四季の眺

地歌FAN管理人です。

「道成寺もの」では皆様から沢山のコメントをいただき本当に有り難うございました。本件もまだ少し続きますが、「道成寺もの」も一段落しましたので、本日は別の曲 「四季の眺」をアップ致します。

「道成寺もの」が曲それぞれの個性が強烈でしたので、普通の演奏ではそれこそ「太刀打ち出来ない」と思い、今回は中能島師、富山師と言う最強ペアの演奏に致しました。

言葉でなんと表現したらよいのかちょっと思いつかない程色々な事を考えさせてくれる名演中の名演と思います。それこそ「これを最初に聞いてしまうと、後は何を聞いても満足できない」と言う様な状況になるかもしれません。現に私の持ち物の中にも「四季の眺め」は何曲か有りますが、聞くのはこの演奏だけと言う様な状況です。

「道成寺もの」から雰囲気が一変しますが、どうぞお聞き下さい。
唄・三絃 富山 清琴師
唄・箏 中能島 欣一師
による演奏です。


08B01

梅安様から教えていただいたサイトから情報(歌詞、訳、作曲者など)を追加させていただきます。梅安様本当に有難うございました。

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  Special thanks to 管理人 千 様  
    (邦楽データベース → 古典データベース) 

          http://www.eonet.ne.jp/~tngk/deta/koten/frame.html

                            (ご紹介者:藤枝 梅安様)
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一 梅の匂ひに、柳も靡く春風に、桃の弥生の花見てもどる、
  ゆらりゆらりと夕霞、春の野がけに芹蓬(せりよもぎ)。
  摘みかけたる面白さ。

二 里の卯の花、田の面(も)の早苗、色見えて、
  茂る若葉の蔭訪ひゆけば、まだきに。
  初音の山ほととぎす、一声に。
  花の名残りも忘られて、家づとに語らばや。

三 草葉色づき、野菊も咲きて、、秋深み、
  野辺の朝風露身にしみて、ちらりちらりと村時雨、
  よしや濡るとも紅葉葉の、染めかけたる面白さ。

四 野辺の通ひ路人目も草も冬枯れて、
  落葉しぐるる木枯しの風、峰の炭竃煙りも淋し、
  降る雪に、野路も山路も白妙の、見渡したる面白さ。


1.梅の花が香り、枝垂れ柳が春風に吹かれて細い枝をなびかせている。三月になると桃の花が咲く。それを見に行ってゆらりゆらりと帰ってくると、早や夕霞がたなびいている。このような春の郊外の散策に、萌え出た芹や蓬を摘むのは大変面白い。

2.夏になると田舎には白い卯の花が咲き、田の面の早苗は薄緑の色を見せ始め、茂る若葉の蔭を行くと、季節にはまだ早いほととぎすの一声を聞き、花の名残りも忘れるぐらい嬉しかった。家の土産に家人に語ることにしよう。

3.秋になると草の葉は色づき、野菊も咲き始める。秋が深くなると野辺の朝風も葉末露も身にしみるようになる。時にはちらちらと村時雨が降ってくるが、たとえ濡れても色増す紅葉の葉が見られるなら興味は深い。

4.冬になると野辺の通い路は、人の姿も見えないし草も枯れる。木枯しが吹いて落葉が雨のように降りしきる。山の峰の炭を焼くかまどの煙が独り淋しく立ち昇っている。降る雪に野路も山路も白い布を敷いたように、真白になっているのは、何と面白い風景であろう。

解説
[調弦]
三絃:二上り-三下り
箏:平調子-六上り調子-平調子-中空調子

[作曲]
松浦検校
箏手付け:八重崎検校

[作詞]
殿村平右衛門


インターネット上で見つけた歌詞の解説サイトです。こちらはリンクして参照頂くのが良いのではと思いますので、URLを掲載させていただきます。(山戸 朋盟様のHPより)
http://www2u.biglobe.ne.jp/~houmei/kasi/shikino_nagame.htm


「地唄FAN」は地唄の音楽事典としてお使い頂くことを目指してます。
以下から一覧表をご参照下さい。

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この記事へのコメント

raimund
2010年03月23日 13:34
「四季の眺め」ははじめて聞きました、「新青柳」のようにさわやかな曲ですね。
調べてみると松浦検校の曲とありますが、僕にとっては松浦検校の曲は聴くのは2曲目です、2か月ほど前に「末の契り」という曲をやったばかりなのです。
どちらもいい曲です、また演奏は文句なしですね。

中能島欣一さんの演奏ははじめて聞きました。自信に満ちた演奏で、すばらしいお琴ですね。男性のお琴は芯がしっかりしているなあ、と思います。

僕の先生も演奏はやはり男性が素晴らしいと言っています。男性が弾いているというだけで、10点プラスしてもいいぐらいだそうです。(@_@;)ホンマカイナ
やはり女性より力があるからなんですかね?
そう考えるとこの「四季の眺め」はやっぱり完璧なんでしょうね!
ありす
2010年03月23日 18:05
「四季の眺め」は名曲だけに
いろいろ録音もありますし、
松浦検校作品の中では舞台に
あがる回数も多いのでよく聴くのですが、
さすがというか、いい演奏ですね。

「新娘道成寺」でのお箏が弱いと
raimundさんがおっしゃっていましたが、
なるほど、こうして中能島欣一さんとのコンビ
だと、清琴さんの演奏を受け止める
器の大きさを感じます。

唄も分け唄いですが、不自然さは全くありませんし、
手事での掛合いなども、対等の奏者だからこそ
このように面白いのだと思いました。

最近は男性の唄を聴くことは少なくなりましたが、
私も、やはり唄は男性のほうが映えると思います。
「芥子の花」のように極端に音域が高いもの、
あるいは「雪」のような作品では
女性にしか出せないものもあると思いますから、
一概には言えませんけれど。
藤枝梅安
2010年03月23日 21:02
昨日の今日で新たな曲が!
すごいです、うれしいです。

「四季の眺め」は有名曲なのですね?
全然聞いたことありませんでした。やっぱ聞いたことある曲がまだまだ少ないのですね。偏っているし。
中能島欣一さんて山田流の人なんですよね?ってことはお琴のスコアは山田流なんでしょうか?
ちょっとその辺気になりますけど、演奏は凄いですね。

でもこの曲の所々なんかメロディー変わってませんか?
急に変調みたいな感じに、時々ガクッとくるんですけど。これも曲の演出なのしょうか?

しかしそれにしても清琴さんのお三味線はどんな曲でも癒されます。中能島欣一さんはこのブログでも初めての登場で、お声を拝聴いたしました。最初に曲の最初のところは中能島さんですよね?ちょっと自信はありませんが。
声が清琴さんとよく似ていて、最初は一人で歌っているのかと思いましたが、ありすさんの感想を読み、もう一度聞き直しました。

お二人の演奏で曲がとても引き締まってますね。
2015年08月27日 22:54
いつもお世話になっております。いつもこのサイトで勉強させて頂き、大変感謝しております。ところで私のパソコンが原因かも分かりませんが音源がなくなったのでしょうか。よろしくお願い申し上げます。
2015年08月28日 10:39
ネットで地唄FANに関するトラブル事例を探したところ、管理人様のflashを使用しているとのことが回答を拝見しました。ひょっとしてはと思い、アドオンでmicrosoftのshockwaveを試しに「有効」にしたところ、見慣れた再生のボタンが表示されました。shockwaveをとは何なのか知りませんが何かの加減で「無効」となったのが原因のようです。お騒がせしました。引き続きこのサイトを利用させて頂きます。ありがとうございます。今後ともよろしくお願い申し上げます。(悦)
風狂山人
2017年10月21日 22:54
ホトトギスが一声鳴いたその後が、難しくまた面白く、何回やっても納得いかないところで、老後の楽しみです。

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