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zoom RSS 夕辺の雲

<<   作成日時 : 2010/11/21 19:33   >>

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地唄FAN管理人です。
皆様 如何お過ごしでしょうか?

本日は「夕辺の雲」をアップいたします。

何かで読んだ覚えがあるのですが、川瀬里子師が亡くなられる直前に「阿部さん、私が死んだらまだ体の暖かい内に枕元で 『夕べの雲』 を演奏しておくれ」と言われて涙ながらに供養の演奏を行ったと阿部師が語っておられたそうです。それだけ阿部師にとっては思い入れの深い曲目であったようですね。
唄・三絃 阿部 桂子師
箏 藤井 久仁江師
尺八 鳥井 虚霧洞師
による演奏です。


15AB01

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  Special thanks to 管理人 千 様  
    (邦楽データベース → 古典データベース) 

          http://www.eonet.ne.jp/~tngk/deta/koten/frame.html

                            (ご紹介者:藤枝 梅安様)
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夕べの雲(ゆうべのくも)


  うしと見るも月の影、嬉しと見るも月の影、
  うす雲たなびきて、心のいろぞほのめく。

  ゆかりうれしき面影、ひきとめし袖の香わすられぬ、
  情にあはれを知るもことわり、
  あふごとにしぐれして深くそむる、
  紅葉吹き散らす、山風こころなきもうらめし。

  よもすがら、つくづくとありしよのこと思ひ寝の、
  夢に見ゆる面影、如何にして我ねやへ、
  来ることの嬉しさ、はかなくも夢さめて、
  かすかに残るともしび、夢に見しふしども、
  さめて寝ねたるふしども、変らぬぞ悲しき、
  さめて姿のなければ、まぼろしの姿も、
  夢路ならではいかで見ん、絶えてかはさぬ言葉も、
  あづさにかけてかはさむ。


辛いと見るも月の光、嬉しいと見るのも月の光である。
同じ月の光でも思い思いに夜って違って見える。
薄雲が横にかかって暗くなると恋心が仄かにわいてくる。
深い仲であった愛人の嬉しい面影と別れを惜しんで引き留めた時の袖の香は忘れられない。
情にいとしく思うのも道理である。
逢う毎に時雨の雨を降らせて、深く色を染めた紅葉と焦れた気持ちを吹き散らす山風の思い遣りのない気持ちが怨めしい。
夜通し愛し合った昔のことを思った眠りの夢に現れた面影がどうして寝室に来たのかと思ったときの嬉しさ。
けれども、儚く覚めて、かすかに残る灯火の淋しさ。
夢の中で見た寝床も目を覚ましてみれば思う人はおらず、前の寝床と変らないのは悲しいことである。
目覚めては姿が見られないから、たとえ幻影であっても、夢の中でなくてはどうして見られようか。いや、見られない。
打ち耐えてかわすことのない言葉もこうなっては梓弓の筈を鳴らしてかの人に出てもらい話し合うことにしよう。

解説
[調弦]
三絃:二上り

[作曲]
光崎検校

[作詞]
清水某

[他]
地歌。
箏組歌『菜蕗』の打合せ曲。
歌詞も全く『菜蕗』のパロディ。
『源氏物語』によって、源氏が薄雲女院の没後、夢の中でその幻を見て、夢覚めて嘆くさまを歌ったものともされ、あるいは追善曲としてつくられたものか。
京都ではあまり行なわれず、九州系に伝承されてきた。


インターネット上で見つけた歌詞の解説サイトです。こちらはリンクして参照頂くのが良いのではと思いますので、URLを掲載させていただきます。(山戸 朋盟様のHPより)
http://www2u.biglobe.ne.jp/~houmei/kasi/yuubenokumo.htm


「地唄FAN」は地唄の音楽事典としてお使い頂くことを目指してます。
以下から一覧表をご参照下さい。

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コメント(8件)

内 容 ニックネーム/日時
地唄FAN管理人様、

北海道で尺八やシャクルートを吹いているものです。
とても素晴らしいウェブリブログを準備してくださってありがとうございます。

私どもは、明後日、北見市芸文ホールで「第13回地唄会演奏会」を開催します。今日の夕方、尺八で出演曲を吹いて練習した後、私が司会をして曲目説明をするので、貴ブログを参考にさせていただいて、原稿をつくりました。「訳」の部分を大いに使わせていただきます。

その後、私の演奏する曲(下記5、6)を視聴させていただきました。1が聞けなくて残念でした。
<プログラム>
1.楓の花  2.夕顔  3.菜蕗  4.岩清水
5.ままの川 6.楫枕

私は都山流尺八ですが、収録されているのは琴古流の方でしたが、とても参考になりました。ありがとうございました。
URL:http://www.phoenix-c.or.jp/~watarun/index.htm
こうざん
2010/11/26 21:58
管理人様、
上記私のHP「リンク集」に貴ウェブをリンクさせて頂きました。多くの方が訪れることを願っています。
大変でしょうが、これからも地唄ファンの人たちに豊かな気持ちにさせてください。
こうざん
2010/11/26 22:13
地唄FAN管理人です。 こうざん様始めまして!大歓迎です。コメント有難うございました。

ちょっと外出しておりまして、御礼が遅れて申し訳ありません。今後ともよろしくお願いいたします。
こうざん様のHPも少しだけ拝見いたしました。随分立派なHPをお持ちなのですねぇ。今後ゆっくり見させていただきます。

演奏や歌詞の解説などを参考にされておられるとの事。有難うございます。実は私オリジナルのものはほとんど無く、他のサイトからの引用 あるいは 地唄FANを利用して下さる方からのご協力を得て今の形になってきております。本当に有り難い事と日頃から感謝しております。

こうざん様のHPのリンク集に入れていただけたとの事。本当に有難うございます。これでこうざん様のHPを訪れる方の目にも触れることになるので、来ていただける方も増えることと思います。誠に有難うございました。

是非ともまたいらして頂き、気軽にコメントなどしていただけると有り難いです。今後とも何卒よろしくお願いいたします。
こうざん様 始めまして! 大歓迎です
2010/11/27 19:27
この曲は京都ではあまり行われないというのは
意外でした。九州系では結構行われますので。

しかし面白い曲です。
ついつい箏の「菜蕗」の手に
注意が行ってしまいますが、
組歌に打ち合わせるという発想自体、
後の筝の復権につながる流れなのですよね。
三絃の曲に箏の手付けではなく。

川瀬里子師のエピソードも初めて伺いました。
なるほど、この曲には
思い入れがおありだったでしょう。
こういうエピソードはもっと知りたいです。
ありす
2010/11/27 21:01
私も川瀬里子さんのエピソードは初めて知りました。

京都では絶えて九州で伝えられたというのが、また光崎らしい話ですね。京都の当道組織で倦厭された?ということからか分かりませんが、「夕辺の雲」は一説に菊岡検校作曲とされたりしているようですね。
  
 追善曲といいながら、ロマンチックで高貴な薫りがするところは、光崎らしいような気がします。作風も菊岡はむしろ当流というような趣を感じるし、光崎は意識して復古と革新を狙ったのかも、と思います。
喜音院
2010/11/30 23:29
管理人様、
28日に私どもの地唄会第13回演奏会が終了しました。
上記に書きましたように、貴ブログの「訳」の部分を
引用させていただき、曲目解説をしたところ、多くの
方たち(演奏者も含め)に大変好評でした。
地唄の意味がわかり、聞いていて楽しかったと仰って
いただきました。
本当に有難うございました。
来年の曲目は、1月の総会で決定しますが、また、貴ブログを
参考にさせていただき、聴衆の皆さんに喜んでいただける演奏会にしてまいりたいと思います。
こうざん
2010/11/30 23:53
地唄FAN管理人です。喜音院様 コメント有り難うございました。

京都では絶えて九州で伝えられたというのが、また光崎らしい話ですね。京都の当道組織で倦厭された?ということからか分かりませんが、「夕辺の雲」は一説に菊岡検校作曲とされたりしているようですね。

>管理人
考えてみれば私もこの曲は九州系で聴くことが多いように思います。(むしろ他の流派の演奏を思い出せない・・・)確かに九州系では川瀬師が大事にされていたと言うことで、重く取り扱われているのかもしれませんね。

喜音院様 コメント有り難うございます
2010/12/01 08:03
地唄FAN管理人です。
こうざん様 演奏会を無事に終えられて何よりです。おめでとう御座いました。お疲れの所わざわざ当日の状況を教えて頂き有り難うございます。

貴ブログの「訳」の部分を引用させていただき、曲目解説をしたところ、多くの方たち(演奏者も含め)に大変好評でした。地唄の意味がわかり、聞いていて楽しかったと仰っていただきました。
>管理人
そうでしたか! それは何よりでした。やはり地唄はそもそもが歌曲ですので、歌詞の意味や また その歌詞が出てきた芸術的な背景を知ってから演奏 或いは 鑑賞することでより面白さが分かると言うことなのだと思います。

新しい曲を練習するにしても、楽譜を元に「いきなり楽器の演奏の練習に入る」のと、「最初に歌詞を色々な面から味わった後にそのイメージを持ちながら楽器の練習に入る」のとでは演奏者自身が感じる深さが異なるのではと想像します。

いずれにしても少しはお役にたてたようで良かったです。ただし、「地唄FAN」ブログに掲載されている歌詞や解説はインターネット上の色々な方の情報や、当ブログにコメントして下さる方からの貴重な情報提供によるところが殆どです。私は単なる掲載者の位置でしか有りませんので、この御礼のお言葉はそれらの方々に向けて頂戴した物と思っております。皆様本当に有り難うございました。私からも御礼申し上げます。


来年の曲目は、1月の総会で決定しますが、また、貴ブログを参考にさせていただき、聴衆の皆さんに喜んでいただける演奏会にしてまいりたいと思います。
>管理人
有り難うございます。1月北海道はまだまだ厳しい季節と思いますが、皆様の熱い意気込みが伝わってきます。是非とも頑張って下さい。
こうざん様にはまた機会を見つけてコメントなどして頂けると有りがたいです。今後とも何とぞよろしくお願い致します。
こうざん様 演奏会を無事終えられて良かっ...
2010/12/01 08:15

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