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zoom RSS 櫻尽し

<<   作成日時 : 2010/09/29 12:37   >>

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地唄FAN管理人です。皆様如何お過ごしでしょうか?
いかにも秋らしい爽やかな天気ですねぇ。
本日は萩原 正吟師演奏による「櫻尽し」をアップ致します。歌は冒頭が萩原 正吟師、途中で大村尚子師が引き継がれます。
秋に櫻ではちょっと季節感がおかしいですが、ご容赦下さい。

今回もありす様から曲に関する情報をご提供頂きアップすることが出来ました。誠に有り難うございます。それでは皆様お楽しみ下さい。
唄・箏 萩原 正吟師
唄・三絃 大村 尚子師
による演奏です。


16AB05


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  Special thanks to ありす様  

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[歌詞]
飽(あ)かでのみ、花に心を尽くす身の、
思ひあまりに手を折りて、数ふる花の品々に、
わきて楊貴妃(ようきひ)、伊勢(いせ)小町(こまち)、
誰(た)が小桜(こざくら)や児桜(ちござくら)、
「桃の媚びある姥桜(うばざくら)」※1、
われや恋(こ)ふらし面影の、
花の姿をさきだてて、幾重分けこしみ吉野の、 

雲井に咲ける山桜(やまざくら)霞の間(ま)よりほのかにも、
見初めし色の初桜(はつざくら)絶えぬながめは九重の、 
都帰りの花はあれども、
馴れし東(あづま)の江戸桜(えどざくら)、
名に奥州の花には誰も、憂き身を焦がす塩釜桜(しおがまざくら)、
花の振袖八重(やえ)一重()、下には無垢の緋桜(ひざくら)や、
樺(かば)に浅黄(あさぎ)をこきまぜて、
わけよき縫ひの糸桜(いとざくら)、引く手あまたの身なりとも、
せめて一夜のたはふれに、酔ひをすすめや熊谷(くまがい)や、
猛(たけ)き心の虎の尾よ、千里も通ふ恋の道、
忍ぶにつらき有明桜(ありあけざくら)、君が情けの薄桜(うすざくら)、
よしや思ひを桐が谷(きりがやつ)、浮き世を捨てし墨染桜(すみぞめざくら)、
昔をしのぶ家桜(いえざくら)、花の扉(とぼそ)もさびしきに、
月の影さへ遅桜(おそざくら)、 

闇はあやなし紅梅桜(こうばいざくら)、色こそ見えね折る袖の、
匂ひ桜(にほいざくら)や菊桜(きくざくら)、
花のしら露春ごとに、打ちはらふにも千代は経ぬべし。

※1
『糸の節』『千重の一重』・・・・・・・→「桃の媚びある姥桜」
『古今端歌大全』(正徳頃刊)では→「年は若かる姥桜」
『糸の調べ』『歌曲時習考』・・・・・・→「年も若きの姥桜」

[調弦]
三絃:本調子−二上り−三下り

[作曲] 佐山検校
箏手付:八重崎検校

[作詞] 未詳

[初出] 元禄16年(1703)刊『松の葉』第二巻


[他]
本調子長歌物。
長歌物の創始者とされる佐山検校(1666登官、1694没)の長歌の作品で、
「雲井に咲ける山桜」より二上り、
「闇はあやなし紅梅桜」より三下り。
各地の有名な桜を連ねただけの詞章で、物尽くしの代表ともいえ、
また、長歌物の成立を示唆する歌詞形式であるが、作詞者は未詳である。
三絃譜は享保17年(1732)刊の『律呂三十六声麓の塵』に収録。
箏譜は天保四年(1833)刊の『千重之一重』巻之五(1833)に
八重崎検校手付けのものが収録。
「雲井に咲ける」の二上りに変わるところから、
三味線組歌の「晴嵐」の手が取り入れられていると説明されているが、
「晴嵐」の作曲者は浅利検校(1656登官、1698没)で、
「桜尽くし」と「晴嵐」とどっちが先行するかは、検討を要する。


(邦楽百科事典 音楽之友社から)
元禄年間(1688〜1704)、組歌につぐ新しい様式である長歌の成立に貢献した江戸の佐山検校(不明〜元禄7(1694))が作曲した物。長歌物に多い<尽し物>で、曲名どおり櫻の花の名を集めて一遍としている。
三味線は本調子で出て、「雲井に咲ける山桜」から二上りとなって、さばけた派手な味でのり、末段「闇はあやなし紅梅櫻」からは三下りで気分を締めて曲を結ぶ。三味線曲として出来た物であるから、箏では弾かれなかったが、のちに、京都の箏手付けの名手 八重崎検校が雲井調子で替手式の手をつけている。それは本調子のところは、三味線の手のままで、二上りから京物ふうにはなやかに編曲されている。なお、二上りからあと、浅利検校作曲の三味線組歌「春嵐」の手が取り入れられている。



「地唄FAN」は地唄の音楽事典としてお使い頂くことを目指してます。
以下から一覧表をご参照下さい。

作曲者別一覧表      五十音順一覧表      演奏者別一覧表




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コメント(10件)

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季節が秋で、曲が春でもかまいませんよ〜。
(だって萩原、大村先生の録音が聞けるのですから!)
音からどのように演奏なさっているのか、
想像するだけでも勉強になります。
このような曲も録音が残っているのですねえ。
本当に感動です。
ありすさんはもうこのブログの共同経営者のようですね。
毎回歌詞を提供してくださり、ありがとうございます。

お二人とも歌が達者ですねえ。
演奏も軽やかな中に、くっきりとした音色で、
このように演奏するのがいかに大変か
演奏する者としてはよくわかります。
最近思うのは、ただ弾きまくるしかないのでは?
とさえ思えてきます。
藤枝梅安
2010/09/29 22:45
いやぁ、「三津山」に次いで、萩原、大村両師の名演奏ですね。驚きました。長歌は「狭衣」しかその情緒を感得できなかったのですが、正直、長歌物について何となく分かったつもりになっていました。お恥ずかしい。
 こんな颯爽とした演奏をなさる方は今いらっしゃるのでしょうか。ちょっと衝撃で何を書いていいのか分からないくらいです。
 しかも私、筝には全く無知なのですが、それでもこの筝手付けは意欲的な特色を感じました。ありがとうございます。
喜音院
2010/09/29 22:54
私も最初は、「長歌物に箏?」
と、聴く前は疑問視していたのですが、
さすが八重崎、見事な手付けで、
本当に私のどうしようもない
先入観は何とかしないと、と思います。

そして、萩原、大村両師、
さすがですね。長歌物を
ここまで曲を構成して聞かせる演奏力、
私も新しい長歌物ですが、
「竹生島」をやったので、その難しさは
よくわかるのですが、もうにわかに言葉には
ならないです。喜音院さんのお気持ちよくわかります。
これだけ演奏できる方が複数いれば、
長歌物ももっと演奏されるのでしょうけれど。
両師の系統にある京都のお二方、
ぜひがんばって、長歌物を再興してください。
ありす
2010/09/29 23:59
地唄FAN管理人です。藤枝様コメント有り難うございます。「櫻尽し」喜んで頂けたようで良かったです。普段はなかなか聞くことの出来ない曲がこれからもしばらく続きます。本当に地唄は奥が深いですねぇ

ありすさんはもうこのブログの共同経営者のようですね。毎回歌詞を提供してくださり、ありがとうございます。
>管理人 
本当に仰るとおりです。ありす様にはとても助けていただいています。まだアップしていませんが、喜音院様にも本当にご苦労をおかけしたものもあります。
お二方だけでなくraimund様、藤枝様にもこのブログの開設当時から貴重なご意見を頂戴してとても有りがたく思っております。

実はありす様から「この曲は京都のお二方に協力いただくのが良いかも知れない」と言われている曲があります。曲名があまり定かではないのですが「古松尽し」と言う曲です。普通に伝えられている「松尽し」とは異なり、あれだけお詳しいありす様でも「この曲は・・・?」と思案されておられるような曲です。何か心当たりがありましたら、教えていただけると有り難いです。

最近思うのは、ただ弾きまくるしかないのでは?とさえ思えてきます。
>管理人
このブログをお聴きになって「練習するぞ!!」と思っていただけるのはとても有り難いです。コメントまではして下さらない方の中にもその様な方がおられればこのブログの存在意義も有るという物です。

宜しくお願いいたします。
藤枝様 コメント有り難うございます
2010/09/30 10:22
地唄FAN管理人です。喜音院様お久しぶりです。お忙しいところコメント有り難うございます。

「三津山」に次いで、萩原、大村両師の名演奏ですね。・・・こんな颯爽とした演奏をなさる方は今いらっしゃるのでしょうか。
>管理人
本当にお二方の演奏は引きつけられますねぇ。ちょっと聞くとぶっきらぼうな歌い方にとまどいますが・・・(それが京都の芸風と教えていただいて納得しました) 聞く内にどんどんと引き込まれてしまいます。私の保有する萩原師の演奏はそれほど多くないのですが、どれもとても印象的です。

今後とも宜しくお願いいたします。
喜音院様 お久しぶりです
2010/09/30 10:29
地唄FAN管理人です。ありす様のお陰で「櫻尽し」もアップすることが出来ました。本当に有り難うございます。

「長歌物に箏?」と、聴く前は疑問視していたのですが、さすが八重崎、見事な手付けで、本当に私のどうしようもない先入観は何とかしないと、と思います。
>管理人
ありす様の先入観を何曲かで修正していただいたようですが、やはり名曲・名演にはそれだけの力が有ると言うことですねぇ。

これだけ演奏できる方が複数いれば長歌物ももっと演奏されるのでしょうけれど。
>管理人
そうですねぇ。最近は(弾く方にも聴く方にも)若干楽器偏重の嫌いがあるので、なかなかこの様な曲は演奏される機会が少ないと言うことなのでしょう。本当に勿体ないことです。私も京都のお二方に期待しています。
ありす様 お世話になりました
2010/09/30 10:36
 それにしても、この演奏を聴くと、江戸長唄、芝居歌や手事へと繋がる系図が見えてくるようです。

 器楽の旋律の場合、江戸長唄は浄瑠璃芸の声楽優先の曲風を取り入れたのでもうちょっとおおまかだと思うのですが、節まわしや、フレーズ感、序破急の運びなどは後の江戸長唄へと取り入れられる要素を強く感じました。やはり京都の演奏法にはそういう原型が残っているのかもしれない、という気がします。
喜音院
2010/10/01 23:12
>喜音院さん
おそらく、古風な長歌物から
そうした新しい要素をはっきりと
見出すことができるような要因は、
八重崎の箏手付けにあると思います。
長歌物の規範性を失わずに、
新しい時代の息吹を与える、
こうしたことは、新作創作の際にも、
大いに参考になることだと思います。
古に手本を求めつつも、
新しいことは可能だと言うことです。
ありす
2010/10/02 13:23
地唄FAN管理人です。喜音院様、ありす様有難うございました。さすが詳しいお二方ならではのコメントですねぇ。。長歌物と言うのはあまり聴いたことがない方が多いのではと思いますが、これをきっかけに色々と聞く範囲を広げていただき、気軽にコメントなどして頂ければありがたいです。
喜音院様、ありす様有難うございました。
2010/10/03 19:31
ありがとうございます
セントマザー(北九州市)のロビーに歌詞が掲載されており
ずっと気になってました
少しだけすっきりしました
せいら
2017/04/28 00:01

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