様々あり、京残月、大阪残月などの区別がある。



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新青柳

皆々様へ

地唄FAN管理人です。
本当に久しぶりに新しい演奏をアップ致します。
皆様の励ましに感謝します。

本日は富山 清琴師による演奏です。
演奏者の詳細情報を無くしてしまっているので、お箏を弾かれている方が誰なのかがはっきり分かりません。山田流の演奏と思います。私の感では「中能島 欣一師」なのではと思いますが、一唄も歌われておられないのが不思議です。他の方なのかもしれませんが、あの時代で富山師が山田流の方と合奏されるのは中能島師くらいと思います。

後日になりましたが、このお箏の演奏は「中能島 慶子師」と分かりましたので、追記させていただきます。



08A01

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  Special thanks to 管理人 千 様  
    (邦楽データベース → 古典データベース) 

          http://www.eonet.ne.jp/~tngk/deta/koten/frame.html

                            (ご紹介者:藤枝 梅安様)
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新青柳(しんあおやぎ)


一 されば都は花盛り、大宮人の御遊にも、蹴鞠(しゆうきく)の庭の面、
  四本の木蔭枝垂れて、暮に数ある沓(くつ)の音、柳桜をこきまぜて、
  錦を飾る諸人の、華やかなるや小簾(こす)のひま。
  洩れくる風の匂ひ来て、手飼ひの虎の引き綱も、
  長き思ひの楢の葉の、その柏木も及びなき、恋路はよしなしや。

二 これ老いたる柳の色の、狩衣も風折も、風に漂(ただ)よふ足もとの、
  たよたよとして、なよやかに、立ち舞ふ振りの面白や。
  げに夢人を現にぞ見る。げに夢人を現(うつつ)にぞ見る。


1.都は今や春の桜の花盛りである。殿上人たちの蹴鞠の御遊びのときにも、庭の四方に植えられている柳、桜、楓、松の四本の木が、木蔭なす枝を垂れ、夕方には数多く蹴る鞠の音が周囲にこだまする。秋の錦は山にあることは誰でも知っているが、春の錦というものが初めて分かったと詠わしめた、この華麗な蹴鞠絵。御簾の内からこれを見ている女房たちの色とりどりのこぼれて見える衣の裾など美しく華やかにみえた。風の運ぶ薫物の匂う内なる女性に、柏木衛門督はかねて恋焦がれていたが、たまたま、そのお方の飼い猫が外に逃げ出し、猫が長い引き綱を引っ掛け無理に逃げようと引っ張ったので、簾が上がってしまい御姿が見えたため、さらに長い恋の患いになったというが、柏木が及ばぬ恋をしたのは由ないと同様に、このような恋物語をするのも無益なことである。

2.このような話をする私は柳の老木の精ですが。と言って、柳色の狩衣や風折烏帽子の姿で、僅かな風でふらつく足もとで、たよたよとはしてはいるが、しなやかに舞う姿は面白い。実に夢の中で見た人を、実際に今ここでみているようである。

解説
[調弦]
三絃:本調子-二上り-高三下り
箏:半雲井調子-平調子-中空調子

[作曲]
石川勾当
箏手付け:八重崎検校

[作詞]
謡曲「遊行柳」のクセの部分

[他]
京風手事物。謡物。石川三つ物の一つ。
謡曲「遊行柳」の歌詞で、間に「源氏物語」の「若菜」の巻の柏木と女三の宮との出逢いの情景が重ねられる。
手事は前後二回あり、手事・中チラシ・後チラシの構成。


インターネット上で見つけた歌詞の解説サイトです。こちらはリンクして参照頂くのが良いのではと思いますので、URLを掲載させていただきます。(山戸 朋盟様のHPより)
http://www2u.biglobe.ne.jp/~houmei/kasi/aoyagi.htm


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笑顔

立秋を過ぎた頃から、逆に暑くなってきたように感じますが
皆様 お元気でお過ごしでしょうか?

今回で一旦 富崎 春昇師の演奏は最後となります。
締めは「笑顔」といたしました。
この曲は富崎師との関係で非常に有名であり、
もしかしたらお聞きになったことも有るかもしれません。

この曲に関して
「死を目前にした師匠に頼み込んで授けて貰った」
と富崎師関係の本には記載されています。

死を前にした師匠から、必死に受け取ろうとする曲が
この滑稽味あふれる曲だったと言うことが、一層
芸の伝承と言うことに対する壮絶さを感じさせます。

ただし、演奏そのものは至って洒脱で、まさに
「芸の境地に遊ぶがごとく」と言う感じです。

肴が「酒の座敷というが、肴の座敷と言わないのはけしからん」
と文句を付けて「以後肴の座敷と言おう」と言うと

酒が「とんでもないこと」と喧嘩になるが
その両方を酒器が仲裁して丸く収める

と言うたわいない内容ですが・・・
演奏のレベルと言ったら、まさに名人芸です。


07B02

しかし最近喜音院様以外の方からのコメントがないですねぇ。
皆様暑気あたりでもされていないと良いのですが・・・


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かづき面

立秋も過ぎましたが、東北はまだ梅雨明けしていないとのこと。
天候不順ですねぇ。
しかし、この様な時はきっと残暑が厳しい様に思います。
皆様には健康に留意されて 乗り切って下さい。

本日は「かづき面」をアップ致します。

「道成寺」とは異なる形ですが、やはり「女性は怖い」のかなぁ・・・


07B03


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十三鐘

いよいよ8月に入りましたが、皆様如何お過ごしでしょうか?

今回は「十三鐘」です。
罪に問われて亡くした子供を悼む親の心情が痛いほど伝わってきます。特に後段の 「一つ 二つ ・・・ 」と唄って行く部分などは子供を持つ親の身としては、あまりに悲しく切ない思いがします。

皆様 是非ともお聞き下さい。


07A03

ありす様のご好意で、歌詞・解説など関連情報を頂戴しました。皆様 ありす様のご好意に御礼を申し上げてください。

菊原 初子師による十三鐘の演奏を追加しました。 (2016/6/5)



31AB04

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 Special thanks to ありす 様  
                        2010/4/4
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昨日は今日の一昔、憂き物語と奈良の里、この世を早く猿沢の、水の泡とや消え果ててゆく、
後に残りしその親の身は、逆様なりし手向山、紅葉踏み分け小牡鹿の 
帰ろ鳴けど帰らぬは 死出の山路に迷ひ子の、敵は鹿の巻筆にヨ、せめて回向を受けよかし。
サェ頃は、弥生の末っ方、よしなき鹿を過ちて、所の法に行はれヨ、蕾を散らす仇嵐。
サェ野辺の、草葉に置く白露の、もろき命ぞはかなけれ、父は身も世もあられうものか。
せめて我が子の菩提のためと、子ゆゑの闇にかき曇る、心は真如の撞鐘を、
一つ撞いては、独り涙の雨やさめ、二つ撞いては、再び我が子を、三っ見たやと、
四っ夜毎に、泣き明かす、 五っ命を、代へてやりたや、六っ報いは、何の鋲めぞ、
七っ涙に・八つ九つ、心も乱れ、問ふも語るも、恋し懐し、我が子の年は、
十一十二十三鐘の、鐘の響きを聞く人毎に、可愛い、可愛い、可愛いと共泣きに、
泣くは冥土の鳥かえ。

<作曲者>
湖出市十郎
山本喜市改調

<曲種・調弦> 
三下り芝居歌物

<作詞>
近松門左衛門

<初出>
1711~1716以前の刊と思われる『古今端歌大全』


作詞近松門左衛門(「歌系図」)。歌祭文「奈良の都傾城十三鐘数へ歌」とほぼ同詞章。作曲湖山金四郎作曲、山本喜市改訓(「歌系図」 )。曲種三下り芝屠歌。半太夫物とも。初出文献正徳(1711~1716)以前の刊と思われる『古今端歌大全」(増補版『吟曲古今大全」)に、「南都十三鐘」として初出。目録に、「数へ歌」と分類されるのは、歌祭文を原拠とするためか。
歌意・「十三鐘」は奈艮で六つと七つとの問についた鍾であるが、十三歳の子供が春日神社の鹿を殺したため、十三鐘がつかれる時刻に、石子詰の刑を受ける。その鐘を聞く母親の嘆きを歌ったもの。

補説・歌舞伎狂言としての原拠は未考。元禄十三(1700)年大坂岩井座所演の「南都十三鐘」に何らかの縁があるか。ただし、この狂言がこの年の初演とすると、近松作の可能性は薄い。 『元禄歌舞伎小唄番附尽』にも、「南都十三鐘」は収録されている。なお、「妹背山女庭訓」にも、同様な趣向がある。半太夫物ともされるが、「金五郎」 などと共通する三味線の手があるためか。別に、『古今端歌大全』には、「髪すき十三鐘」という替歌が収められるが、「髪すき曽我」を「十三鐘」にもじったものであり、他にも、寛延四年 (一七五一)刊『琴線和歌の糸』などに、「かはり十三鐘」という替敬も収められる。


ありす様 大変なご努力をいただき感激です。きっとここを参照される皆様もお喜びになると思います。本当に有難うございました。
今後ともなにとぞよろしくお願いいたします。


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古道成寺

皆様へ
如何お過ごしでしょうか?

喜音院様、会員第一号様から「古道成寺が聴きたい」とのご要望ですので、今回は「古道成寺」といたしました。

本当はもう少し先にと出し惜しみしていたのですが、さすがに皆様のご要望は中核の「古道成寺」となりましたねぇ。

この演奏に関しては何も言うことは有りません。私が保有する演奏の中で只1曲を選べと言われたら迷わずこれにするだろうと考えている程 大好きな演奏です。

それでは富崎師の至芸を 是非皆様 じっくりとお聞き下さい。
唄・三絃 富崎 春昇師
箏 富山 清琴師
による演奏です。


07A02

管理人です。
本日は富山 清琴師の演奏による「古道成寺」をアップいたします。師弟による同一曲の演奏ですが、それぞれに趣があって良いと思います。(2010/7/14)


20AB04

ありす様のご好意で、歌詞・解説など関連情報を頂戴しました。皆様 ありす様のご好意に御礼を申し上げてください。


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 Special thanks to ありす 様  
                        2010/4/4
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昔むかしこの処に まなごの庄司といふ者あり
かの者 ひとりの娘を持つ
またその頃 奥州よりも熊野へ通る山伏あり
庄司がもとを宿と定め 歳月送る
庄司 娘寵愛のあまりにて あの客僧こそ
汝がつまよ 夫と戯れしをば 幼な心にまことと思ひ
明かし暮らして 御在しける
その後 娘 夜更け人も静まりて 衣紋繕ひ 鬘かき撫でて
忍ぶ夜の障りは 冴へた月影 更けゆく鳥か音
それに嫌なは犬の声 ぞっとした
人目忍ぶ夜の憂や辛や せきくる胸を押し静め
かの客僧の傍へ行き いつまで斯くて置き給ふ
早く迎へて給はれと ぢっとしむれば
詮方なくも客僧は よれつもつれつ常陸帯
二重廻りに三重四重五重 七巻まいて放ちはせじと ひき結ぶ
切るに切られぬ我が思ひ お馬繋ぐは そら嘘つきよ
とても寝よなら はて諸共に 縁は朝顔 浅くと侭よ
せめて一夜は寝て語ろ 後ほど忍び申すべし
娘まことと喜びて 一間の内にぞ待ちいたる
その後 客僧は 仕すましたり と それよりも
夜半にまぎれて 逃げて行く
さいわい寺を頼みつつ 暫く息を継ぎたるところへ
娘駆け来たり ええ腹立ちや 腹立ちや
我を捨て置き給ふかや なうなう如何に御僧よ
何国までも追つかけ行かん 死なばもろとも二世三世かけ
逃すまぢとて追つかくる
折りふし日高川の水嵩まさつて 渡るべきもあらざれば
川の上下 あなたこなたと尋ね行きしが
毒蛇となつて 川へざんぶと飛び込んだり
逆巻く水に浮いつ沈みつ 紅の舌を巻きたて
焔を吹きかけ吹きかけ 難なく大河は泳ぎ越し
男を返せ戻せよと ここのめん廊 かしこの客殿
くるくる くるくる くるりくる くるくる くるくる
追ひ廻り 追ひ廻り なほなほ怨霊威丈高に飛び上がり
土を穿つて 尋ねいる 住持も今は詮方なく 釣鐘下ろし隠しおく
尋ねかねつつ怨霊は 鐘の下りしを怪しみ
龍頭をくわへ七巻き巻いて 尾をもって叩けば
鐘は則ち湯となりて つひに山伏とりをわぬ
なんぼう恐ろし物語り

<作曲者>
岸野次郎三
箏手付:市浦検校
京都では八重崎検校
また、作者不詳の手付もあり

<曲種・調弦> 
三下り芝居歌物
箏:市浦検校手付:平調子
 :八重崎検校手付:低平調子
京都には他に半雲井調子の作者不明の手付もあり

<作詞>
不詳

<初出>
1711~1716以前の刊と思われる『古今端歌大全』

『語り道成寺』・『鐘捲き道成寺』・『古道成寺』・『三下り道成寺』などとも。
謡曲『道成寺』の後段のワキの語りを原拠とする。
途中にくだけた歌詞が挿入され、描写的な間奏を含む。
正徳・享保期の成立という『古今端歌大全』に詞章初出。
箏の手付けも地域・派によって異なり、京都では八重崎検校、大阪では市浦検校作曲と伝えられるが、様々な手がある。


ありす様 大変なご努力をいただき感激です。きっとここを参照される皆様もお喜びになると思います。本当に有難うございました。
今後ともなにとぞよろしくお願いいたします。


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別世界

3連休 皆様 如何お過ごしでしょうか?

喜音院様からのコメントが少しの間無かったのでおや?と言う感じでしたが、17日の金曜日にとても詳細に記載して頂き、感謝しております。継続していく上での励みになります。しかし本当にお詳しいですねぇ。素晴らしいです。

喜音院様からのコメントの内容を踏まえれば次は 「十三鐘」 となるところなのでしょうがそれは次回以降に譲り今回は 「別世界」 にさせて頂きます。


07B04

2010/4/4
喜音院様から 歌詞・解説を頂戴しましたので追加記載させていただきます。
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 Special thanks to 喜音院 様  
                        2010/4/4
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「別世界」の歌詞と内容が分かりましたので、掲載させて頂きます。

風鈴リンのお足も取れて時の用
花を惜しむ月も由なし
ただ一人退(の)いて長者にならぬが誠
戴いていても飽きのない
大事の大事の男の名でも
入れ黒子(いれぼくろ)には様付けず
腕に滲み込む藍上がり
今奥様と言はれていたら、肥えであろうもの
コレノウ、ヤイノ、
父(とと)と嬶(かか)とで暮らすがましよ
勝山解(ほど)き洗ひ髪
長髷(わげ)やめてぼっとしょに
形も気散じ気も高う
粋も泊まりの別世界


<作曲者>
峰崎勾当

<曲種・調弦> 
本調子端歌

<作詞>
油屋茂作と近松播磨(東南)の合作。

<初出>
1801年刊の『新増大成のしらべ』


<歌詞大意>
風鈴の短冊の重りにつけた一文銭さえも使ってしまうような貧乏暮らしではあるが、腕に名前を彫ったほどの好同士の庶民的な暮らしは大変気楽で、遊女の苦界とはほど遠い別世界のようだ。好きでもない金持ちに身請けされて奥様と呼ばれるような暮らしをしていたら、この藍色の入墨のあるように肥えてはいられなかったであろう。

  <解説>

おそらく浄瑠璃の文句を地歌化したものであろう。「様付けず」は腕に彫る好きな男の名には様を付けないことによる。入れ黒子は入墨のこと。勝山は遊女勝山が結ったことに始まる贅沢な髪型で、野暮な「ほっとせ髪」に対するもの。



喜音院様、ありす様のご努力により、私の至らぬところを補っていただき、本当に有難うございます。今後ともよろしくお願いいたします。


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鳥辺山

皆様 暑くなってきましたが如何お過ごしでしょうか?

喜音院様から積極的なコメントをいただき本当に感謝しております。

本日は「琉球組」アップから一週間になりますので、お約束通り
富崎師の2番目の演奏をアップ致します。
本日アップするのは「鳥辺山」です。


07B01

この演奏もSPからの復刻で、「琉球組」よりもさらに
ザーザー パチパチと言うSP盤独特のノイズがひどいですが
その演奏の格調の高さは類を見ません。

なおSP盤と言うのは概ね3分くらいしか録音出来ない物で
この演奏は21分以上有りますので、富崎師は一曲を中断しながら
7つの部分に分けて演奏したはずです。
演奏を注意深く聴くと途中でノイズの出方が明らかに変化する
所がありますが、それが録音の切れ目です。

しかしお聞きになると分かりますが、師の演奏は少しも
よどむことなく流れており、全く気になりません。
本当に凄いことだと思います。

師の歌の素晴らしさに関してはまた触れることも有ると思いますが、
今回は特に三弦の音の凄さに関してです。
SP盤の復刻と言うことで、音は現代のデジタル録音に比べるべくもないのですが
それにしてもこの三弦の鳴りは凄い!!と思わされます。
録音技術が未熟なこの時代、歌には気を使ったとしても、
なかなか三弦の音まではここまで素晴らしく録音することは難しかったと思います。
やはりこれは芸の力なのでしょう。

先日喜音院様が書かれていた自伝に記載があったかどうかは
定かではありませんが、関西から東京に出ていった時 或いは
東京で名をなして関西に戻った時 のいずれかに 検校仲間が

「富崎の三弦の音はおかしい。あんなに鳴るはずがない。きっと電気仕掛け
(要は今で言えばエレキ三味線)が有るに違いない」

と言って、実際に触らせて貰い、何の仕掛けもないので 
「これは芸の力であったか」と納得したと言う話が出ていました。

富崎師の三弦は同業仲間が聴いても、驚くほどの物だったのでしょう。

それでは皆様 師の演奏をたっぷりとお聞き下さい。

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皆様 如何お過ごしでしょうか? この暑さにいささかバテ気味で更新を怠っておりましたが、本日は「鳥辺山」に富山 清琴師の演奏を付け加えさせて頂きます。(2010/7/30)
唄・三絃 富山 清琴師
三絃 富信 清香師
箏 富山 美恵子師
による演奏です。


21A02

地唄FAN管理人です。 このたび ありす様が「鳥辺山」に歌詞・解説を補いましたので、反映させていただきます。本当に有難うございました。
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 Special thanks to ありす 様  
                        2010/4/4
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一人来て、二人連れ立つ極楽の、
清水寺の鐘の声、早や初夜も過ぎ四つも告げ、九つ心の闇路(やみぢ)をば、
照らすや否や稲妻(いなづま)の、光りし後の暗きこそ、
我ら二人が身の上よ、今はなまなか存(ながら)へだてを、したら憂き身に愛想もこそも、
尽きた浮き世やいざ烏辺野の、露と消えんと最期(さいご)の用意。
女肌には白無垢(しろむく)や、上に紫藤(むらさきふじ)の紋、中着緋紗綾(なかぎひざや)
に黒繻子(くろじゅす)の帯、歳は十七初花(はつはな)の、雨に萎(しお)るる立ち姿。
男も肌は白小袖にて、黒き綸子(りんず)に色浅黄裏(あさぎうら)、
二十一期(にじゅういちご)の色盛りをば、恋といふ字に身を捨て小舟(おぶね)、
どこへ取り着くしまとてもなし。
鳥辺の山は其方(そなた)ぞと、死にに行く身の後ろ髪、弾く三味線は祇園町、
茶屋の山衆(やましゅ)の色酒に、、乱れて遊ぶ騒ぎあり。
あの面白さを見る時は、染殿、其方とそれがしが、去年(こぞ)の初秋(はつあき)七夕の、
座敷踊りをかこつけて、忍び逢うたこと思ひ出す。
羽織かづいて茶屋ぞめき、二瀬(ふたせ)の玉に見つけられ、迷惑するを見る時は、
其方に私(わし)が無理言うて、口舌(くぜつ)したこと思ひ出す。
祇園林の群烏(むらがらす)、かはい、かはいの声聞けば、父母(ちちはは)のこと思ひ出す、
涙に道のはかさへ行かぬ、思ふまいぞと思ひはすれど、ここぞ浮き世の別れの辻よ、
早うござれと手に手を取りて、行けど歩めど、目に見ることも、今を始めの終はりよと、
追手の者や来たらんに、さあさあ最期急がんと、烏辺野の露(と)消えて行く。
見るに二人が目にもつ涙、
じっと押さへて、これ、お染殿、思ひ切らしゃれ、もう泣かしゃんすな、
私は泣かねど、それこなさんの、
いいや、其方の、いや、此方のと、
顔と、顔とを、見合はせて、一度にわっと嘆くにぞ、
一足づつに消えて行く。
遂にこの世の春降る雪と、折りふし早や寺々の鐘も撞(つ)き止(や)み、
夜はほのぼのと、烏辺山にぞ着きにけり。


<作曲者>
湖出金四郎(湖出市十郎)
岡崎検校改調

<曲種・調弦> 
二上り芝居歌物

<作詞>
近松門左衛門

<初出>
1711~1716以前の刊と思われる『古今端歌大全』


歌詞は宝永三年(1706)、大阪岩井座ならびに京都の都万太夫座所演の
「鳥辺山心中」の道行からとっている。
この狂言は、武士菊池半九郎と祇園茶屋のお染とが烏辺山で心中したという巷説によるという。

光崎検校校閲の『絃曲大榛抄』(文政11年)に、その譜が、
正徳・享保(1711~36)期の成立とされる『古今端歌大全』に
「鳥辺山心中」として詞章が収録されている。

義太夫の「近頃河原の達引」の「堀川の段」では、
やがて心中をするお俊伝兵衛の伏線として幕明きに、
盲目の老女が子供たちにこの「鳥辺山」を教える場面がある。
そこで演奏されるのは~女肌には白無垢や~忍び逢うたこと思ひ出す」までであるが、
その時、この曲は心中物だから男と女の掛け合いでやりとりすればよい、と言って教えている。
現在の歌舞伎では、岡本綺堂作の「烏辺山心中」が、
二世左団次・二世松蔦によって大正4年上演されて以来、いわゆる新歌舞伎の代表作の一つとなり、
近年では寿海の名演が知られた。浄瑠璃は竹本で行われるが、
最後の幕切れの出語りに、この曲の前半の抜粋が利用されている。
なお、落語「出歯吉」でも「二人連れ立つ極楽の」の言葉を受けて、
この曲の一部が下座として用いられる。

「鳥辺山と時雨の松は心中道行きの文のみにて情死せしにあらず、
依って祝儀の席にも弾けり」(『皇都午睡』)

☆鳥辺山・・鳥辺野ともいい、京都の東山の西腹で、清水寺から西大谷に至る一帯をさす。
平安時代の昔から墳墓の地として有名である。


誠にありがとうございました。


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琉球組

皆様 如何お過ごしでしょうか?

本日からいよいよ富崎 春昇師の登場です。
まず第一番目は三味線組歌の第一曲目 「琉球組」です。

元々はSP時代の録音ですので、今から聴くとパチパチと雑音がひどくて・・・と仰る方もおられるかもしれませんがそこは我慢が必要です。何しろ録音が残っていて、富崎師と言う稀代の名人の演奏を現在聴くことが出来ること自体が貴重なのですから・・・

三味線組歌の起源・由来などに関しては私が解説するよりももっと詳しい資料が幾らでも入手できると思いますので、私の拙い知識での説明などは敢えて省かせて頂いた方が良いように思います。

なおこれから富崎師の演奏は7作続きますが、その間の更新は週に1回とさせていただきたいと思います。明らかにこの7作は私のライブラリでも最高峰の演奏と感じており、皆様にも出来るだけじっくり聞いていただきたいと思うからです。(管理人としての我が儘をお許し下さい)

その間皆様からの積極的なコメントを是非ともお待ちしております。何度も聞いて頂いて、同一の方から複数のコメントを書いていただけるのも大変有り難いことです。よろしくお願いします。

しかし富崎 春昇師と言うのは初めて聞くとビックリしますよねぇ。喜音院様も以前「ひっくり返りそうにびっくりした」と書いておられましたがよくよくこのコメントを読むと喜音院様は最初から

「演奏の良さにひっくり返りそうにびっくりされた」

のかも知れないなあと思っております。


私などは全くひどいもので、最初に師の演奏を聴いた時には「なんじゃ! こりゃ! これは地唄か? 浪花節じゃ無いのか?!」と思ったくらいですから、私の程度はそんなものです。(お恥ずかしい!)
富崎先生 大変申し訳御座いません。

しかし聞き込む内に次第に引き込まれ、今では最も大切に聞かせていただいてる演奏家と言う事になりました。

あまりにゴチャゴチャと書きすぎました。それでは皆様 富崎 春昇師による「琉球組」をお楽しみ下さい。


07A01

次回はまた別途ご案内いたします。

それでは一旦失礼いたします。

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
  Special thanks to 管理人 千 様  
    (邦楽データベース → 古典データベース) 

          http://www.eonet.ne.jp/~tngk/deta/koten/frame.html

                            (ご紹介者:藤枝 梅安様)
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琉球組(りゅうきゅうぐみ)


[前弾]

一 千代(ちよ)も幾千代(いくちよ)も、天(てん)に照(て)るツ月(つき)は、十五夜(じゆうごや)が盛(さか)り、
  ある君様(きみさま)は、イヨいつも盛(さか)りよノ。

二 思(おも)ひを志賀(しが)のエイ、松(まつ)の風(かぜ)ゆゑに、死(し)なで焦(こ)がるる、
  焦(こ)がるる。

三 深山(みやま)おろしの、小笹(おざさ)の霰(あられ)の、イヨさらりさらさら、
  さらさらと、したる心(こころ)こそ、よけれ。

四 嶮(けわ)しき山(やま)の、九十九折(つづらおり)の、彼方(かなた)へ廻(まわ)り、此方(こなた)へ廻(まわ)り、
  ソレくるりくるくるくると、したる心(こころ)はン、面白(おもしろ)や。

五 とろりとろりと、しむる目(め)の、笠(かさ)の内(うち)より、しむりゃ、
  イヨ腰(こし)が細(ほそ)く、なり候(そろ)よ。

  とても立(た)つ名(な)が、止(や)まばこそ、此方(こち)へお寄(よ)りゃれノウ、
  柴垣越(しばがきご)しに、物言(ものい)ふ。

六 大原木大原木(おはらぎおはらぎ)、買(か)はいカ買(か)はい、黒木召(くろぎめ)さいノ、
  ちゃうりゃうふりゃう、ソレひゅややにひゅるろ、
  イヨアラヨイふりゃう、ソレるりひゃうふりゃう。

[調弦]
本調子

[作曲]
石村検校?


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八島

皆様 いかがお過ごしでしょうか?

本日は「八島」をアップ致します。
「屋島」という字の方が正解と思いますが、何故か私のライブラリに登録する時に「八島」の字で乗せてしまってます。これが間違いだったのか、何らかの意図の元にこの字を使ったのかは良く記憶していませんが、その前提でそのまま「八島」の字でアップさせて頂きます。

演奏は 井上 道子師です。
他に富樫 教子師lなども参加された三弦合奏での演奏です。

先にアップしました「越後獅子」の演奏などでも感じますが井上師は川瀬派にしては、割に早めのテンポでお弾きになりそれが曲調に良く合致してとても魅力的だと思います。これも管理人の好きな演奏の一つです。

富筋の「八島」も保有しておりますが、こちらはむしろ語りに重点が置かれている演奏で、今回のものとは趣が異なるように感じます。この富筋の方もまた機会があったらアップしたいと思います。

なお9分15秒~37秒辺りまで左チャンネルの音が途切れてしまいますが、これはオリジナル録音時からの物で復活のしようがありません。大変申し訳ないですが、このままでお聞き頂くしかない状態です。よろしくお願い致します。


05B03

次回からは7作に渡って富崎春昇さんの演奏に入っていきます。最初はSP盤からの復刻ですが 三味線組唄の「琉球組」をアップ致します。お楽しみに。

∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
  Special thanks to 管理人 千 様  
    (邦楽データベース → 古典データベース) 

          http://www.eonet.ne.jp/~tngk/deta/koten/frame.html

                            (ご紹介者:藤枝 梅安様)
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八島(やしま)


  釣(つり)のいとまもなみの上(うへ)、霞み渡りて沖行くや、
  海士(あま)の小舟(をぶね)のほのぼのと、見えてぞ残る夕暮に、

  [合の手]

  浦風さへも長閑(のどか)にて、しかも今宵(こよひ)は照りもせず、
  曇りもやらぬ春の夜の、朧月夜にしくものはなし。

  [合の手]

  西行法師のなげけとて、

  [合の手]

  月やは物を思はする。闇は忍ぶによかよか。

  [合の手]

  うななぜ出たぞ、来(き)そ来(き)そ曇れ。

  [合の手]

  又修羅道(しゆらだう)の閧(とき)の声、矢叫びの音震動して、

  [合の手]

  今日の修羅の敵(かたき)は誰(た)そ。何(なに)、能登守範経(のとのかみのりつね)とや。
  あら、ものものしや手なみは知りぬ。

  [合の手]

  思ひぞ出づる檀の浦の、その船軍(ふないくさ)今は早や。
  閻浮(えんぶ)に

  [合の手]

  帰へる生死(いきしに)の海山(うみやま)、

  [合の手]

  一同に震動して、

  [合の手]

  船よりは閧(とき)の声、陸(くが)には浪の楯(たて)、
  月に白(しら)むは剣(つるぎ)の光、潮(うしほ)に映(うつ)るは兜(かぶと)の星の影。
  水や空、空、行くもまた雲の波の、
  打ち合ひ刺し違(ちが)ふる船軍(ふないくさ)のかけひき。
  浮き沈むとせし程に、又、春の夜の波より明けて、
  敵(かたき)と見えしは群(む)れゐる鴎、閧(とき)の声と聞えしは、
  浦風なりけり高松の、浦風なりけり高松(たかまつ)の、
  朝嵐とぞなりにける。


垂らす釣り糸の暇もなく波の上は霞渡った沖を行くと、漁夫の小舟の帆がほのぼのと見え、残る夕暮に浦風までも長閑である。
しかも今宵は照りもせず、さればといって曇りもしない、春の夜の朧月の風情にこしたものはない。
西行法師が歌に嘆けと言って人に物思いをさせようとするか、しないが、月にかこつけて物思いをさせる。
闇は人目を忍ぶのに都合がよい。
南風が吹いてきたから、さあ、来なさい、そして空よ雲れよ、修羅道の閧の声、矢叫びの音が震動して、今日の冥途の敵は誰であるか。
なに能登守範経であるか、あらいかめしいことよ。
腕前は知っている。
思い出すのは檀の浦での船軍である。
今は人間世界にと帰り来る生死の海山である。
一同に震動して、船からは閧の声、陸にあっては浪の楯、月に白く光るのは剣の光である。
潮に映ずるは兜の星の光。
水と空とは一つになって、空を行くも雲の波、打ち合い刺し違う船軍のかけひき。
浮き沈みしているうちに、春の夜は波から明けて明るくなれば、今まで敵と見えたのは群れ飛ぶ鴎であり、閧の声と聞えたのは高松の浦風であった。
高松の浦風が朝嵐となって吹くのであった。

解説
[調弦]
三絃:三下り

[作曲]
藤尾勾当

[他]
三下り謡物。
『歌系図』(1782年)に曲名が初出。
京都で木の本巴遊が弾きはやらせたという。
謡曲『八島』の詞章を適宜省略・補綴。
途中に謡曲とは無関係の世話にくだけるクドキ風の部分を挿入。
箏の手は地域・流派によって様々で、名古屋では吉沢検校、京都では八重崎検校ほかの手が知られる。大阪では菊原琴治の手などもある。
途中の一節は『西行法師は』と題して、下座にも取り入れられる。


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