地唄FAN

アクセスカウンタ

zoom RSS 菊の露

<<   作成日時 : 2010/07/03 20:48   >>

ナイス ブログ気持玉 15 / トラックバック 0 / コメント 7

地唄FAN管理人です。

皆様如何お過ごしでしょうか?
本日は菊原 初子師演奏による「菊の露」をアップいたします。
コメントはちょっとと言う方でも、ブログ気持ち玉などを気軽に貼り付けていただけると有り難いです。それでは宜しくお願いいたします。




皆様如何お過ごしでしょうか?地唄FAN管理人です。
本日は富山 清琴師演奏による「菊の露」を追加致します。
気軽に感想など書き込んでいただけると有難いです。(2011/11/12)



32AB05

地唄 「菊の露」

鳥の声 鐘の音さへ身にしみて 思ひ出すほど涙が先へ 落ちて流るる妹背の川を と渡る船の楫だにたえて 甲斐もなき世と恨みて過ぐる

二上り
思はじな 逢ふは別れといえども愚痴に 庭の小菊のその名に愛でて 昼は眺めて暮しもしょうが 夜々ごとに置く露の 露の命のつれなや憎や 今はこの身に秋の風



作曲 広橋勾当
作詞 ふくしん

三絃 :本調子



頃は秋、空にとぶ鳥の声をきくのも、また寺々の鐘のひびきも一入身にしみて、去っていった人を恋しく思っているのです。落ちる涙は川のように流れ、いとしい人の通う舟の楫も絶えて、何のたよりもない遠い人となってしまったのです。今は生きて甲斐のないこの世を恨むばかりです。昼は庭の小菊をうち眺めて、このさびしさを慰めてはみるものの、夜は夜ごとに花におく露のように、哀れなわが身をひとり嘆いています。

世によく知られる地唄の代表曲の一つで、舞としても、常に上演の絶えないものの中に数えられています。

内容は釈迦の“愛別離苦、会者定離”がよりどころになっていて、逢いに来てくれない男のつれなさを、恨みつつも恋い慕って、庭の菊を眺めながら身をかこち、露の命のはかなさを嘆いて、秋の風と捨てられた悲しい女ごごろを唄ったものです。

総体に沈んだ曲調で、舞もそれにつれてはなやかさは見られませんが、それが、しんとした地唄舞の極地に通じるものがあり、短い曲の中で、悲しい女ごころがキメ細かく舞われてゆきます。その技巧を鑑賞するのが要点ですが、前の唄に続き「思ひ出すほど涙が咲きへ 落ちて流るる妹背の川…… 「思はじな 逢ふは別れといえども愚痴に…… といった風に恨みや涙、愚痴などの悲しみ、やるせなさの連続だけに、その舞が単調になりやすいのです。そのためには舞い手の優れた技量が要求されるわけです。

終わりはまた「露の命のつれなや憎や 今はこの身に秋の風…… という風に心の中を秋風が吹き抜けてゆくような寂しさで結んでいます。

 (「日本舞踊全集」日本舞踊社出版 第二巻 75〜77ページ 地唄「菊の露」より)

昔は、よくこの曲のことをいいます時に、浄瑠璃の「壷阪」(義太夫『壷阪観音霊験記』)を引合いに出したものです。盲目の沢市が、心のわだかまりを隠して三味線を弾く場面(「沢市内の段」)があり、そこに使われているのがこの「菊の露」の一節で、地唄のほうは知らなくても、「壷阪」のことをいうと、皆は「ああそうか」と納得したものでした。ところが近頃は、「壷阪」も「三つ違いの兄さんと…… も、ぜんぜん通用いたしません。
−抜−
「菊の露」という名の酒があります。地唄や義太夫のことからしますと、どうしてこんなのを酒の銘にするのかと、一瞬思いますが、菊の露は、本来はおめでたい意味で不老長寿の薬なのです。

「我宿の 菊の白露今日ごとに 幾代つもりて淵となるらん」は『拾遺集』にある歌。その元は、中国は河南省南陽県の菊水の伝説で、『太平記』や能の「菊慈童」にも出てきます。

九月九日は重陽の節句、

「露ながら 折りて挿さん菊の花 老ひせぬ秋の久しかりける」

これもまた菊の露の歌でした。

 (「地唄うた暦」中井猛著 (有)邦楽ジャーナル発行 9ページ 九月「菊の露」より)


インターネット上で見つけた歌詞の解説サイトです。こちらはリンクして参照頂くのが良いのではと思いますので、URLを掲載させていただきます。(山戸 朋盟様のHPより)
http://www2u.biglobe.ne.jp/~houmei/kasi/kikunotuyu.htm


「地唄FAN」は地唄の音楽事典としてお使い頂くことを目指してます。
以下から一覧表をご参照下さい。

作曲者別一覧表      五十音順一覧表      演奏者別一覧表

月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ
気持玉数 : 15
ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス ナイス
面白い 面白い 面白い
なるほど(納得、参考になった、ヘー) なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
ガッツ(がんばれ!)

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(7件)

内 容 ニックネーム/日時
義太夫『壷阪観音霊験記』にはこの曲もあり、
「儘の川」も出てくるという、なんとも地歌との関係性の強い作品なのですね。
地歌が、当時もっと一般によく流布していたのかなと想像します。

「菊の露」という曲は何とも生なましい曲ですね。
歌もなんだか他の端歌物とは少し違った味わいがあります。
菊原さんの歌もなんだか生なましくて、
聴いていると少し息苦しいような感じを覚えました。
「〜露」というと「笹の露」は別として、悲しい感じの曲が多いですね。

また今回の解説は、邦楽ジャーナルなども引用してあり、読み応えがあり楽しかったです。

raimund
2010/07/04 00:11
raimund様 コメント有り難うございます。

私も久々に聞き直してみましたが、風情があって良いですねぇ。菊原師と言うと私にはこの様な端歌物の印象が強いです。
邦楽ジャーナルの記載はたまたま見つけましたが、調べてみるとバックナンバーなども入手できるようなので、少し見てみたいと思います。

今後ともよろしくお願い致します。
地唄FAN管理人
2010/07/04 09:39
学生時代、この曲を出したい、と
絃の先生に申しましたら、
「学生に出させたら師匠の品格が疑われる」
と、この曲だけは却下されたのですが、
菊原初子さんの演奏を聴くと、
本当に冷や汗物です。
もし先生の許可が下りていたとしても、
笑いものになっていたでしょうね…。

私も、今回の解説は興味深く拝読しました。
情報がある曲がありましたら、
このような形での解説もお願いいたします。
ありす
2010/07/04 11:35
とても奥ゆかしくて、みじかいですが、よくまとまった感のある曲ですね。
広橋勾当は初めて聴きましたけど、峰崎勾当と曲のスタイルがなんだか似ている気がします。
もっとたくさん作品が残っていればよかったのですが。
(峰崎ファンな私・・・。)
解説では有名曲との事ですが、私は初めて聴かせていただきました。いつか演奏してみたいです。個人的に。

ありすさんのコメント面白いですね。
「師匠の品格が疑われる」とは如何なる意味でしょう?
こんないい曲なら人前でも弾いて見たくなる気持ちはおおいに分かりますケド。

管理人さん
メールはご覧いただけましたか?期間がありますのでご注意くださいね〜。

藤枝梅安
2010/07/04 13:56
>藤枝梅安さん
いやあ、良い曲だから
おねだりしてみたのですが、
学生がこの曲の味わいを
出せるはずはない、
というのはあるみたいですね。
先生自身はともかくも、
なんというか、うるさい世界ですから、
そうそう自由にできない領分も
あるということなのでしょう。
たとえば、京都の先生も、
ほぼ自由に習わせていただけるようですが、
組歌だけはNGだとおっしゃっていた、
あの状況だと思います。
ありす
2010/07/04 20:03
菊の露は相変わらずいい曲ですね。
僕はまだこの曲にはたどり着いていませんが、いつか演奏してみたいですね。
どんな曲でも味わい深く演奏しようとすると
ほんとに難しい!
やればやるほどむずかしい。ほんとに。

録音の先生方は何気なく弾いてらっしゃるようですが、
ここにたどり着くまで、どれだけ努力したかを想像すると、また頭が下がります。
ましてやマンションで大きな音で練習できないだけでなく、練習量も一日30分ぐらいしかできませんから、限界がありますよね。


あー1曲でいいからものにしたいです。
つくづく思う今日この頃。
raimund
2011/11/14 23:54
raimund様 コメント有難うございました。

地唄FAN管理人です。端唄物もこの辺の曲になると練習はともかく、そう簡単に人前で弾くのははばかられますねぇ。

幾ら練習しても自信が持てないと言う感じになるのではと思います。少しでも近づきたいですね。

今後ともよろしくお願いいたします。

raimund様 有難うございました。
2011/11/15 21:20

コメントする help

ニックネーム
本 文
菊の露 地唄FAN/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる