飛燕曲(Hien no Kyoku)

皆様へ

管理人です。本日は富山 清琴師 演奏による 「飛燕曲」をアップいたします。



23AB04

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  Special thanks to 管理人 千 様  
    (邦楽データベース → 古典データベース) 

          http://www.eonet.ne.jp/~tngk/deta/koten/frame.html

                            (ご紹介者:藤枝 梅安様)
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飛燕曲(ひえんのきょく)


一 久方(ひさかた)の雲(くも)の袖(そで) 古(ふ)りし昔(むかし)に偲(しの)ばし
  花(はな)に残(のこ)る露(つゆ)よりも 消(き)えぬ身(み)ぞはかなき

二 夜(よ)を照(て)らす白玉(しらたま)の 数(かず)の光(ひかり)ならずば
  天津乙女(あまつおとめ)の挿頭(かざし)して 月(つき)に遊(あそ)ぶなるらん

三 紅(くれない)の花(はな)の上(うえ) 露(つゆ)の色(いろ)も常(つね)ならん
  夢(ゆめ)は残(のこ)る横雲(よこぐも) 降(ふ)るは袖(そで)の涙(なみだ)かな

四 懐(なつか)しや古(いにし)へを 偲(しの)ぶに匂(にお)ふ我(わ)が袖(そで)
  濡(ぬ)れて干(ほ)す小簾(こす)の外(と)に あはれ馴(な)れし燕(つばくらめ)

五 類(たぐ)ひなき花(はな)の色(いろ)に 心移(こころうつ)すこの君(きみ)
  現(うつつ)なき思(おも)ひこそ いとどなほ深見草(ふかみぐさ)

六 散(ち)りやすき慣(な)らひとは よそにのみ聞(き)きし身(み)も
  移(うつ)ろふは我(わ)が咎(とが) 恨(うら)むまじや春風(はるかぜ)


1.亡き人が雲のようにたなびく袖をひるがえして舞った遠い昔が懐かしい。花に残っていても、やがて消えてしまう露よりも、消え去った后の身は、はるかにはかない

2.(もし亡き人に逢う事が出来るとするなら、それは)夜光の白玉をたくさん集めた群玉山の光に逢う事が出来るような機会でなければ、天女が花を頭に飾って月下に遊んでいるのを見ることが出来るようなものだ

3.ボタンの花の上に置く露も儚いものである。夢覚めれば、暁の横雲だけが残っていて、袖には涙の雨が降っている

4.懐かしいことよ。昔を思い出すと、忍草の露が我が袖にかかったように涙に濡れてしまったが、その袖を御簾の外に干すと、そこには馴れた可憐な燕のような美人がいる

5.世に稀な牡丹の花のような美人の容色にすっかり心を奪われてしまった皇帝は、正気を失って、なおも牡丹の花のような美人に思いが深まっていく

6.花は散りやすい墓に物と、余所ごとには聞いていたが、やがて我が身にもふりかかり、寵愛が薄れていくだろうが、それは自分自身の罪で、決して春風を恨むまいよ

[別名]
清平調

[調弦]
本雲井調子

[作曲]
安村検校




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六段恋慕 (Rokudan Renbo)

本日は萩原 正吟師演奏による「六段恋慕」をアップいたします。 




34AB02


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六段恋慕(ろくだんれんぼ)


  松の枝には雛鶴巣立つ。

  [合の手]

  谷の流れに亀遊ぶ。

  [合の手]

  ながれに谷の、谷の流れに亀遊ぶ。

  [合の手]

  沖の石とは。愚かの沙汰よ、

  [合の手]

  乾く間もなき袖の海。

  [手事]

  恋ひ暮し恋ひ明かし。

  [合の手]

  松に時雨は真葛が原に恨みしに。

  [合の手]

  今はな、うれしや。

  [合の手]

  なびき逢ふ夜の、
  飽かぬ契りは千代も変らじ。



松の枝には雛鶴が巣立って飛び、谷の流れに亀が遊ぶ。
沖の石とは馬鹿げたことよ。
人には思われないで、自分ひとりが乾く間もなく、袖に涙を流して海をなし、恋い暮し恋い明かすのである。
訪れを待つ松に時雨が染めないように、片思いをするのは真葛が原と恨めしく思ったものだが、今は睦まじくなって夫婦の縁を結んで嬉しいことよ。
靡き逢う夜の飽きない約束は幾千代までも変らないであろう。


解説
[調弦]
三絃:本調子

[作曲]
岸野次郎三

[作詞]
大石うき?

[他]
本調子長歌物。手事物。
曲題は手事が六段からなることと、恋慕の情を歌った内容に由来するらしいが、あるいは恋慕物の類に共通するパターンを有することにも起因するか。
寛延期以降の歌本類に詞章が収録され『今古集成新歌袋』において『六段すががき』などとともに初めて手事物と分類されるにいたった。
京都の箏の手付けは作曲者不詳のものと、浦崎検校作曲の二種があった。
三絃替手は光崎検校作曲(二上り)と、富士岡検校作曲(本調子)という。
手事の最初の旋律は、歌舞伎下座の『恋慕合方』を経て、長歌『秋の色種』の前弾に取り入れられる。



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