笹の露

地唄FAN管理人です。

本日は「笹の露」をアップ致します。 「四季の眺」と同じ中能島 欣一師、富山 清琴師による演奏です。
「コメントはちょっと」と言う方も、気軽に「気持ち玉」の貼り付けをしていただけると有りがたいです。よろしくお願いします。
唄・三絃 富山 清琴師
唄・箏 中能島 欣一師
による演奏です。


14AB01


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  Special thanks to 管理人 千 様  
    (邦楽データベース → 古典データベース) 

          http://www.eonet.ne.jp/~tngk/deta/koten/frame.html

                            (ご紹介者:藤枝 梅安様)
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笹の露(ささのつゆ)


一 酒は量りなしと宣(のたま)ひし、聖人は上戸にやましましけん。
  三十六の失ありと諌め給ひし仏は、下戸にやおはすらん。
  何はともあれ八雲立つ、出雲の神は八しぼりの、
  酒に大蛇を平げ給ふ。これみな酒の徳なれや。

二 大石さけつる畏みも、帝(みかど)の酔(えい)の進めなり。
  姫の尊の待ち酒を、ささよささとの言の葉を、
  伝へ伝へて今世の人も、きこしをせささ、きこしをせささ。

三 劉伯倫(りゆうはくりん)や李太白(りたいはく)、酒を呑まねばただの人。

四 吉野龍田の花紅葉、酒がなければただのとこ。
  よいよい、よいの、よいやさ。


1.酒は呑んでも適量に飲むべしと仰せられた昔の聖人は、酒に親しんだ人であったろう。酒を呑むと三十六の失敗をする原因となると諌められた仏様は、多分酒を御飲みにならなかったのであろう。何はともあれ、スサノオノミコトが、強い酒でヤマタノオロチを退治したのも、これは酒の力ではあるまいか。

2.応神天皇が御酒を召し上がってよい気持ちになり、道の傍らの大石を御杖でお打ちになったところ、堅い石すら走り避けたということも、酒の酔の元気がさせた業ではあるまいか。神功皇后が御子応神天皇の無事なお帰りを祈って作った待ち酒をささという言葉で代々伝え、今の世の人も酒のことをささと言い、ささを召し上がれをいう。

3.劉伯倫や李太白のような中国の詩人は、大の酒好きであったから有名になったので、酒飲みでなかったら、普通の詩人や学者に過ぎないであろう。

吉野山の桜や竜田川の紅葉も、酒を携えて見物するから興も起きて有名になったので、酒がなければ普通の名所ではないか。

解説
[調弦]
三絃:本調子 - 二上り - 高三下り
箏:半雲井調子 - 平調子 - 中空調子

[作曲]
菊岡検校
箏手付け:八重崎検校

[作詞]
島田両造

[他]
京風手事物。別名「酒」
酒にまつわる様々な故事・伝説を引いて、酒の功徳をたたえたもの。
手事は前後二回あり、いずれも手事・中チラシ・本チラシの構成。箏と三絃の掛け合いが70回近くあり、しだいに酔いがまわって高潮していく様を描く。
かつての許し物。


インターネット上で見つけた歌詞の解説サイトです。こちらはリンクして参照頂くのが良いのではと思いますので、URLを掲載させていただきます。(山戸 朋盟様のHPより)
http://www2u.biglobe.ne.jp/~houmei/kasi/sasano_tsuyu.htm


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この記事へのコメント

raimund
2010年06月06日 01:05
タイムリーな更新ありがとうございます。
今ちょうどこの曲をやっているところなので、
とても助かりました!
しかも大好きな清琴さんの録音ではないですか。
こんなふうに完璧には演奏できませんが、
じっくり聞いてまねできるところはまねしたいなあ、
なんて下心ありありの僕です。

笹の露って大曲ですけど、
弾いてる方はかなり楽しい部類の曲ではないでしょうか?
のりのりだし、標準的な転調で演奏しやすいと思います。
ただ立派な曲ですので曲として仕上げるのは
かなり大変ですね。

演奏はさすがにこの風格は一体どないしてはんのやろ?
と思わずに入られません。
かなりお気に入りの録音になりました。
この曲の構成もすごいですよね。
なんでも掛け合いが100カ所ぐらいあるとか?
弾いてるとそんなにあんの?ってかんじですけど。
でもよく楽譜を読み込むといろんなところに素敵な旋律が隠れていて、さすが菊岡検校ですね。
菊岡検校のあらゆる曲が好きになりそうです。
藤枝梅安
2010年06月06日 01:19
私も今この曲やってます。
難しい大曲だと思いますけど、
さすがに中能島欣一と富山清琴の組み合わせはさすがとしか言いようのない好演ですねえ。
三絃の音がなんでこんなに響くのでしょう。
しかもわずかにビヴラートしてますね。

藤井久仁江さんや井上道子さんはこの曲をどんな風に仕上げるのかも個人的に興味ありますね。
このブログは贅沢すぎるので悪い癖がついちゃいました。
つねに大阪と九州を比べたい願望が!

先週ラジオで藤井泰和演奏の笹の露がやっていました。
そちらは時間の関係で一部カットされていましたけど、もっともっとゆっくり弾いていました、
曲の解釈が大分違うようでした。まあ人によってお酒の飲み方も違いますし、それぞれでいいんですかね。
ただ3下がり以降はさっと手仕舞うのは同じです。

でもやっぱり清琴さんの演奏はいいですねえ。
raimund
2010年06月06日 01:46
ちなみに中国国文学の専門家として僭越ながら一言。

歌詞の劉伯倫とは劉伶のことで、竹林の七賢の一人。字が伯倫といいます。(有名人です、中国人なら誰でも知ってる)部類の酒好きで、常にスコップを持った下男を連れ歩き、自分が死んだら酒樽と一緒に埋めてくれと言っていたほど。(アル中?)
1日30リットルは飲んでいたそうです、彼の作品に「酒徳頌」というのがありますけど、内容は「酒がなくては生きられねえや」みたいなものです。まさに飲んべえの鏡!

李白は「将進酒」「月下独酌」「客中行」「山中にて幽人と対酌す」などこれも酒の詩しか書いてないような人なので確かに2人とも「酒を飲まねばばだたの人」ですわ。うんうん。
うなずけます。
ありす
2010年06月06日 12:29
「笹の露」は非常に粋な曲ですよね。
こういう楽しい曲から聴いていけば、
もっと地歌も親しまれるかもしれません。

それにしても、清琴さんと中能島さんは
さすがとしかいいようがないですね。
この曲を作った時に菊岡と八重崎が
本当に楽しそうに合奏していたんだろうな、と
伺えるような、楽しい演奏です。
こういう曲では、立派さよりも、
なんというか、「楽しさ」を感じさせる
というところが名手なんでしょうね。
曲自体は本当は難曲ですし、立派な
手事物(手事も2回ありますし)ですけれども。

raimundさんの解説、非常にありがたかったです。
なるほどね、酒豪も酒豪、しかも
お酒の詩ですか。
後唄の酒宴も盛り上がり、
最高潮で「こんな立派な人や名所でも
酒がなけりゃだめだよね、あはは」
とやっている様子がますます目に見えるようです。
地唄FAN管理人
2010年06月06日 15:08
皆様 早速のコメント有難うございます。「笹の露」は大曲でありながら、肩のこらない楽しい曲ですよね。
raimund様は中国文学がご専門なのですね。解説有難うございました。
藤枝様からは「九州系ではどんな感じなの?」とご質問を頂戴しました。九州系の演奏も確か保有していたと思いますので、また探してみます。
ありす様のコメントの最後の「あはは」の部分がとても場の雰囲気を表していて思わず微笑んでしまいました。
これだけの大曲であるのにも関わらず、とても不思議な曲だと思います。それも中能島師、富山師の名演があってこそかもしれませんね。

またよろしくお願いいたします。
にゃろめ
2016年07月22日 22:02
今日初めて聴きました。
富山のお父さんの大阪なまりや、中能島欽一先生の生田も山田もあるものかという演奏、楽しませて頂きました。
しかし聞き応えのある演奏家の皆さんが物故者というのが辛いですね。

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