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<<   作成日時 : 2009/07/26 10:28   >>

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皆様へ
如何お過ごしでしょうか?

喜音院様、会員第一号様から「古道成寺が聴きたい」とのご要望ですので、今回は「古道成寺」といたしました。

本当はもう少し先にと出し惜しみしていたのですが、さすがに皆様のご要望は中核の「古道成寺」となりましたねぇ。

この演奏に関しては何も言うことは有りません。私が保有する演奏の中で只1曲を選べと言われたら迷わずこれにするだろうと考えている程 大好きな演奏です。

それでは富崎師の至芸を 是非皆様 じっくりとお聞き下さい。
唄・三絃 富崎 春昇師
箏 富山 清琴師
による演奏です。


07A02

管理人です。
本日は富山 清琴師の演奏による「古道成寺」をアップいたします。師弟による同一曲の演奏ですが、それぞれに趣があって良いと思います。(2010/7/14)


20AB04

ありす様のご好意で、歌詞・解説など関連情報を頂戴しました。皆様 ありす様のご好意に御礼を申し上げてください。


∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
 
 Special thanks to ありす 様  
                        2010/4/4
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞

昔むかしこの処に まなごの庄司といふ者あり
かの者 ひとりの娘を持つ
またその頃 奥州よりも熊野へ通る山伏あり
庄司がもとを宿と定め 歳月送る
庄司 娘寵愛のあまりにて あの客僧こそ
汝がつまよ 夫と戯れしをば 幼な心にまことと思ひ
明かし暮らして 御在しける
その後 娘 夜更け人も静まりて 衣紋繕ひ 鬘かき撫でて
忍ぶ夜の障りは 冴へた月影 更けゆく鳥か音
それに嫌なは犬の声 ぞっとした
人目忍ぶ夜の憂や辛や せきくる胸を押し静め
かの客僧の傍へ行き いつまで斯くて置き給ふ
早く迎へて給はれと ぢっとしむれば
詮方なくも客僧は よれつもつれつ常陸帯
二重廻りに三重四重五重 七巻まいて放ちはせじと ひき結ぶ
切るに切られぬ我が思ひ お馬繋ぐは そら嘘つきよ
とても寝よなら はて諸共に 縁は朝顔 浅くと侭よ
せめて一夜は寝て語ろ 後ほど忍び申すべし
娘まことと喜びて 一間の内にぞ待ちいたる
その後 客僧は 仕すましたり と それよりも
夜半にまぎれて 逃げて行く
さいわい寺を頼みつつ 暫く息を継ぎたるところへ
娘駆け来たり ええ腹立ちや 腹立ちや
我を捨て置き給ふかや なうなう如何に御僧よ
何国までも追つかけ行かん 死なばもろとも二世三世かけ
逃すまぢとて追つかくる
折りふし日高川の水嵩まさつて 渡るべきもあらざれば
川の上下 あなたこなたと尋ね行きしが
毒蛇となつて 川へざんぶと飛び込んだり
逆巻く水に浮いつ沈みつ 紅の舌を巻きたて
焔を吹きかけ吹きかけ 難なく大河は泳ぎ越し
男を返せ戻せよと ここのめん廊 かしこの客殿
くるくる くるくる くるりくる くるくる くるくる
追ひ廻り 追ひ廻り なほなほ怨霊威丈高に飛び上がり
土を穿つて 尋ねいる 住持も今は詮方なく 釣鐘下ろし隠しおく
尋ねかねつつ怨霊は 鐘の下りしを怪しみ
龍頭をくわへ七巻き巻いて 尾をもって叩けば
鐘は則ち湯となりて つひに山伏とりをわぬ
なんぼう恐ろし物語り

<作曲者>
岸野次郎三
箏手付:市浦検校
京都では八重崎検校
また、作者不詳の手付もあり

<曲種・調弦> 
三下り芝居歌物
箏:市浦検校手付:平調子
 :八重崎検校手付:低平調子
京都には他に半雲井調子の作者不明の手付もあり

<作詞>
不詳

<初出>
1711〜1716以前の刊と思われる『古今端歌大全』

『語り道成寺』・『鐘捲き道成寺』・『古道成寺』・『三下り道成寺』などとも。
謡曲『道成寺』の後段のワキの語りを原拠とする。
途中にくだけた歌詞が挿入され、描写的な間奏を含む。
正徳・享保期の成立という『古今端歌大全』に詞章初出。
箏の手付けも地域・派によって異なり、京都では八重崎検校、大阪では市浦検校作曲と伝えられるが、様々な手がある。


ありす様 大変なご努力をいただき感激です。きっとここを参照される皆様もお喜びになると思います。本当に有難うございました。
今後ともなにとぞよろしくお願いいたします。


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以下から一覧表をご参照下さい。

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コメント(13件)

内 容 ニックネーム/日時
圧倒されました。
もう評言の他ですね。
前半は非常にノスタルジックで美しく。後半は凄惨ですね。実際にこうはっきりとした印象をうける演奏はすくないのが現実で、流石名人かな、であります。

 この作曲者は岸野次郎三郎という方で、筝手付けはオランダ万歳で有名な市浦検校というかただそうです。筝の手付けは後半特に凝っているという印象です。

岸野という人は調べたら「狐会」「狐火」「六段恋慕」「古松風」と、名曲揃いなので、興味がわきました。

 富崎師の音色は例の如く大変通りがよろしく、撥さばきが本当に素晴らしいです。
 清琴師は琴の音色が非常に美しく、アルペジオが非常な効果を発揮されております。

 
 
喜音院
2009/07/31 17:51
さらに春昇師の歌はまことに素晴らしいです。

「昔々」となんでもないようにスーッと言ってしまっておりますが、これが本当に昔の話なのだなと惹きつけられてしまいます。
 全編ぶっきらぼうの棒歌いのようで、しかしこのように表現ができるのは驚異です。
 どこが、というのでなくどこも隙がないのですが、娘が山伏に言い寄る所、「所へ娘駆け来り」「毒蛇となって」等々、芝居がかってしまうか、さもなくば、ただの歌になってしまうこともなく、歌の文句が生き生きして脳裏に浮かぶ如くです。
 これはまた富崎師の芸の特色で、師の得意ものの中には芝居歌や作物のように、言葉が重要な役割を果たす作品が多く含まれていることでそれが察せられると思うのです。
 これは、富筋というだけでなく、師の声質や育った環境(祖父、父親が文楽座の人形遣い)による所が大きいのではないかと思います。
喜音院
2009/07/31 18:05
喜音院様
何時も何時もご丁寧にコメントをいただき、本当に有り難うございます。

まさに圧倒的な演奏だと思います。一方で劇的な部分も下品になることなく、本当に素晴らしいです。
色々書き始めるとエンドレスになってしまいそうなので、この位で終わらせて頂きます。
他の方がコメントして下さるのをお待ちしています。

地唄FAN管理人
2009/08/03 08:23
藤井昭子先生のライブ直前ですが、書き込ませていただきます。

とうとう、ついに「古道成寺」を拝聴いたしました。
喜音院さんのおっしゃるように、この曲のストーリーがありありと目に浮かんでくるのが素晴らしいですね。確かに、文楽とのつながりがあったということは大きく影響しているかも知れません。
喜音院さんとまったく同じものを感じました。

しばらくこの音源を研究いたします。
会員第一号
2009/08/17 18:02
演奏とは関係ないのですが、
面白いサイトを紹介していただきました。
話のネタにひとつ。

http://homepage3.nifty.com/kouhei1016page/Math/Math056.HTM
ありす
2010/05/06 23:12
ネタだけではあまりにもアレなので。

この演奏、まず圧倒されます。
そして落ち込みます。
「このような演奏は、はたして
練習で埋まる差なのだろうか」と、
絶望感に襲われます。
演奏芸術は、この時代で
終わったのではないか、と
しばらく楽器が手につかなかったことも。

ある方に、かなり励まされ、
自分は自分なりにできることを
しなければ結局立ち止まってしまうな、と、
なんとか楽器を持てるようになりましたが、
それくらいの演奏でした。

その方にもこの演奏を聴いていただきましたが、
やはりとても良い演奏、曲、だと
おっしゃっていただきました。
この時代、もう修行からして
現代と違うのだから、
「追いつこう」という発想自体
無謀極まりない、ということですね。
なんにせよ、この曲、演奏は
本当に凄く考えさせられるものでした。

曲も、さすがに岸野次郎三、
松浦的に、動機の展開的なことをやっていて、
言葉に重きを置く曲なのに、
非常に有機的統一感があります。
曲と演奏、互いに高めあった、
奇跡としか言いようがありません。
ありす
2010/05/07 01:48
>管理人さん
今気付いたのですが、
作曲者は「岸野次郎三」ですね、
変換ミスだと思います。すみません。
訂正していただいたら、このレスは消してください。
お手数おかけしてすみません。
ありす
2010/05/07 01:50
ありす様
お久しぶりです。ゴールデンウィークゆっくりお休みになれたでしょうか?面白いサイトをご紹介下さり、有り難うございました。思わず笑ってしまいました。

この演奏、まず圧倒されます。そして落ち込みます。しばらく楽器が手につかなかったことも。
>管理人
そうですねぇ。分かるような気がします。私の場合は自分の習っている曲よりも遙かに先の曲なので、単純に「名人とはこの人の様なことを言うのか!!」とただただ感心してました。確かに近づけそうに無いですね。


ある方に、かなり励まされ、自分は自分なりにできることをしなければ結局立ち止まってしまうな、
>管理人
そうですね。下世話にも「百里の道も一歩から」ですから、止めてしまっては近づくこともかなわないですね。しかし始めて聞くとやはりショックを受けます。


その方にもこの演奏を聴いていただきましたが、やはりとても良い演奏、曲、だとおっしゃっていただきました。
>管理人
ご紹介いただき有り難うございます。そうやって少しずつ聞いて頂ける方が拡がっていくのが一番自然なのでしょう。

なんにせよ、この曲、演奏は本当に凄く考えさせられるものでした。
>管理人
ありす様の様な方に聞いて頂けて良かったです。死蔵しているだけでは富崎師にも申し訳ないですから。

なお本文の方の「二郎三」も「次郎三」に修正しておきました。私も気づきませんでした。有り難うございます。
今後ともよろしくお願い致します。

地唄FAN管理人
2010/05/07 08:16
今祇園祭の宵山のお囃子が終わって帰ってきました。
連日雨の中、たくさんの人が来てエネルギーを使い果たした感じです。
明日は山鉾巡行です。これが終わると京都は夏ですよ〜。
というわけで、なかなか拝見できませんでしたが、
今回は古道成寺なのですね。

富崎春昇さんと清琴さんは声とか歌い方がよく似ていますね。
盲人さん的な演奏というのでしょうか?
清琴さんは春昇さんに比べると大分声が透き通ってますね。
でも古道成寺なら春昇さんの貫禄あふれる演奏が僕は好きです。
お三味線もよく鳴っていますよね〜。
春昇さんは初め聴いたときだみ声だなあ、
と思ったのですが、
聞くほどに気にならなくなりますよね。曲に引き込まれていきます。

現人間国宝の2世富山清琴さんは、この2人のような独特さはないですよね。よく言えば奇麗な演奏と言うのでしょうか? この2人がすごすぎるんですよね。名前を継承していくのもほんと大変ですねえ。

raimund
2010/07/17 00:06
raimundさんと同じく、富崎春昇さんの演奏に軍配を上げたいですね。クライマックスのところというのでしょうか、最後の方なんか、あの迫りくる感じのお三味線の演奏、どうやっているのか想像もつきません。お三味線が違うからというだけではない気がします。やはり本質的な技量なのでしょうか。清琴さんが軽く聞こえてしまう感が、、、。

私の中では、春昇さんの演奏以外はもう聴きたくなくなってしまったというのが、率直なところです。
歌も何もかもが良すぎるんです。ちなみにお琴は清琴さんなのでしょうね。息が完全にぴったりですね。もう何も言う事ありません。
欲を言えば春昇さんの奏でる峰崎作品を聴いてみたいものです。上方作品は上方の演奏家に奏でてもらいたいなあん。

一日何時間練習したら、こんな演奏できるんでしょう。
藤枝梅安
2010/07/17 00:22
春昇さんの演奏はなんと言っても
特別ですからね…。
ただ、春昇さんの「古道成寺」で
箏を弾いている清琴さんは、
これはもうさすがとしか
言い様がないです。
これだけの三絃と唄を受け止めて一歩も引かない
真剣勝負のような合奏が出来るのは、
箏でも春昇さんに引けを取らない
名手という証明だと思うのです。

富崎春昇さんや萩原正吟さんは、
それこそ修行のつらさで
なんども手ぬぐいで首をくくろうか、
河に身を投げようか、と思ったそうです。
そんな想像を絶する修行に耐え抜いて
芸を磨いた方々ですから、現代の人間は
別の表現を模索しないととても太刀打ちできない
のは仕方ないことだと思います。
ここでの清琴さんは、それを誰よりも
理解している方だとおもいますので、
清琴さんの「古道成寺」、
これからもっと聴き込んで、
清琴さんの考えていたことを
一端でもよいので伺えたら、と思っています。
それは、現代を生きるわれわれの
演奏にもなにか道しるべになるのではないか、
そう感じています。
ありす
2010/07/17 13:34
死ぬほどつらい修行ってのはすごいですねえ。
僕は三味線弾くのが楽しくてしょうがないですけど、
芸を究めるには楽しいだけじゃ、だめなんですねえ。

自分が弾いて楽しいのと、人を感動させるという事は全く別物ですからねえ。しみじみ。(泣)
raimund
2010/07/17 22:19
皆様 コメント有り難うございました。
今回の「古道成寺」は皆様にとっても興味深かった様で良かったです。春昇師の演奏は私にとっても特別印象深い物ですが、色々な(と言っても富筋ですが)方の演奏を同じ曲で聴くことが出来るのも、とても勉強になりますね。
今回のアップを機会に富山清琴師の演奏も何回か聴きましたが、清琴師の工夫の跡を感じることが出来て良かったと思います。

皆様これから夏本番ですが、体調に留意されてお過ごし下さい。今後ともよろしくお願い致します。
地唄FAN管理人
2010/07/18 08:40

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