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zoom RSS 楫枕

<<   作成日時 : 2010/04/23 06:01   >>

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地唄FAN管理人です。

本日は「楫枕」をアップ致します。演奏は太田 里子師です。




皆様 積極的にコメントしていただき、本当に有難うございます。新たに来られた方も気軽に何でも書き込んでいただけると有り難いです。他の方がかなりお詳しいので気後れされるかもしれませんが、気にせず「聴いたよ」 「こんな曲は無いのか?」 「こんな演奏は無いのか?」とだけでも結構ですので、気軽にどうぞ。管理人としては今後の方向性を決めていくのに、とても参考になるのです。よろしくお願いします。

なお、4月に入ってから集中的に続けてきました「初心の方が練習されることの多い曲」もこの「楫枕」で一段落です。実際にはもう少し続きますが、大物はこれで一区切りついたかなと言う感じです。4月中は若干追加などを致しますが、5月からはまた少し趣向を変えて行くつもりですので、よろしくお願いいたします。

本日は菊原 初子師の演奏による「楫枕」をアップ致します。これもなかなか良い演奏ですよ。




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  Special thanks to 管理人 千 様  
    (邦楽データベース → 古典データベース) 

          http://www.eonet.ne.jp/~tngk/deta/koten/frame.html

                            (ご紹介者:藤枝 梅安様)
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楫枕(かじまくら)


  空艪(からろ)押す水の煙りの一かたに、靡きもやらぬ川竹の、うきふし繁げき、
  繁げき浮寝の泊り舟。よるよる身にぞ思ひ知る。
  浪か涙か苫洩る露か、濡れにぞぬれしわが袖の、絞る思ひをおしつつみ、
  流れ渡りに浮れて暮らす、心尽くしの楫枕。
  さして行方の遠くとも、つひに寄る辺は岸の上の、松の根堅き契りをば、
  せめて頼まん頼むは君に、心許して君が手に、繋ぎとめてよ、
  千代よろづ代も。




急がず気ままに漕ぐ舟の艪の、水煙のあがる彼方に靡きもせず一筋に進んでゆくように、遊里の女たちは、籠の鳥のような自由のない世界に、物憂い毎日を過ごしている。彼女たちは船の上で仮寝をしているのに似て、落ち着かないその日その日の辛さ侘しさは、この身にもひしひしと感じられてくる。波のしぶきか、わが涙か、または舟の屋根からもれて落ちた露か、自分の袖が悲しさの涙で絞るほど濡れているのに、日夜客を相手に浮れて憂い日に心を砕かねばならない。しかし、たとえ遠い将来であっても、是非この世界から逃れ出て、わが一生を頼むべき人と、浜辺の松の根のように堅い契りを結び、自分の心のすべてを君に捧げて、永く安らかな生活を送りたいものである。

解説
[調弦]
三絃:本調子−二上り
箏:半雲井調子−平調子

[作曲]
菊岡検校(吉村検校?)
箏手付け:八重崎検校

[作詞]
橘遅日庵

[他]
京風手事物。
遊女の儚い身の上を舟の旅寝にたとえ、頼む人に身請けされたいと願う心を歌ったもの。
手事は二段からなり、各段64拍子なので段合わせが可能。


インターネット上で見つけた歌詞の解説サイトです。こちらはリンクして参照頂くのが良いのではと思いますので、URLを掲載させていただきます。(山戸 朋盟様のHPより)
http://www2u.biglobe.ne.jp/~houmei/kasi/kajimakura.htm


「地唄FAN」は地唄の音楽事典としてお使い頂くことを目指してます。
以下から一覧表をご参照下さい。

作曲者別一覧表      五十音順一覧表      演奏者別一覧表

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コメント(20件)

内 容 ニックネーム/日時
ああ、やはり楫枕は名曲中の名曲だと再確認。
それにしても、同じ九州系だからか、
テンポ変動が私の習ったのとほぼ同じです。
手事初段のノリはあまり速過ぎず、と
私は習いました。かなり早く演奏
なさる方もいらっしゃいますけれど、
こちらの方がしっくりきます。
倍間の二段目で精神的テンションを
上げるには、この方がコントラストが
ついていいと思うのですよね。

この曲は菊岡検校が擬古典的に
大阪手事物の様式を取り入れているのですよね。
そのためか、菊岡検校らしい美しい旋律と、
引き締まった構成感が一体となった
奇跡的な名曲となっています。
前唄ではほとんど絶望的な状況、
「よるよる身にぞ思ひ知る」ではほとんど
魂の叫び。「絞る思ひをおしつつみ」では
ほとんど諦念に近いもの。
しかし、手事二段であこがれをつよめ、
そして二上りの後唄では、
「松の根堅き契りをば」と、
希望を唄うのです。本当にすばらしい曲です。

尺八はおそらく青木鈴慕さんだと思います。
ありす
2010/04/23 08:13
すごく日本的な美を代表するような美しさを持った曲だと思います。もし習ったことがあって聞いたらきっと感動も倍増なのでしょうね。
また尺八がよく他の楽器に馴染んでますね、
バランスがすごくいいです。特に繁げき浮寝の泊り舟のあとの旋律がいいなーと思いました。
で、率直な疑問がわいたのですが、尺八も綺麗な旋律が各々の曲にありますが、これを作曲した人は尺八の名人なのですよね、やっぱり時代はすごく新しい人たちなのでしょうか、というのは昔は胡弓と三曲合奏してたんですよね。
ふとおもったのでちょっと書いてみました。

ありすさん>
御山獅子の演奏者解析ありがとうございます。
富信清香さんと富上清幸さん(◁誰かは存じませんが)4人も演奏者がいたなんて気付きませんでした。さすがですね。

ああ、それにしてもこんな淀みない演奏を一度はしてみたい!
raimund
2010/04/23 10:18
楫枕いいですね。初めて聞きました。
楫枕とは舟で寝るという意味なのですね。あんな不安定なところで寝たら心も落ち着かないなあということなのですね。
よく夏なんか汗かくと絞れたりしますが、さすがに私の短い人生で絞れる程泣いたことはないなあ。
それだけ泣いたら体力もいるなあ。などくだらないこと考えて聞いちゃいました。

この曲を聴くと、地唄は名曲、大曲を曲の長さでは決して決められないのだなあ、と新ためて感じました。融や八重衣など凄く長いと、私にはちょっと辛抱が続きません。
夕顔やままの川、楫枕は15分程度ですがとても名曲だと思います。
昔の人は長さで曲の善し悪しを決めたりなんかしてないでしょうが、でも長い曲を作るのには何かそれなりの意味もあるのでしょうね。

長大な曲もいずれアップされるのでしょうから、このサイトで聞く特訓したいと思います。やっぱり最初に良い演奏を聞いておくことはいいことだとおもいますので。
ままの川にしても習った物とはスピードも唄い方も微妙に違いますが、いいところは吸収したいなあと思います。
藤枝梅安
2010/04/23 10:32
>raimundさん
>尺八手付け
芸大では川瀬順輔さんの楽譜が
標準譜として使われています。
都山流ではもちろん初代中尾都山手付けです。
聞いた話によると、中尾都山は最初、
胡弓の手付けを元に尺八手付けをしようとした
のですが、ことごとく胡弓の方に断られ、
仕方なく独自の手付けをしたということです。

川瀬さんは、勿論、九州系川瀬派の
川瀬里子さんと初代川瀬順輔さんが夫婦ですので、
おそらく共同作業で手付けをしたのだと思います。

琴古流でも独特なのは、荒木古童さん系統で、
福田栄香さんと三世荒木古童さんの関係が強く、
福田栄香さんは箏を弾かれなかったので、
ちょっと独特の手付けになっています。
三絃とのサシだとものすごく映えるのですが、
三曲合奏だと、ちょっとカオス気味になります。

以上、学生時代の先生の受け売りでした(笑)。
ありす
2010/04/23 10:42
>藤枝梅安さん
名曲、大曲を曲の長さでは決して決められない、
非常に見識のある言葉ですね。見習いたいです。

楫枕のように、コンパクトでありながら完璧に
構成された曲はもちろんいいですが、
大曲には勿論意味があると思いますよ。
融などは、やはりあの手事があって、
唄があって、初めて、表現できるものが
あると私は思っています。
いずれ融がアップされるときが来たら
語りたいと思います。

それにしても、皆さん流派を超えて、
いいものはいいと思う感性をお持ちなので、
すばらしいと思います。
私の学生時代の先生はそういう方でしたから、
私は抵抗ないのですが、普通はなかなか
そうは行かないと思うのですよね。
いいところは吸収しようという心意気、
私も心がけを新たにしたいと思いました。
ありす
2010/04/23 10:53
昔は胡弓専門の人などもいたのでしょうね。
今もいるのですかね?
胡弓というと名古屋的なイメージがありますが、
私の先生も胡弓を弾きますから、今の時代なんでも演奏できないと勤まらないのでしょうかね。
ありすさんも音大出なら胡弓も履修科目などであったのではないでしょうか?
まさか尺八も習ったことあるとか!?

でも尺八も大曲の手付けともなると大変ですよね。
変なの作ったらぶちこわしで、そんなのと合わせたくないなんて言われそうだし。
でもやはり一応は標準とされる楽譜があるんですね。
勉強になりました。
raimund
2010/04/23 17:11
>raimundさん
いや、音大じゃないですよ、普通の大学です。
ただ、古典専門の三曲サークルでした。
実を言うと、三絃を習っていたのは
大学時代だけで、現在本職は尺八だったりします。
三曲サークルなので、複数楽器習える利点があった
わけです。そのときの絃の先生が、
九州系の長谷先生−木谷先生系統、というわけです。
箏は残念ながら習わなかったのですが…。
やっぱり三絃大好きです。
だからこそ、三絃のことを考えない尺八には
人一倍嫌悪感があったりするのですが…。

大学時代の絃の先生には、尺八吹きとしては
あまり評価されていませんが、
絃の理解者としては高く評価してもらっていて、
今は、「扇の曲」の採譜を託されています。
昔は「夕顔」「楫枕」「末の契」の
三曲対照譜も先生の依頼で作成したりしました。
地歌の分析とかもして友人のHPに載せてもらってます。
ほんとに本職尺八なのか心もとないです…。
ありす
2010/04/23 17:37
もしよろしければご笑覧ください。
友人のHPに載せている論考集です。
http://homepage2.nifty.com/setut/02indexv.html
ありす
2010/04/23 18:10
尺八やってるんですねえ。
実は以前九州には1年ほど、博多にいたことがあるのですが、その時はお琴のみ習っていました。それが私の邦楽との出会いなのですが、九州って尺八人口あきらかに多いですよね。
博多にいた頃は筑紫歌都子先生の弟子の先生にお琴を習っていました。月一回尺八の人と合奏する練習があったのですが、その時よく千鳥や春の海など合奏しました。尺八もよく聞くとけっこういいですよね。

でも私は琴三絃がやっぱりすきです。
この春の曲も怒られながらよく弾きました。僕は手事も結構好きなのですが、この録音のように手事なしだと、本当に組み歌のような雰囲気ばりばりですね。
そういう弾き方もありなのですね。
raimund
2010/04/24 17:02
>raimundさん
九州にいらっしゃったことあるんですか。
九州だと筑紫箏なども
もしかして習えませんでした?
最近、箏組歌に関わっているためか、
そちらもちょっと気になるんですよね。

学生時代に、九州系の先生に
三絃を、ほんとに皆さんほどではないにせよ、
習えたことは、いい経験でしたし、
今でもその先生とは郵便やメールで
やり取りしています。
もう少し近ければ卒業後も
続けたかもしれないのですが…。
なんだか先生の教えが染み付いていて、
他の先生につくということが考えられず、
今は尺八に専念しています。
そういう経緯ですので、尺八吹きのくせに、
地歌を聴く時は尺八なしのほうがいい、
という変な好みになっています。
三絃大好きなんですよ、やっぱり。
自分は糸の方にいかに「これならありかな」と
思っていただけるか、それが理想です。
ありす
2010/04/24 17:42
>raimundさん

大雑把にいって、胡弓の流派で、大阪は政島流、京都は腕崎流、江戸は藤植、松翁流だそうです。名古屋はわかりませんねぇ。関松翁という人が江戸の山登検校に伝えたのが松翁流だそうで、政島は「八千代獅子」を尺八から胡弓に移曲した人です。腕崎は久保検校のお弟子で、菊岡検校の師、一山検校、二世松浦検校と同門だそうです。(『よくわかる筝曲地歌の基礎知識』白水社)
筝・三弦と同じく胡弓の専業はないようです。三曲で専業は尺八だけですね。
喜音院
2010/04/24 22:50
太田先生のすばらしい楫枕ありがとうございました。うっとりとして聴きました。尺八の演奏は誰がされているのでしょうか。
etk
2010/09/24 17:08
地唄FAN管理人です。etk様 ようこそいらっしゃいました。大歓迎です。

尺八の演奏は誰かと言うご質問ですが、このブログにコメントして下さっている方に尺八にお詳しい ありす様と言う方がおられますが、その方の書き込みでは「尺八は青木 鈴慕師」ではないかとの事です。
管理人の保存状態が悪く、演奏者が今一つ判然としませんので申し訳有りません。
是非ともまた他の曲もお聴きいただき気軽にコメントなどしていただけるとありがたいです。なにとぞよろしくお願いいたします。

etk様 始めまして! 大歓迎です。
2010/09/24 22:11
地唄FAN管理人様
早々に回答ありがとうございました。
このサイトはたまたま見つけたものです。
よく聞く曲以外にあまり演奏されることのない曲もあり、とても素晴しいサイトと思います。勉強時の参考とさせて頂きます。ありがとうございます。今後ともよろしくお願い致します。
etk
2010/09/26 10:39
地唄FAN管理人です。
etk様 有難うございました。外出しており、返信が遅くなり大変申し訳有りません。

検索サイトで見つけていただいたのかもしれませんね。最近はそこそこ上位のページに出てくることが多くなりましたので、それをご覧になっていらっしゃる方も少しずつ増えているようで有り難い事です。

このブログは辞書の様に全ページが同じ重み付けを持っておりますので、最新のページだけに限らず、過去に登録したページも同じような位置づけを持っています。五十音順、作曲者別の索引から各曲にアクセスしていただきお聴きいただければと思います。

皆様のコメントがとても励みになりますので、「聴いたよ」 「こんな曲はないのか?」などでも結構ですので何かコメントしていただければ大変嬉しいです。

今後とも末永くよろしくお願いいたします。
etk様 有難うございます。
2010/09/26 19:58
素敵ですねぇ〜
太田里子師の演奏は風格を感じます。
菊原初子師は、な〜んて魅力的なお声
艶があって、柔らかくて、、、大好きです。

それにしても、、、コメントがすごすぎ。。
毎度のことですが、、、ビビりますです(笑)
happydance
2011/02/20 08:56
地唄FAN管理人です。
happydance様 ブログ更新を長らく怠ってしまい、大変申し訳ありません。早速コメントして下さって誠に有り難うございます。

双方雰囲気は随分異なりますが、それぞれに趣が有って良い演奏ですねぇ。

確かに皆様お詳しい方も多いので、コメントの内容に気後れされる方もいらっしゃるかもしれませんが、あまり気にせず感じたことを書き込んで下さるようにお願い致します。皆さん良い方々ばかりなので、暖かく迎えて下さることと思います。

今後ともよろしくお願い致します。

happydance様 コメント有り難う...
2011/02/20 13:12
菊筋で昔三絃を習っていて、
年を取ってから九州系の先生のもとで
再開されたかたのお話が面白いのですよ。

たとえば、菊筋では「テテン」というのは、
とても鋭くやる。九州系の先生は、
とにかく「やわらかく、やわらかく」
とおっしゃる、と。
これは、両者の本質的な違いを表しているようで、
とても面白いなと、今でも覚えているのです。

太田里子さんは九州系ですので、
この曲の柔らかな表現、
情緒の面を前面に出した演奏、
菊原初子さんの演奏は、
この曲の古風な形式感、
大阪手事物の独特の雰囲気を
大切にしているように感じました。
とてもシャキっとした演奏ですね。
これほど対極的な演奏ですけれども、
そのどちらでもやはり面白さがある。
地歌のもつ懐の深さでしょうね。

ただ、気になるのは、
菊原初子さんの演奏での尺八の方、
都山流の方ですが、
この方の演奏の仕方は
情緒に重きを置いているので、
これ自体が悪いわけではないのですが、
菊原初子さんの目指した曲の
演奏の在り方とは、
ちょっと違う世界に
いらっしゃるような気がしました。
合奏するからには、糸の方の目指す世界を
共有しないといけないなあ、と、
そのあたりは自戒を込めて、というところです。
ありす
2011/02/21 03:06
ありすさん
尺八のことは正直良く分からないので、ありすさんのコメント、とても興味深く読ませていただきました。
糸方と、尺八の方の演奏の世界観の違い、、って、重要なこと、なんですね。。。

勉強させていただきました。
ありがとうございました。
happydance
2011/02/21 23:24
地唄FAN管理人です。
ありす様コメント有り難うございました。

バタバタしていてコメントに対する返信も、ブログ自体の更新もかなり怠ってしまって大変申し訳有りません。
菊原師と言うとすぐに端歌物が浮かんでしまうので、ごくごく通常の手事物の演奏をじっくり聞く機会が少ないのですが、この「楫枕」も素敵ですねぇ。
まさにありす様が仰るように菊筋と九州系の差異が良く分かって興味深いです。しかも、これだけ雰囲気が異なるのにどちらの演奏も素晴らしいと言うのはやはりとても興味深いことだと思います。
ありす様 コメント有り難うございました。
2011/03/02 13:09

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